2003年10月12日(日) |
花全ツ『琥珀色の雨にぬれて』 『Cocktail』 |
この公演が決まった時、なんとなく見たいなぁ・・・と思った。 チャリオの涙のサヨナラ公演。 まだあの公演のトラウマに打ち勝てないでいる私は見て克服したいと思った。
それに出演者がおいしすぎる。 さお太、みわっち、まっつ・・・燦ちゃん・・・。 まさちゃんの歌も堪能できる・・・。そう思ってかなり意気込んでいた。 ・・・なのにもちろん、チケットなんてなかった。
ようやくネットで少しお高いチケットを見つけ、念願叶ってさーて全ツ〜〜〜〜!!!
『琥珀』 やはり正直な話、チャリオの公演が強烈に鮮明に残っているからどこかしっくりこない。 まさちゃんのクロードはオトコマエなんだけど、なんでも器用にこなしてしまいそうな感じで、シャロンにてこずっている風には見えなかった。 チャリオのクロードはもう、ホント、坊ちゃま育ちの不器用さんで シャロンに対してもいっぱいいっぱいというのが痛いほどだったのに比べて 粋で手馴れているように見えてしまうのは、まさちゃんならでは・・・かもしれない。 でも表情とかはやはりさすがで、葛藤や切なさが伝わってきた。
ルイは・・・まさちゃんのルイはどこか洒落た雰囲気が漂っていて、 ジゴロという立場にいながらも気位は高い・・・そんな感じがしたのに対して らんとむちゃんのルイは・・・まんま・・・ジゴロだった。 らんとむちゃんも芝居はなかなかできる人なので、 シャロンがクロードのほうに行きかけたりする時に見せる寂しさと焦りが絶妙だった。
シャロン・・・みどりさんのはまり役だったシャロン。 ふーちゃんには少し大人すぎる女性だったかもしれない。 でもかわいらしさを残したシャロン・・・っていうのもいいかもしれない。 取り巻きたちに囲まれて、いつも女王様気分だったシャロンが 初めて味わう孤独と淋しさかもしれない・・・と思わせるシャロンだった。
『Cocktail』 まんま・・・『Cocktail』だった。 所々、変更されたところがあったけど、流れはほとんどあのままだった。 最初は・・・退団者がたくさんいたことや、チャリオのことも少しよぎったくらいで 単純に楽しむことができた。 中詰なんて・・・未宙やら、まっつやら、みわっちやら・・・ 本公演では見られないうれしいシーンでウキウキだった。 まっつの歌のうまいことうまいこと・・・。 みわっちが客席にウインクを投げて・・・まさに一本釣りの瞬間を見た。
楓さんと鈴懸さんが踊ってちはる兄貴が歌う・・・シーンは、 さお太と鈴懸さんが踊って・・・まっつが歌った。 もうぶったまげるぐらいうまかった。 あのかわいらしい・・・細い面立ちのまっつのイメージとはかけ離れた渋さだった。
ウキウキ状態の私をどん底へ落としたのは『みんなの歌』 舞台が遠かったせいか、オペラなしで見ると ゴールドの衣装の真ん中に濃いピンクの衣装を着た・・・チャリオに見える。 泣けて泣けて・・・涙が止まらなかった。 そう、1番、堪えるシーンはココだった。 涙を堪えて笑顔でチャリオを見つめる組子と それに答えるように泣きながら笑顔で組子を見渡すチャリオ・・・。 そのあと、『乾杯』でエンビ。ダメだよ。 チャリオのためのサヨナラ一色だった公演、そのままじゃ、あかんやん。 そのまんま、気持ちはなんだか沈んだままだった。
だけどまさちゃんの歌を堪能できたのはうれしかったし、 まっつのすごさを再認識できたし、相変わらずのみわっちも楽しめたし、 さお太の艶やかさも・・・・・・いろいろいろいろ楽しむことはできた。
・・・結局、完全に克服はできなかった・・・けど、見に行ってヨカッタ・・・と思えた公演だった。
『Cocktail』をこんなに・・・博多座でもやったのに 普通のサヨナラ公演じゃなかった公演の作品なのに こんなにまんま・・・でやらなくても・・・。 花組のショーでもっともっといいのはたくさんあるのに なぜこの作品にこんなに固執するんだろう・・・と思った。 まさちゃんに合う・・・ミキさんの時代のショーなら まさちゃんにもぴーったりあうと思うのに。
『ダンディズム』や一昔前だけど『ファンシータッチ』や『ラ・ノーバ』だっていいと思うのに。
そんなことを妹とウダウダいいながら、帰ってきた。
2003年10月11日(土) |
樹里咲穂コンサート『JUBILEE − S』 |
リカコンには洗練されたカッコよさを・・・ ジュリコンにはユーモア溢れるエンターテイメントを求めていた。
リカコンが完全にコンサート形式だったのに対して 樹里コンはミュージカル仕立てだった。
ヒロインがいて、仲間達がいて・・・キーパーソンがいて・・・。
ストーリーはどこかで見たようなものだった。 でもじゅりぴょんがおかしすぎた。
歌いながら登場して・・・このまま行くのかと思いきや いきなりちょっとしたトークが入る。 なんでもトークは突っ込みが大切だとか・・・ ・・・・・・ここで1人で漫才を始めるじゅりぴょん・・・。
・・・どこまでがアドリブでどこまでが真面目かわからない。
登場人物も多趣多彩で・・・下級生たちばかりだけれども見ごたえがあった。
歌い、踊り・・・芝居をして・・・笑わせて・・・ キメて、笑わせて・・・落として・・・笑わせて・・・。
カッコいいじゅりぴょんとおかしな下級生たち。
中でも麻愛めぐるクンと緒月遠麻クンが最高だった。 まちかクンはクラブのおかまのオーナー。 かなり徹底していた・・・ほとんど捨て身のおかまっぷり。
緒月は・・・晴華みどり扮する地上げ屋の手下なんだけど なんでも犬に育てられた人間らしく、興奮したりすると 言葉のトコロドコロニ犬の鳴き声が入る。 その犬の鳴き声が・・・これが・・・また絶品だった。 「ど、どないなってんの?」というくらいの鳴きっぷり。
下級生たちとのやりとりの中にじゅりぴょんが突っ込みをいれ、 下級生たち自身も充分・・・ジェンヌという立場を捨てたかのように笑いを取り、 「一体、これはなんなんだ?」状態だった。
めちゃめちゃベタなダジャレも連発する。 それでも平気、もう笑いすぎて、なんでもおかしい。
こんだけ笑わせておいて、「そこでマジに歌うのかよ〜。」と言ってしまいたくなるじゅりぴょん。
宝塚きってのお笑いエンターテイナーだと思った。
歌うとさすがの声量で聞かせてくれるし、踊れば、スパッとキメてくれるし、 歩きながらウインクを飛ばすし・・・投げキッスなんて飛ばそうもんなら 飛ばされたあたりの空気が・・・固まるのがわかるくらいだった。
そんなじゅりぴょんもラスト、揺れるペンライトに涙を流した。 ラストの歌の時に揺れるペンライトに・・・歌えなくなった。 声を詰まらせていた・・・・・・。そして 「今回の公演は泣かへんって決めてたのに。反則や。ペンライト・・・。 めちゃめちゃキレイでした。ありがとう。」 そう話してくれた。
終わらないカーテンコールに・・・最後は下級生たち1人1人を呼んで 1人1人と言葉を交わした。
かなり笑いを取った早花まこちゃんに 「これからのあなたの宝塚生活が心配だよ。」と言ったり、 急に泣き出してしまった今回のヒロイン大月さゆちゃんに 「泣かないの、泣かないの・・・大変だったもんね。」と優しく声をかけてあげたり。
でもやはりおかしかったのは緒月・・・ 「すごいおかしかったよ。あの犬・・・すごかったよ、ホントすばらしかった。」 ・・・とコメントするじゅりぴょんに 「普通の人間の役もまだできないのに、こんなことでいいのかと 少し不安になりました。」と・・・ここでも笑いをとっていた。
スクラッチのバンドのメンバーも1人1人紹介し、 最後のメンバーが舞台で使ったピンクのモップを持って登場しただけでなく、 ステージのど真ん中で転んでみせた。 そんな彼に「全部、やられた。全部持っていかれた。」と悔しがるじゅりぴょん。
本当に最後の最後まで楽しかった。
もうヒトツ楽しかったこと。 私の隣にじゅりぴょん大好きの悪友Tが座っていた。 彼女はじゅりぴょんが登場するたびに興奮し、ウインクに撃沈、 投げキッスに気を失い・・・本当に彼女を見てるのも楽しかった。 いつもTは私がすしおさんにヤラれまくっているのを見られているから 今回は・・・初めて落とされている人を間近に見ることができ、おかしかった。 「ひゃ〜〜〜っ!!!」とか「うわっ!!!」とか・・・。
樹里咲穂・・・彼女のような3拍子どころか、お笑いまで・・・4拍子も揃ったジェンヌはそうそういない。
渋い男役からオチャラけた男役、そして女役までもこなすじゅりぴょん。 彼女のような存在は今の劇団にはかなり大きいと確信を持ったコンサートだった。
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