2003年10月21日(火) |
宙組新公 『白昼の稲妻』・・・少し辛口 |
「あー、もう83期生・・・新公卒業なんやなぁ。」そんなことを思っていた。
思いついた人・・・順番に・・・。 少し辛口です・・・お許しを・・・。
クレール夫人・・・月城美咲(京三紗) 彼女はいつも少し難しい役をやる。今回は年齢設定に無理があった。 これならアルベールの母・・・ではなく、姉・・・くらいにしておいたほうがヨカッタのでは? だけど、セリフはしっかりしていて・・・さすがうまかった。
カッサンドラ・・・織花なるみ(出雲綾) 実は、けっこうお気に入りな娘役だ。 組長ほどパンチ(←死語)の効いたカラーではなかったけど あの時代のあの世界を生き抜いてきた強い女性という感じはした。 あそこまで歌ってくれるとは思っていなかったから・・・うれしい。 本公演でのヴィヴィアンヌの母・・・とはまるで正反対すぎておもしろかった。
ギャランティーヌ・・・芽映はるか(貴柳みどり) これもむずかしいなぁ。本公演ではシーリアがしっとりとやっていたから とてもやりにくかったと思う。 どうも若く見えすぎるけど、それでも侯爵とヴィヴィアンヌの間でのいくつかのやりとりは わかりやすくてよかった。
ヴェルネ・・・天羽珠紀(美郷真也) あもたまは・・・役者だ。歌もうまい。渋すぎる。 ただただ・・・うなってしまった。ほくそえんだりなんかした日にゃ、恐ろしすぎる。
ベラ・・・美羽あさひ(彩乃かなみ) かわいらしかった。幕開きの歌も楽しそうで・・・。 銀橋から本舞台に戻る時にオーギュストが自分のほうを向かないことに はがゆさを感じている・・・・その嫉妬ぶりがかわいかった。 途中でマイクが入らない・・・というハプニングがあった。 でも全く動じず、セリフを話していて、その声が張りがあってとてもキレイだったことに驚いた。
ジルダ・・・和音美桜(美羽あさひ) メイクがとてもかわいらしくなって・・・。 サバティエにいい寄るところは、まるで友だちに「遊びに行こうよ。」と言っているようだった。
ルネ・・・凪七瑠海(花影アリス) 本公演でルネの友だちをやってる彼女がルネかぁ・・・。 なんとなくもっと違う年齢設定の役を・・・って思ったりもした。 本役さんよりも男の子らしかった。でもやはりなぜルネが死ななくちゃいけないのか わからなかった・・・関連性が・・・わからなかった。
ジャン・・・和涼華(遼河はるひ) 人気俳優・・・というハツラツさがよかった。 もっと出番があってもヨカッタのに・・・。 セリフ運びがけっこうウマイ。
セルジュ・・・夏大海(寿つかさ) 明るい笑顔がとても役にあっていた。 ようやく歳相応の役が・・・とうれしくなった。
パスカル・・・珠洲春希(初嶺麿代) 水色のスーツがなんともさわやかで・・・。 オセロの練習をしている時の仰々しいセリフがよかった。 みんなが歌舞伎調にして・・・セリフをしゃべり、わかりやすかった。 最初のサロンで踊る時、「今をときめく俳優のみなさん」という雰囲気が とてもよく現れていた。 ダンサーだけあって、動きがとてもキレイ。 セリフも無理がなく、声もしっかり出ていた。 途中、ヴィヴィアンヌとアルベールの彷徨いの幻想のシーンで出ていた時には驚いた。 キレイに踊るなぁ・・・と思って見てみたら・・・彼女だった。 ラストの劇中劇の白い衣装でのシーンは格別だった。
シモン・・・巽希和(磯野千尋) おひげがとても似合っていたのに驚いた。 幕開き、小公女ちゃんに笑顔や手の位置を教えている姿が笑えた。 今までで1番セリフが多かったんじゃないか・・・という役だったけど 短調にならず、表情もよくかわり、なんだかうれしかった。
サバティエ・・・早霧せいな(大和悠河) すごい・・・うまい、うまい。研3とは思えない落ち着き様。 銀橋を渡りながら、頭に手をやり、視線をあげるところなんて・・・ まるで堂々としていて、驚かされた。 歌もしっかりしているし、セリフもしっかりしている。 どことなくいつも・・・幼さが残る雰囲気があるけど、 今回はそれを全く感じさせず、とてもいい味を出していた。 ・・・・・・見ながら「誰かに似てる、誰かに似てる」と何度も思ったけど・・・・・・わからない。 今回1番、いろんな意味で驚かされた人だった。
ランブルーズ・・・七帆ひかる(水夏希) 難しい役だ。セリフが走ってしまうと侯爵の貫禄が出ない。 時々、そんなところがあったけど、3人の中では1番、落ち着いてセリフを話していた。 劇中劇の途中、上手セリからせり上がって来る時の顔つきがこわかった。
オーギュスト・・・十輝いりす(初風緑) これが一番難しい役だと思う。 幕開きの歌はとても明るくてヨカッタ。ベラとのやりとりも微笑ましかった。 セリフは全体的に早く回しすぎだったような。 さわやか青年貴族という雰囲気はとてもよく出ていた。
ヴィヴィアンヌ・・・音乃いづみ(花總まり) 登場シーンから全体的に悲壮感が漂っていた。 大人っぽい顔をしているため、かわいらしいドレスがどちらかというと 少ししっくりいかないようだった。 ドレスさばきが少し重たかった。 ただ声がキレイなので、セリフもよかったし、歌も聴かせてくれた。 もう少し表情に喜怒哀楽が出れば・・・と思った。
アルベール・・・悠未ひろ(和央ようか) なんと本役さんと似たセリフ運びなんだろう・・・と思った。 長身がとてもよく映えていたけど、少し姿勢が気になった。
歌はとてもあたたかく、聞きやすかった。
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全体的にセリフ運びが慌しく、まるで“間”がないような時もあった。 作品自体、難しいのと時代設定や人物設定も難しいのでヨケイにやりづらかったようだ。 本公演はさすがだ・・・と改めて思った。 全体的に若くなりすぎたのと、セリフが早すぎたのが残念だけど 歌がウマイ人たちがたくさんいたようでうれしかった。
役という役・・・通し役がなかったかなみ。 侍従から、舞踏会の夫人・・・そして最後に 「ヴェルネさま、並びにランブルーズ侯爵、次の夜会へのご列席は ご遠慮くださいますよう・・・。」 というセリフを言いに上手からしずしずと出てきた時は客席からため息がもれた。 たったヒトツのセリフなのに、ぴし――――っと全体が締まった。
かなみちゃんの長の挨拶、ともの挨拶。 作品が難しかったこと、新公最後・・・ということ・・・。 聞いていて、なんだかしみじみしてしまった。
あー83期生の新公が終わった・・・・・・。 なんか・・・淋しい・・・・・・。
2003年10月18日(土) |
安寿ミラ主演 『モンテクリスト伯』 |
退団したばかりのコウちゃんこと汐風幸が出る・・・ということで見ることに決めた舞台。 何も予備知識もなく見た。 ストーリーは単純明快・・・・・・ではなく、 よくよくよ―――く登場人物の名前と職業と関係を聞いておかなければ 全く・・・そう、全く話がわからなくなる・・・という難題作品。 救いだったのは主演の安寿ミラ氏が男性役だった・・・ということ。
ストーリーは、まだ若かった安寿ミラ演ずるエドモンが友人たちに騙されて牢獄に入れられてしまう。 婚約者のメルセデス・・・これがコウちゃん・・・は哀しみに打ちひしがれて 愛するエドモンを騙した1人と・・・婚約者の敵とは知らずに結婚してしまう。 やがてアルベールという一人息子・・・これもコウちゃん・・・が生まれ、成長する。
エドモンがある人に救われ、復讐を誓う。 時が流れ、エドモンはモンテクリスト伯爵を名乗り、誰にも気付かれず、 かつて自分を騙した人たちを絶望と哀しみのどん底へと叩き落していく・・・。 しかも一切自らの手は汚さず・・・。
アルベールとも知合い、ふとしたことから決闘をするハメに・・・。 誰も自分をエドモンだと気付かないのにかつての婚約者メルセデスだけは 声を聞いただけですぐわかったという。 そして自分の命よりも大切な息子の命を奪わないで・・・と切望する。 エドモンは自分の命と引き換えに愛するメルセデスの願いを聞き入れることを誓う。
だけど、決闘は行われなかった。 メルセデスは息子アルベールにも様々な事情を話し、 かつての婚約者だったエドモント決闘をしないように懇願したのだった。
・・・・・・なんかわかったようでわからないストーリーで どこに重点をおいて見るべきか・・・わからない状態だった。
でも私はコウちゃんが見たくて行ったのだし、 安寿ミラが女の人の役ではなく、男の人の役だった・・・ということが なんだかうれしくて・・・コレでよし♪と思った。
コウちゃんはクリームがかった黄色いドレスを着て出てきたかと思うと フロックコートを着て颯爽と登場する。 それだけでも充分楽しかった。
ただ、全体的に音響というか、銃声や雷鳴の音が大きすぎて、 途中少し頭痛がしたほどだった。
その度に寝ていた人は飛び起きる。
ラスト・・・ハッピーエンドだったのか、なんだったのか覚えていない。
ただ、カーテンコールで安寿ミラがコウちゃんに腕を組むよう促し、 2人で寄り添うようにソデに入っていったあの笑顔が印象的だった。
・・・男役:汐風幸・・・もステキだったけど女優としての汐風幸もとても楽しみだ・・・と 素直に思えた公演だった。
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