◆◇ お気楽観劇日記◇◆
公演やビデオなどを・・・見たまま、聞いたままを
つらつらと書き綴ったまたまた気楽なコーナーです。

2004年03月09日(火)  星組新公 『1914/愛』

最近、メキメキと実力をつけ、男っぷりをあげてきたレオン主演。
でも今回の作品は・・・どの役もどこか・・・しどころがなくてやりにくそうだし
難しいかもなぁ・・・なーんて思っていた・・・。

では、また思いついた人々から・・・。

あやみん・・・(かしちゃん)
ギョーム・アポリネール
いつの間にか・・・どこか危なっかしかったセリフや歌が少し克服されていて
芸術家仲間たちに慕われる・・・兄貴分という雰囲気が出ていた。

綺華れいちゃん・・・(タニオカくん)
アメデオ・モディリアーニ
「あんな黄色のスーツ、タニオカくんしか似合わへんわ。」と思っていたのに
綺華れいちゃんが着ると「どこか女性に人気があるのよねぇ。」と言われて
納得できてしまうほどの・・・色男になっていた。
画家・・・という雰囲気はなかったけど、タニオカくんとは違った色気があって
すっごくカッコよかった。
あやみんと同じく、いつの間にこんなに?・・・とビックリするほど
お芝居に幅が出ていて、貫禄さえ感じられた。
アリスディドに「育ちの良さを忘れようと・・・」と言われるが
なるほどどこかのボンボンかもしれないな・・・と思わせる雰囲気が漂っていた。

ももちゃん・・・(汐美ちゃん)
ポール・ギョーム
この画商は人がいいんだろうなぁ・・・。
夢をあきらめてパリを発つ芸術家たちに同情さえもわかない・・・
「私は冷酷ですか?」と言うけど、実は1番胸を痛めてそうに見えた。
ももちゃんもいつの間にか役者さんになって・・・余裕さえも感じられた。
逮捕されて連れて行かれるアポリネールに動揺するマリーに対して
「アポリネールが盗みをするような人間じゃないって君が1番よく知っているじゃないか?」
というシーンはなんかあったかいものを感じた。
「ももちゃんのお芝居好きだなぁ・・・。」と思った瞬間だった。

ともみちゃん・・・(しぃちゃん)
マルク・シャガール
実は1番気がかりだったのがこの役をやるともみちゃんだった。
歌がある・・・お芝居もしっかりある・・・セリフも山盛りある・・・。
緊張しながら・・・席についたがいきなり幕開きに
「あ、幕開き、出るやん・・・。」って思ったら緊張度が一気に高まった。
ともみちゃんは背も高く、スタイルもいい。
ふと気がつくと・・・・指先までキレイで・・・プロロのダンスもキマっていた。
ドレス姿で出てきた時は「踏まないか?踏まないか?」ってドキドキしたけど
どうやらドレス姿を楽しんでいるように見えた。

その後、歌やセリフもよく声が出ていて、心配するようなことはなかった。
ロシア大公の援助よりも人としての誇りや仲間たちとの繋がりを取るまでの
葛藤や、夢をあきらめて去って行くヤンに対しての・・・自分に対しての焦りなど
うまく表現できていたと思う。
ミルリトンやパリの町での群舞も存在感たっぷりで見ごたえがあった。
一度セリフをかんで・・・ひやっとしたけど、あとに全くひびかせず、
ホッと一安心だった・・・。

麻尋しゅんちゃん・・・(うん太)
モーリス・ユトリロ
やりやすそうで・・・やりにくい役だろうなぁ・・・って思った。
芸術家たちの哀しみを一身に背負ったような役だから、
陽気さと悲壮感が背中合わせでなくてはならない。
うん太はどこか底抜けの明るさを感じさせるキャラだけれども
麻尋しゅんちゃんはまだそういうイメージが固定されていないから
酒におぼれて病に蝕まれていく様子なども・・・とても難しそうに見えた。
セリフはとても力強く、通る声をしていて・・・聞きやすかった。

どいちゃん・・・(すずみん)
ハイム・スーチン
どいちゃんもセリフがしっかりしていた。
どこかエキゾチックな面立ちの顔にエンジの衣装が映えていた。

華美ゆうか・・・(ウメちゃん)
クロディーヌ
等身大だ・・・。ウメちゃん演じるアデルとは幼なじみなんだろうなぁ・・・と
思わせる自然さがあった。芝居がウマイ・・・と思った。

仙堂花歩ちゃん・・・(かのちかちゃん)
マリー・ローランサン
どうもこの役の書き込みが浅くて・・・
「なんでこの人こんなにおびえてるの?なんでたった5日で他の人と結婚するの?」
と思わざるを得ないが・・・やはり・・・今回もそう思ってしまった。

涼麻とも・・・(汝鳥伶)
フレデ親父
うまかった・・・ホントにうまかった・・・。
「こんな役・・・できるんやろか?難しいやろに・・・。」と思ったけど
全くそんな心配はいらず・・・心優しいフレデ親父だった。
セリフひとつひとつにあったかさがあり、人々の一喜一憂を見てきた年月を
感じさせるような貫禄があった。

美城れん・・・(英真なおき)
アナトール
今回のワタシ的ツボ・・・。
元々「キレイな人だなぁ。」と思っていたけど今回つくづく思った。
組長が出てくるだけで笑いを取るようなキャラで演じていたため
どうもやりにくいだろうなぁ・・・と思っていたのに
こちらも・・・充分笑いを取り、しかも芝居を締めていた。
アリスティドに「ここで働かせてください。」と最敬礼するところなどは
大爆笑モノだった・・・。
組長のアナトールは・・・アリスティドが小さい頃から見守ってきた・・・“爺”というタイプで
美城さんのアナトールは・・・年もあまり離れていなくて、一緒に育ってきたんだろうなぁ・・・と“兄貴タイプ”に感じた。
とにかく・・・美しかった・・・。

花嫁候補たち・・・
みんな・・・かなり捨て身で・・・大爆笑モノだった。
1人1人・・・拍手が沸き起こるほど・・・。
中でも令嬢のオルガの南海まりちゃん・・・
本役の仙堂花歩がキンキン声だったのに対して
まるで『雨に唄えば』のリナちゃんのような・・・カエルのような声で
これもまたまた大爆笑だった・・・。

凛華せらちゃん・・・(レオン)
エドモン
実はこの役もとてもとても心配だった。
今回の一番の見もの・・・といっても過言じゃないほどのCANCAN・・・。
これをとのちゃんがどこまでできるか・・・というととのちゃんに失礼かもしれないけど
そうではなくて・・・レオンのあのすごさ・・・の役・・・一体どうなるんだろう・・・と思っていた。
ところが・・・こちらもやってのけた。
レオンほどではないにしろ、キレイに全てをキメてくれた。
静かに・・・息を潜めるようにして見守っていた客席も終わった瞬間、
割れるような拍手で沸いた。
終わった瞬間・・・私は思わず・・・泣いた。ホッとした。
あのキレイな面立ちで・・・終わった瞬間に見せた笑顔がとても印象的だった。

ウメちゃん・・・(檀ちゃん)
アデル
美貌の謎の伯爵夫人・・・にはほど遠いキャラだ。
美貌・・・というよりもかわいらしさ・・・のほうがあるし、謎めいてはいなかった。
でもまさに等身大のアデル・・・で、クロディーヌと毎日を楽しんでいるという
雰囲気は出ていた。
アリスティドへの想いがせつなくて、お互いに心は通じ合っている・・・とわかったあとでも
素直になれない自分に・・・涙を流していたのにはビックリした。
どこか学生のような感じにも見えたけど、清々しいアデルだった。
だんちゃんのアデルは「おっちょこちょいなんだろうなぁ。」って思ったけど
ウメちゃんのアデルは「バカがつくほどの正直人間なんだろうなぁ。」って思った。

レオン・・・(ワタル氏)
アリスティド・ブリュアン
すごいよ、ホントすごいよ。
マイリました・・・カンベンしてください・・・そんな出来栄えだった。
いつの間にかすっかり貫禄づいたレオン。
幕開きの黒の衣装に真っ赤なストールもとてもよく似合っていた。
歌もセリフも聞き取りやすく、表情も豊かで・・・手に取るようにわかった。
気持ちがいいくらいの威勢のよさで・・・ワタル氏のアリスティドとはまた違った魅力があった。

アデルに対しても必死で、仲間たちに対してもどこか一途で・・・・・・
人に慕われ続けている人柄の良さがにじみ出ていた。

次々に『ル・ミルリトン』に別れを告げ、再会を約束しにくる仲間たちに
笑顔を見せながらも・・・淋しそうな顔をするところなんて、ちょっとせつなかった。

これからが末恐ろしいなぁ・・・と痛感させられた出来だった。

******

今回の新公は・・・少しレベルが高い・・・と思った。
いや、全体的にセリフが走り気味だったけど、
それぞれに難しい役をこなし、本公演とは違った捉えかたで・・・楽しめた。

前作や前々作では・・・どことなく「?」だった生徒さんも驚くほどお芝居がうまくなっていたり、歌がうまくなっていたり・・・・・・。

時折、ドキドキ・・・見ているこちらが緊張するところもあったけれども
・・・・・・本当に見ごたえのある新公だった。



2004年02月28日(土)  星組 『1914/愛』 『タカラヅカ絢爛』

いや〜、いよいよ90周年の大目玉“2番手シャッフル公演”第一弾・・・が始まりましたなぁ。
星組には・・・雪組の貴公子かしちゃんと宙組のアイドル転校生タニオカくんが特出。

初日から賛否両論だったけど、なんとなく楽しみにしていた。

『1914/愛』
正直な話、タイトルなんてそっちのけ・・・という感じだった。
1914年なんて・・・そんな時代の話だなんて誰も気にしてないし、
愛・・・と銘打つほど愛なんて登場しない。

「じゃ、どんな感じ?」と言われたら
「“CANCAN”の時の芸術家を焦点にし、“凱旋門”の社会背景を盛り込んだ話」
という感じ。(あかん?)

幕開きはいきなりプチショーだった。
汐美ちゃん、しいちゃん、うん太、すずみん、ももこ、れおん・・・が踊る中
かしちゃんとタニオカくんがせり上がってくる。

「おおおっ!!!いきなりそう来るか〜っ?」期待満天だった。
そのあと、本当にショーのプロロのようにワタル氏とだんちゃんが出てきて
男役やら娘役やら・・・全員出てきて・・・次々と・・・という感じ。

それから突然、昔雪組のショーで・・・『バロック千一夜』だったかで
高嶺さん率いる男役たちが黄色いドレスにごっつい貴婦人カツラをかぶり、
食事をする・・・というシーンがあったが、あのようなカツラをかぶって
膝から斜めにカットされたピンク色のドレスを着た・・・・・・
かしちゃん、タニオカくん、しいちゃん、うん太が出てきて銀橋を歌い歩き、
お芝居へと・・・導入・・・というカタチだった。
不思議とこの男役たちの貴婦人姿は・・・どこか“まとも”だった。
あまり違和感なく、わりとキレイで・・・見ていられた。

はてさてストーリー。・・・と語るようなストーリーではなく、
いや、ストーリーはあったのだけれども・・・おいておいて・・・
なんでもワタル氏扮するアリスティド・ブリュアンは絶大な人気を誇る歌手らしく
そこへナゾの伯爵夫人と名づけられただんちゃんが登場し、
いろいろな展開をへて・・・ハッピーエンド・・・という感じなのだけれども
その間に芸術家たち・・・かしちゃん、タニオカくん、しいちゃん、うん太、すずみん・・・たちの
友情と恋愛を織り交ぜ・・・戦争や不安定な社会情勢や
人種差別による理不尽な事件などが起こったり、出会いや別れやら・・・
そりゃ盛りだくさんで・・・盛りだくさん過ぎて・・・あっち行ったり、こっち行ったり・・・。
またしても失礼なセリフが飛び交ったりして・・・「はあ?」な部分もあったりするけど
お芝居・・・というよりも“お芝居仕立のショー”として見てみれば、わりと楽しめるものだった。

だんちゃんが等身大なのがいい。
親友役のウメちゃんとのコンビも自然体でいい。

ワタル氏は・・・実は貴族でありながら、下町の店の歌手・・・となっているけど
別になぞめいているワケでもなく、テレビの時代劇でよくありがちな
“町民のようにしているけど実は殿様”という役どころで・・・
“1粒で2度おいしい”タイプだった。

かしちゃんは・・・あいかわらずの天真爛漫スマイル満開で、
相手役のかのちかちゃんともお似合いさんだった。

タニオカくんは・・・うん太との友情を大切にする・・・人情人間だった。
うん太は・・・ちょっと哀しいタイプの芸術家で、タニオカくんとコンビの役だったけど
この2人が同期・・・ということもあってか、とても見ていて微笑ましく、
本当に親友なんだ・・・というのがあふれていた。

しいちゃんは、ユダヤ人ということで少し哀しい影を持った役だったけれども
人生まっすぐ生きていこう・・・という気持ちが伝わる優しいタイプだった。

汐美ちゃんは、芸術家を応援している美術評論家で、大人の雰囲気をかもし出しながらも
彼らとの友情を大切にしている良き理解者。

すずみんもしいちゃんと同じ境遇。名声を上げることよりも、人間として
自分の心に偽ることなく、生きていくんだ・・・という感じだった。

別に大どんでん返しもないし、ハラハラドキドキもない。
すらすらすら―――っと進んでいくストーリーだった。

星組のイチオシ下級生ちゃん、ともみちゃんこと夢乃聖夏ちゃん。
プロロのショー部分で、ラスト、1番後ろの列・・・上がったセリ上にいたんだけど
その中でもセンターの少し高いところにいて、めちゃめちゃおいしかった。
もちろん、その前にはいっぱいスターさんがいるけど、
そこだけ見るとまるでスターさんのようだった。

その上、ワタル氏の家の使用人が4人いて、メンバーが
ももこ、綺華れいちゃん、あやみん・・・についで、ともみちゃんが入っていた。
ビックリ仰天・・・・・・だった。
「すっごいや―――ん。」思わず、妹と大喜び。
本当に驚いた・・・し、うれしかった♪

初見・・・ということもあって、内容よりも“見た目”で楽しんだお芝居だった。

おっと、途中、『CANCAN』のシーンがあり、レオンが真ん中で踊っていた・・・。

・・・・・・が彼にはただならぬ何かすごい力を感じてしまうほど、すごいダンスだった。
もちろん、真ん中でやる・・・アレなのだけれども
「ひゃ――――っ!!!」と思わずにはいられない。すごすぎ・・・である。


『タカラヅカ絢爛』
どっかで見たことがあるような・・・新しいもののような・・・
だけどどこかつかみ所のない・・・ショーで、一気に・・・というか、気がついたら終わっていた。

何がどう・・・とか、どこがどう・・・とか・・・コメントできるようなものは覚えていない。
けれども印象的だったのは、特出のかしちゃんの底抜けの笑顔とタニオカくんのやんちゃな・・・だけどどこか“色気”を感じさせる雰囲気。

しいちゃんの人柄がにじみ出たような笑顔とすずみんの“キラー”な目線。

コメントになっていないけれども・・・ハマりそうな予感がするショーだった。
初見で“?”が飛びまくると・・・たいがい、ハマる・・・これが私のタイプのひとつ。
『花・サザクロ』『ダンスピ』・・・そうだった。
ハマるかなぁ・・・ハマらへんかなぁ・・・。

妹の笑い声が聞こえそうだ・・・・・・。


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春吉

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