2005年01月29日(土) |
宙組 『ホテルステラマリス』 『レヴュー伝説』 |
『ホテルステラマリス』
正塚作品・・・期待しすぎた・・・。 和央さんと正塚作品は合う・・・そう期待しすぎた。 正塚先生のいつもの・・・心理描写とか裏の裏を描く・・・とかいったものが カケラもなかった・・・ような気がした(汲み取れていないのかもしれないけど)
ストーリー展開もなんら変哲もなく・・・いわゆる“ありきたり”だった。
ワオさん、ハナちゃん、ミズ・・・の人物像はいいと思う。 でも人物がストーリーの中で生かされていなかった。
ただただ・・・ミズさんの役がおいしいと・・・オトコマエだと。 すしおさんのキャラがおかしいと・・・ハマリ役だと・・・それだけで終わってしまった。
ハナちゃん演ずるステイシーが嵐のあとの海岸を歩いている時に ワオさん演じるウィリアムがやってくる。 「あーたたち、仕事以外でもそんなちょっと食事にでも行くような格好してるん?」 その“現実味の無さ”に驚いた。 そのあと、すしおさん演じる学者が長靴を履きながら、足元も危うく ま、病み上がり・・・だということもあるけど、海岸を歩いていたのに ふとステイシーの足元を見たら、10センチはあるだろうか・・・という ハイヒールを履いていた・・・。 「ここでそれはいかんやろう。」 海岸・・・見た感じ、砂浜というよりは岩場のように見えた。 そこをそんなヒールで歩いていたら・・・ヒールのかかとはボロボロだろう。 いらんお世話か!?
ステイシーたちホテルの従業員のチームワークややりとりは楽しかった。 ありがちなストーリーの中にも見ている側を引き込むエッセンスはあった。 従業員食堂のおばちゃんとか、ウィリアムたちの意見に同調したフリをしている 責任者達の細かい演技とか・・・。
タニオカくんの役どころの位置付けもわかりにくかった。 「そんなオーラを出して、目立ちまくる賞金狙いはおらんやろう。 もっと身を隠せ。」そう思った。
もうこんな「なんじゃこりゃ?」な気持ちで観てしまったから もうそれ以上・・・入り込めなかった・・・。
『レヴュー伝説』
なんで草野先生でレヴューなん? “モン・パリ誕生77年を記念して”というからには どちらかというとどこか“古典的”な雰囲気のレヴューだと思っていた。 「それなら中村一徳先生か岡田先生やろう・・・。」なんて・・・思った。
レヴューとして思って観ていたから・・・こちらもがっかりだった。 “めくるめく夢の世界〜レビュー”ではなかった。 ノスタルジックでレトロ・・・これがキャッチコピーだったのに レトロ感なんて全くなかった。「普通やん。」
まあ、でも文句ばかり言っていたワケではない。 すしおさんやともえちゃんを観ながら・・・楽しむべきところは楽しんだつもり。
初見・・・でともえちゃんのいるところわかるかなぁ・・・と心配したけど 出てきた瞬間・・・わかった。 歩き方、手の上げ方・・・肩の入れ方・・・全てが個性的。 「おった、おった」そういう感じだった。 どこにいてもキラキラともえちゃんだった。 フィナーレの大階段でのソフト帽のかぶり方なんて絶品だった。
その他・・・といえば・・・・・・ 銀橋でのタニオカくんをわりとオペラ越しで追っかけていたら・・・ オペラ越しにタニオカくんと目があった・・・。 なんちゃって目線から・・・バッチリとあった・・・ドキッとした。 1人で見ていたから・・・隣に浮かれる相手はいなかった。
タニオカくんの相変わらずのオーラの強さと、 イキイキしているミズさんを観てワクワクした・・・。
ただ・・・もっと・・・変わったコンビのシーンが観たい・・・と思った。 例えば、ワオさんとかなみちゃん・・・とか、 ハナちゃんとミズさん・・・とか・・・。 ミズさんもかなみちゃんも宙組はこれがラストなんだから・・・。
トップコンビさん同志のデュエットダンスが多すぎる・・・。 もうおなかいっぱい・・・。 お芝居でも踊って・・・ショーでもいーっぱい踊って。 「ちゃうのん、見せて〜。」そう思った。
暴言吐きまくりやなぁ・・・。
生徒さんへの悪意はないので許してね。
2004年10月24日(日) |
宙組バウ 『THE LAST PARTY〜S.Fitzgerald’s last day〜』 |
タニオカくん、宙組初の主演バウ。 宙組イチオシダンサーのともえちゃんも出るし、絶対見るぞ。 ・・・と思っていたけど、なかなかチケット争奪戦が厳しくて・・・。 それでもラッキーにも初日を見ることができた。
タニオカくん・・・いったい、何組? ウチ(星組)かと思ってた・・・みたいな感覚だった。
『華麗なるギャッツビー』の作者・・・。 いったい、どんな作品なんやろ・・・楽しいんやろか・・・真面目なんやろか。 それさえもわからずいたところへ「お芝居好きにはおもしろいかも。」 ・・・そんな情報が入った・・・どうやら、少し重いらしい。
幕開き、タニオカくん扮するスコットと五峰さん扮するシーラ。 いや、スコットを演じる役者とシーラを演じる役者・・・という いわゆる“劇中劇”今、まさにラストを演じるところ・・・という設定だった。
「劇中劇か〜。」と思ったのも束の間、劇中劇でもなんでもどうでもよくなった。 文章を書くこと、小説を書くことに夢を持ち、美人の妻を持ち、 あっという間に作品が売れ、大都会ニューヨークで夢のような生活が始まる。 そして享楽的な生活から、夫婦の不和、そして破滅・・・再起・・・そして死。 本当にスコットの人生を丸々演じていた。
誰がどう・・・とか言える作品ではなかった。 1部はどうもこうも救いようがないくらい重くて、重くてツラかった。 ・・・いや、少々キツかった。 愛する妻・・・かなみちゃん演じるゼルダとのすれ違い。 理想と現実の葛藤・・・。人気作家・・・いや、トップを行く人が誰でも抱える・・・ 自分に追いつき、追い越そうとするライバルたちへの焦り。
重くて重くて・・・しんどかった。 孤独におびえるかなみちゃんのゼルダ。 理想と現実の狭間で揺れ動き、心を蝕まれていく様子が手に取るようにわかった。 そして現実に苛まれるタニオカくんのスコット。 一流の作家になりたいという夢と希望と妻を愛したいという気持ちの中で 激しくぶつかりあい…盲目的になっていくさま。 刹那的な享楽に身を投じていく2人がとても痛々しかった。 それから2人を見守る美郷さん扮するマックス。 そんな2人をやるせない気持ちでずっと見守っている。
それぞれがリアリティに溢れていた。 かなみちゃん、ウマすぎる・・・。ぐいぐい引き込まれる。 引き込まれるからこそ、見ていてハラハラする。 「ゼルダ、そんなん、したらアカン。」そんな感じ。
重〜い、重〜い・・・そのまま1部は幕を下ろした。
「このまま重いんやろかー。」と重いながら、2部を迎える。 やはりスコットとゼルダと・・・そしてマックスのやるせないやりとりが続く。 だけど気がついたら、重さなんて感じず、食い入るように見てしまっていた。 ふいに涙が出た・・・泣けた・・・。
イチオシダンサーともえちゃんも時にはスコットの友人、失業者、 そして時にはターニングポイントになる学生・・・と他の出演者と一緒に 様々な登場人物になっていた。 ともえちゃんにも泣かされた。
気がついたら・・・ストーリーは終わっていた。 じんわりという気持ちでラストを迎え、やわらかい気持ちだった。 「3回くらい見たら、とても理解ができて、イイ作品かも・・・。」と思った。 最初の重さに耐えられるなら・・・だけど。
見終わった時、優しい気持ち・・・というのではなく、 喜怒哀楽・・・激しい喜怒哀楽と安らぎを見た感じで 本当にじんわり・・・としたホッとした気持ちだった。
月組ではどうなるんだろう・・・。 いや、その前にあと2回宙組を見る・・・。 どう気持ちが変わるんだろう・・・。
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