◆◇ お気楽観劇日記◇◆
公演やビデオなどを・・・見たまま、聞いたままを
つらつらと書き綴ったまたまた気楽なコーナーです。

2006年01月17日(火)  星組新公 『ベルサイユのばら』

普及の迷作…いや不朽の名作『ベルばら』の新公。
新公といえども『ベルばら』
一歩大劇場ホールに入ると異様な雰囲気が漂っていた。

友人と「スゴイ人やなぁ。なに?最近じゃ珍しいんじゃないの?」
そんなことを言いながら、食事をするための空席を探す。
やっと見つけた場所で、食事をしながら…発表されたばかりの
なぞなぞだらけの異動の話をはじめた。

よくよく…聞いてみるとまわりの人たちもなにやら組替の話に花を咲かせている。

異様な雰囲気はこれだったのか…。そう思った瞬間だった。

さてさて『ベルばら』新公。
見る前からすでに満腹状態の気持ちだった。

いつもの趣味の悪い衣装の小公子ちゃんたちがズラリ。
「超下級生がやってもかわいくないわ。」そう思ってしまった。

さてアントワネット登場…陽月華。
うーん。贅沢三昧の王妃に見えない。
すでに幽閉されているかのごとく…少し貧弱。
…というかジャンヌのよう。
品があるとかないとか…書けない。

オスカル…麻尋しゅん。
オンナだ。全くの女の子。男装の麗人ではなく、女の子だった。

フェルゼン…柚希礼音。
「あの〜、上級生は出ちゃダメなんですけど。」そう言いたくなる貫禄だ。

全体的に…歌…イケてない。ダメだ。
歌えていたのはレオンだけだった。

ウメ…そして夢乃聖夏アンドレ…もっともっと歌のおべんきょ、しましょ。
まひろ…女の子なの?オスカルなの?声が出ていない。

全体的にすごく毒舌で申し訳ないのだが…
ウメちゃんは芝居はまあ、できていたけど、何よりも王妃に見えなさすぎで
どこか気の毒な感じがしてしまった。
でもさすがラストの幽閉されてからの芝居は文句なしにうまかった。

まひろは最初から最後まで情熱あふれる女の子で
まるで部活に燃えてる女子高生のようだった。
表情がとぼしい。
バスティーユで死んでしまう時も剣の置く場所を冷静に気にしてみたり
立ち位置を気にしてしまって…途切れ途切れに見えた。

アンドレ(夢乃聖夏)芝居はうまかった。細かい表情もできていたし、
何よりもスターブーツを履いて歩いたり、走ったりがスマートだった。

芝居はできていてもスターブーツを履いて歩いたり、走ったりすると
どうしても“素”の部分が見えてしまうもの。
でも彼女はそれがなく、見ていてホッとできた。
オスカルの部屋に入ってくる時の颯爽感は見事だった。

ただ、歌ね、銀橋で歌いだす時の緊張がコチラまで伝わってきて
「4番、夢乃歌います。」という感じがした。
歌の時の声の出し方を勉強しよう。

まひろオスカルと夢乃アンドレの今宵一夜はいけなかった。
ここで手をとる、後ろにさがる、ひざをつく…と
段取り段取りで…シーンがシーンだけに見ているこちらのほうが
そのぎこちなさから、恥ずかしくなってしまうほどだった。

ジェローデル(水輝涼)とてもさわやかでうまかった。
「下級生やのに芝居うまいなぁ。」そう思った。

うまいと言えば、メルシー伯爵(七風宇海)
すごいウマイ。
特にフェルゼンに「王妃と別れてくれ」といいに行く時。
最初は物静かに語り始めたのにそのうち、強く説得していく・・・すごい気迫。
その時の七風さんは本当にうまくて、本当にメルシー伯爵になっているようだった。

この場面で……初めて……泣きました。涙出ちゃいました。

ブイエ将軍(彩海早矢)うまいよ。いつの間にこんなにうまくなったの?
そう毎回思わされるほど、うまい。貫禄ありあり。
オスカルに「オンナのくせに」という時も
パリ市内で衛兵に「攻撃せよ。」と言いに行く時も気持ちいいくらいの貫禄だった。
思わず「来た、来たっ!!! 出てきた出てきた。」と喜んじゃうくらい。
おヒゲも凛々しく・・・巻き巻きヘアもステキでした。

あ、それからマリアテレジア(華美ゆうか)もうまかった。
やさしく穏やかにアントワネットやメルシー伯爵に語る。
それでも深く聞き入ってしまうような語り方。

さてさてフェルゼン(柚希礼音)
歌よし、芝居よし、着こなしよしっ!!!
もう十分だよ。うまいよ。安心できちゃうよ。そんな感じだった。

そんな貫禄十分のレオン。
最後の挨拶で泣いてしまった。
「今回の公演でいろんな人に支えられているんだ…と
 いつもより、本当に思いました。」そのようなことを言いながら
言葉を詰まらせながら…泣いていた。客席も思わずもらい泣き…。
「ちえ―っ!!!」そんな声もちらほら。
割れんばかりの拍手に包まれ…幕を閉じた。

鳴り止まない拍手にカーテンコール。
みんなキッラキラの笑顔だった。

若いっていいなぁ。
なんかイイモノ見た気分になれた。



2006年01月08日(日)  星組 『ベルサイユのばら』

ベルばらだよ…またまたベルばらだよ。
なんでもマリーアントワネット生誕250年を記念しての上演だとか。
関係ないじゃないかっ!!!
それなら小林一三没後何年…とかやるほうがずっと説得力がある。

だけどだけど『ベルばら』だよ。
しかも星・雪と続演でその上、スター客演だとよ。
誰かの客演1度でいいのにチケット争奪戦に参戦だ。
うれしいか…?悲しいか?わからん。

えっと朝海サン、かしちゃん、ゆーひ、きりやん、ミズ
ミズは前見たし、オスカルなきりやん…見たないし……
“今宵一夜”がしっくり行くのは…私たちの答えはかしちゃんだった。

結局私たち姉妹はかしちゃんオスカルを見るために前売りちょっとがんばった。
元々いい席で見ようなんて思ってないからA席でGET。
…ちょっとホッとする。

2001年の『ベルばら』を思い出しながら…
でもあまり思い出せなくて…ピンとこないまま客席へ。

始まったぞ〜。ワタル氏のアナウンスが長いぞ。かみそうだぞ。
「え〜?サブサブタイトルまでついてたん?」妹がつぶやいた。

趣味の悪い衣装を着せられた小公子・小公女たちがずらりと並ぶ。
いつも思うんだが、この小公子のカツラなんとかならんか?
(あ〜、前作はかよちゃんとまやちゃんやったな。研8やったな。オソロシ)

この子たちが歌い終わったあと、私たちの近くに座っていた女の子の
「もう終わったん?」という声が聞こえた。
「いや、これからやで〜。」と答えてあげたかった。

出た〜っ!!! 池田理代子氏の漫画が出た。これがいらん。
舞台見に来てなんで“絵”やねん。

おおっ!!! アントワネット登場。となみだ。
なんと美しいことか、なんと麗しいことか…
なんと歌のうまいことか……。ちょっとうれしくなった。

記憶に新しいお花サマや星奈サンとは比べ物にならない麗しさだ。
なんといっても品がある。びっくりした。

おっとオスカルが登場だ。
サッと私たち姉妹のオペラが上がる。
「かしちゃん、きっれ〜い。」

フェルゼン…ワタル氏だ。
「う〜ん…微妙だ。」
悪意はないがワタル氏にこういう貴族の役はあわないと思う。
どちらかというと『カスミラ』や『長い春〜』の時のような
ああいう役のほうがしっくりくる。

ストーリーは…わはは…そのまんまで
見ていくうちにいろいろと思い出してきた。
でもなんだか必要そうではない場面が増えていた…。
それもしつこいくらいに長く…。

まず始めに幼い(らしい)アントワネットが嫁入りする場面。
こりゃまた趣味の悪いドレスで趣味の悪い豪華な二頭立ての馬車で
♪ラリンタラルンタンタ〜、夢の王子が待っている〜のシーン。
その馬車が登場した途端、後ろの座っていた男の子が
「なんじゃ?ありゃ?」と言った。
「せやろ?なんじゃありゃ?やろ?オスカル編になるとね、
 もっと趣味の悪い豪華な馬車が出てくんねんで〜。」と
コチラにも教えてあげたかった。

突っ込みどころはまたもや満載で
国王が夜の散歩をしているすぐ裏でアントワネットとフェルゼンが
こりゃまたびっくりするくらい豪華なボートで密会中。
密会にはふさわしくないくらいの豪華さだ。
誰か教えてやってほしい、密会するにはもっと質素なボートで
もっと質素な格好で…そして歌っちゃいけない…と。
しかも2人の出会いをお互いに語り始めた。
おいおい、キミたち…密会のたびにその思い出話をしているのか!?
それもまるで初めて聞いたような返事をして…。

次…ブイエ将軍がお怒りじゃ。
オスカルに対してお怒りじゃ。女の分際でとまで言い放った。
食って掛かるオスカル。
ジャルジェ将軍…パパの登場…と同時にビンタっ!!!
アンドレ登場でオスカルにかけよる…。台詞なし。
なんともせつないわ。アンドレ。絵になります…アンドレとオスカル。

そしてメルシー伯爵がフェルゼンに「帰ってくれ。」と言いに行く場面。
フェルゼンは「あなたは身勝手だ。」と言い放つ。
今までも見ていて思った。
「あなたは身勝手だ。」とよくよく言えたもんだ。
「どのクチがゆ〜ねん!?」と口をひねってやりたいもんだ。
「私には私の道理や分別がある。」と言う。
「変えたほうがいいぞ。」と言ってやれ、メルシー伯爵。

でもフェルゼン…決心しちゃいました。
オスカルもそれを喜びます。「よく決心してくれた。」と。
オスカル…この間フェルゼンに「女を捨てた。」といわれた。
一番言われたくない人に言われてしまった…悲しんだオスカル。
なのにエライよ。そんな健気なオスカルを見て
「もしかしたらキミはボクを?」と言う。
「なんと自意識過剰な…。」と言ってやりたいけど……ホントなんだよ。
「私はこの軍服を着ている時は心を封印している。」と痛々しい。

フェルゼンが帰国のあいさつに来た時、
フェルゼンの一挙手一投足…一言一言に…
まずジェローデルが反応する。それを誰かに止められ、
次にオスカルが1歩出ようとする…アンドレが止める。
しつこいほどにあらゆる人が根掘り葉掘りフェルゼンを問い詰める。
ほんっとに根掘り葉掘り…。

ここのオスカルを押しとどめるアンドレの顔と
思わず歩み寄ってしまいそうになったオスカルの顔が印象的だった。

ジェローデル…すずみん、思ったよりも似合っていて
さすが少し職人気質を持ったスター…うまかったりする。
フェルゼンの言葉に反応したオスカルを見るしぐさが細かい。

途中何度か登場する貴婦人たちはいらない。うるさい。
あんなダジャレが何年も通用すると思っているのか?
新曲を書くほどの場面か?

そのおかげでアンドレの目が見えないことや
ジェローデルがオスカルに結婚を申し込むところなどか
思いっきりカットされ、途中つじつまがあわなくなってしまった。
これがあるからこそアンドレがジェローデルに
「オスカルを守りとおす。」と誓うところとかに意味があるのに。
そしてアンドレが死んでしまうところの悲しみがさらに深まるのに。

2幕あいてしばらくしてあっという間にオスカルとアンドレは死んでしまう。
オスカルとアンドレが死んでしまって…国王一家が幽閉されてしまってから
となみアントワネットがまた際立ってきた。
声がキレイなのでせりふも聞きやすい。

あ、そうそう…これやめてください。
フェルゼンが命がけで馬車とばしてパリに向かう時の映像。
映像見たり、電光見ると…冷めます。興ざめです。
『黒い瞳』の時のようなコトができへんか?
手抜きにしか見えない。
舞台見に来てんのに…映画見に来てんちゃうのに。
この時の歌も笑える。
♪進めっ、進めっ、行けっ!!フェルゼ〜ン
まるで一昔・・・いや、ふた昔前のアニメソングのようだ。

国王との安らぎのあとの別れ、そして子供たちとの別れ。
ただ、公安委員のあの場面もやりすぎに思えた。
事実だとしてもあそこまでやる必要はないだろう。
あんなに殴ったりしたら、まるで飲んだくれの酔っ払いが
「よぉ、よぉ、姉ちゃん。」って絡んでいるようだ。

最後もね、泣けるのよ。でもね、お城の塔みたいなところに幽閉されてるのでしょ?
フェルゼン、内緒で来たのでしょ?
必死なのはわかるけどそんなに叫んだりしちゃダメです。バレます。
バレたらお家断絶ですぞ。シモーヌ姉ちゃんが嘆きますぞ。

なんやかんや言いながらも…オスカルとアンドレは見入ってしまうし、
バスティーユ陥落の場面などは涙なしでは見られない。

まあ、私たち姉妹はトウコのアンドレとかしちゃんのオスカルが見れたら
それでうれしいので、その2人が出てきたらサッとオペラをあげ、
まるでまるでディープなファンのように追いかけた。

ところがトウコのアンドレはどこか“らしゃ”だった。
やさぐれたアンドレだった。

それでもアンドレ・オスカルの並びは美しい。

そうそう…衛兵や貴族で登場する人たちが美しい。
ももこや綺華れいちゃん、あやみん…美しい。

ベルナールがもっと書き込まれてたらよかったのに。
…えっと貴婦人のシーンやスウェーデンの祭を省いてでも…。

今年の初観劇の『ベルばら』
そして来月も『ベルばら』
どちらかというとオスカルアンドレ編が好きなので
こりゃまたアンドレにこだわってみた。

えっとマサちゃんとかしちゃん。
こちらは2回見る予定。

あ〜、その前に新公だ。
アントワネット…大丈夫ですか?


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春吉

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