はじまりのウタ。
Mail / いづる
再会。
3月に会ったときがつらくて。
ほんとに、つらくて。

もう二度と、会うこともないだろうと思った田舎の王子様。

少なくとも、
そういう会い方は、もうしないだろうと思った。

だけどそんな私の思いを裏切って、
彼は普通に連絡してきた。


メモリーだって消してた。
消したかったから。
彼の存在を。

だから連絡できないんだって。
連絡はもうないんだって。
そう思えるほうが、楽だった。


彼のことを考えるとき、
過去のいろんなことを考えるとき、
私は、幸せじゃない。

メモリー消そうが、何をしようが。
過去は消えないのはわかっているけど。
それでも逃げたかったんだよ。


彼に会うと、
自分がほんとにだめに思えてつらいし、
どうしようもなく寂しくなる。

きっと自分は極端で。

彼もよくて、彼女もよくて、
でも、自分だっていいんだ、
そうは思えなくて。

彼はよくて、彼女はよくて、
だから自分はだめなんだって。


彼にも彼の人生があって、
私にも私の人生があって、
だけどそれでいいんだとは思えなくて。

彼の人生と、
私の人生と、
交錯しているようでしていなくて、
そうしたいのかどうかもわからないけれど、
自分は、置いていかれたような。

そんな気持ちに飲み込まれる。


彼と会っていて、
彼と会っているときの自分は、
ちっとも自然じゃないと。
自分じゃないと、
そう感じた。


私は私で、
私はこう思って、
私はこうしたくて、
私はこれが欲しくて。

それを素直に伝えたって、
ちっとも悪いことじゃないはずなのに。

それはいけないんだ、
だけどどうしたらいいんだろう、
頑張ればいいのかな、
きっと頑張ればいいんだ、
わたしが頑張れば。

そうやって、すべてを見失ってく。


私は、自分が大事なんだ。
誰より自分が。
だけどどうしたらいいかわからない。

2009年10月12日(月)