電車はすごく嫌いだった。
通勤、通学のラッシュ。 雨の日の湿気で濡れた窓。
湯鬱だった。
でも、あの頃はそんな電車が好きだったな。
今はもうあなたがいないからまた嫌いになったけど。
ゆくあてもなく、ただただ二人で電車に乗ってたね。 お金もないし、 行くところもないし、 ただただ二人でいられればそれだけでうれしくって
でんしゃにゆられてお話する。たくさん、たくさん。 いっぱいの笑顔。
でんしゃにゆられて眠る。すやすや。 本気で寝ちゃったこともあるね。
あのままずーっとずーっと遠くにいけたらなんて。
今は幸せな、大切なあたしの思い出。
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