昨日、あざみ野まつりを差し置いても出かけたかったところ。それは大好きな狂言師さん:野村万禄さんの出演する舞台、それも狂言ではなくピアノ演奏と朗読という二人舞台の語り担当なのだ。この語りの舞台をやっていると知った時からずっと行きたいと思っていたことを、地元横浜でようやく叶えることが出来た。会場は桜木町からも近い神奈川県立音楽堂。通称木のホールとも呼ばれ今年開館50周年を迎えた。私も中・高時代は隣の青少年センターホールと共に何度となく通った馴染み深いホールだ。今回の『子どものための夏の音物語 ピーターとおおかみ』も、その50周年記念行事の一環として行われるらしい。夏休み最後の土曜日、「子どものための」と副題がついているだけあってお客さんの大半は家族連れ、それも小学生3,4年生位までの子どもがほとんどだった。こういうコンサートってどういう子たちが聴きにくるんだろう? ピアノを習っている子とかが多いのかな?コンサートの出演者はピアノ演奏の高橋アキさんと語りの万禄さんの二人だけ。構成は1部がピアノ演奏3曲と語りつきのサティ『子供の音楽集』、休憩をはさんで2部が間宮芳生『家が生きていたころ』,プロコフィエフ『ピーターとおおかみ』という語りつき2作品。「子どものための」ということで語りの内容もわかりやすいものなのかと思っていたら、これが結構難しい。というか「で、何?」って感じ(^^;サティの『子供の音楽集』というのは9つの短い音楽からなるもので、その曲自体は本当に易しいものなのだけれど、語りの内容は詩的というか哲学的というか。だから失礼にも「こんなの子供ちゃんと聞くのかな?理解出来るのかな?寝ちゃうんじゃない?」と思った私なのだけれど、それがちゃんと聞いているのだ。例えば一番筋のわかりやすかった話では「アーモンド入りのチョコレートを食べて男の子が「このチョコ、骨があるよ」と言うと、お母さんが「それはアーモンドというものなのよ」と教える」というような話があったのだが、この話では会場は笑いに包まれていた。あるいはもう話自体は何だかわからなくても面白い言葉が出てきたりすると子供達は素直に反応する。後で聞いたところでは出演者のお二人自身も「こんなに反応があったのは初めて」と仰っていた(「じゃぁいつもはどうなのよ」って突っ込みを入れたかったけど)。ただ最後の『ピーターとおおかみ』については、聞いているだけで楽しめる作品。お話自体はピーターという男の子と動物達とのちょっとした出来事を描いたたわいもないものなのだけれど、登場人物にはそれぞれのテーマ曲があって、オーケストラ演奏だったらピーターのテーマは弦楽器,小鳥はフルート,猫はクラリネット、というように演奏楽器も決まっている。だから語りで「小鳥は頭の上を元気に飛び回っています」という語りが出たら、フルートが小鳥のテーマ曲を演奏する、という感じになっている。今回はそれが全てピアノになっているのでちょっとわかりにくくはあったのだけれど。以前友人が所属するミニオーケストラでこの作品を聞いたときは語りと一緒に紙芝居を合わせて出していたけれど、今回は「登場人物を心で想像する」ということで、演奏と語りに合わせられたのは照明と背景になる影絵だけだった。万禄さんも声と顔に表情をつけて楽しそうに演じていらしたので、ファンとしてはそれだけでもう嬉しい。終わったあとの子供たちの声にも「面白かったね」と聞こえてきたので良かったな。実は終演後、「出演者を囲んでの懇親会」というものがロビーで開催された。ひとりだし帰ろうと思っていた私を引き止めたもの、それはビール(笑) キリンビールが協賛ということでジュースと共に参加者に無料で振舞われたのだ。しかも最後には余っていた缶2缶も頂いてきてしまった(これをあざみ野まつりの会場で飲んだ)。出演者のお二人にサインも頂けたし、万禄さんとたくさんおしゃべり出来たし、久しぶりに一緒にお写真も撮って頂けたし。いつも優しい万禄さんにお逢い出来て念願の舞台を拝見出来て素敵な夏の思い出になりました(*^^*) −−−過去の今日のこと−−− 2002年08月31日(土) “第16回あざみ野まつり” 参加長文レポ