文ツヅリ | ||
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2004年08月24日(火) ★[ 05.デスクワーキング ] |
「土方さん、見回りの時間ですぜ」 「あー悪ィな、まだ書類の検分が終わってねーんだ。今日は一人で行ってくれ」 左手で煙草を支えながら、じろじろと睨むように文字を読んでいる。 その目を休める事なくそう答えた。 そのそっけない返答に少しむっとして、 「やだ。」 「やだじゃない」 「だって今日は土方さんの当番でさァ」 「お前ついてくるって言ってたじゃねーか」 「一人で行ったってすることないよ」 「あるよ!! 見回りに行くの!」 ――だから。 少し目を伏せて嘆息した。 「それは俺のする仕事じゃありやせん」 「てめっいい加減にしねーとマジで斬るぞコラ」 語調を強めて、いつもの台詞。 『斬る』なんて。 そんな言葉で話を流させない。 「そして、 それは土方さんの仕事じゃありやせん」 俺は紙切れを指差した。 ようやく紙から離された視線。 それは軽い殺気を伴い、こちらに向けられた。 やっと目が合った。 ――だから。 見回りなんて行く必要ないよ。 どうせ今日も平和だよ。 ただ、 「土方さん」 つかつかと歩み寄った。 紙の束を机の上からばっさり払いのけて、そこに座る。 そして煙草を奪って机に押し付けて。 「今日はいい天気ですぜ」 髪の毛を掴んで抱き寄せ、唇を押し付けた。 キスすると律義に目を閉じる土方さんが好きだ。 眉間のシワは深くなるけど。 「ねェ、」 そうっと口を離した。 土方さんはつられるように目を開けた。 ――だから。 「外に行きやしょう」 見つめ合っていても埒があかないので、 結論を、早く。 <終> |
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