ここに書くのはほんとに久しぶり。 40歳も見えてくるはずだよ。毎日が瞬きする間に過ぎていく。
最後に日記を書いてから、いろんなことがあった。
一番ショックだったのは、20歳の従兄弟が急死したこと。 気仙沼で震災を経験した彼は、東北の大学を辞めて自衛隊に入り、福島に派遣されていた。 朝起きていたら心臓麻痺で冷たくなっていたなんて、そんなこと、親だったら受け止められる?
従兄弟には彼が小さい時に一度か二度会っただけなのだけど、母親である叔母は、特別な人。 子供のころから良き理解者で、私に子供が産まれてからも色んなことを相談させてもらったし、穏やかで優しく賢く、いつまでも若くてきれいで、素敵な人。 その叔母の悲しみを思うと、「万力で胸を締め付けられるよう」だった。それでも、家族の本当の悲しみや苦しみなんて、他人には決して理解できないのだろう。
お葬式には子供を預けることが出来ず、参加出来なかった。手紙とお香典を送ったけれど、言葉が見つからなかった。 「厳しくし過ぎたと後悔している。子供には愛していると伝えてあげてね。」とメールをくれた。
それからずっと、知らず知らず、愛する人を亡くすことがテーマの映画や本を選んでいる。 「ラビットホール」(映画)、遺族や加害者の痛みを丁寧に描いていて、素晴らしかった。大きな岩に押しつぶされるような苦しみが、いつかポケットの小石に変わる日が来る、という言葉が印象的。
「ラブリーボーン」(小説)を今kindleで読んでいる。ニュースでは簡単に「遺族」と呼ぶが、愛する人を亡くすことで周りの人がどれだけの悲しみを背負うか、この作品を読んでいると少しは理解できる。
「かなたの子」(小説)新しい命を生み出すのは、他者に生を譲ったたくさんの命、という言葉は、忘れられそうにない。きっと、それは正しいと思う。
|