先日、著者の岡さんと会食。
岡さんも僕も、プロ野球は横浜ファンである。いよいよ今年もキャンプ期到来。当然、話題は今季の展望、ということになる。 「多村はいいよねえ」 「成長しましたよねえ。地元(横浜高校)出身ってのもいいんですよ」 「吉村っていう若いのもいいわけよ」 「ああ、背番号31番の奴ですね。よくそんなマイナーな選手知ってますね」 「俺、シーズンシート持ってるし。吉村なんか、多村以上に成長するかもねえ」 打線の話は盛り上がる。 「問題はピッチャーですよね」 「だよなあ」 店内にもすきま風が吹き抜ける。しばし二人とも沈黙。これはまずい。話を膨らませねば。 「新監督の牛島さんはどうなんでしょうねえ。僕はちょっと心配なんですけど」 「牛島か。牛島は大丈夫だよ。俺はね、ある話を聞いたから、心配はしてないわけよ」
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こんな話だ。 牛島は名門・浪商高校を卒業後、投手として中日に入団した。同期入団には、牛島を含め投手が四人。ルーキーイヤーのある日、その四人が投手コーチに呼ばれた。コーチは四人に、ある質問をする。 「9回裏、俺たちは3対2でリードしている。ヒットで出たランナーは二塁まで進んだが、2アウトまで漕ぎ着けて、カウント『ツー・スリー』。お前なら、この状況でどんな球を投げる?」 大学やノンプロ出身の投手たちは口々に答える。 「得意のスライダーをアウトコース低め、ですね」 「真っ直ぐを力いっぱい、インコース高めヘ投げます」 コーチはここで、高卒ルーキーに尋ねた。 「牛島。お前ならどうする」 すると牛島は、こう切り返した。 「コーチ。ツー・スリーまでの配球を教えてください」
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「そのコーチ、『こいつはすごい』と思ったらしいよ。18歳だからね、当時牛島は」 「確かにそれはすごいスね」
そんな感じで、さらにこの後も野球ネタで盛り上がった。 我々二人、今季も「横浜で一喜一憂」となりそうである。
2005年02月01日(火)
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