昨夜は眠剤を飲んでとっとと寝た。 朝、メール着信音。
ん?…masaya?
「セントレア降りて徘徊中」
ん?何それ。意味わかんない。
「どこいくの?」
「帰って来た。ここから休みがスタート。」
「出張から?遊び?今日から休みスタート?」
「予定外の時間でセントレアで途方に暮れる。本日どうしよう。」
「徘徊しつくしたの?てか、なんで予定外の時間に着くのよー。」
ますます意味わからん。
「店が開いてきたので。さて、1日どうするか。」
「1日?なんで1日なの?寝起きで事態が把握しきれてませんよ。」
「突然だがゆうちゃんは今日お暇だったりする?」
「今日は暇でつよ。」
「私は名古屋です。夕方杉まで時間あります。ただし車です。どうしましょう?」
「名古屋かぁ?て、車ぁ?」
「途中のどこかでもよいが、大垣くらいしかないしな。
「大垣てどこ?こだま?」
「米原の次で名古屋の手前。のぞみやひかりは停まらない。」
「停まらないじゃん。米原から在来線じゃん。1時間半かかるよ。」
「そかそか。じゃぁいかんともしがたいなぁ…。」
あ。何?逢おうって言ってるの? ここまでで、既に1時間半もメールのやりとりをしてるわけです。 逢うつもりだったら、と早く言えばいいのに。
とりあえず、電話をかける。
「もしもし。大垣とか1時間半とか2時間かかるぉ。名古屋のが早いでつが。」
「そらそうやな。」
「ていうか、米原とか岐阜羽島にしても、今『こだま』が少ないす。」
「のぞみで名古屋まで50分のが早いな。」
「ですね。行けるのは行けますが、あたくし、ぶっちゃけ金欠なんで。」
「帰りの交通費くらい出しますよ。ええ。」
「あらまぁ。」
彼は、マイレージのポイントで大学時代の御学友とグアムへ行ってたらすぃ。1月にはもう予定組んでたらしぃ。
「なんで行く前に言ってくれないのよ!貝殻のチョコ買って来て欲しかったのに。名古屋行ったらマカダミアチョコくれるの?」
「いるなら差し上げますが。」
「いらないっ!貝殻のチョコが良かったの!」
「はぁ。」
「…んじゃ、取りあえず行きますよ。12時台ののぞみだと思う。」
「あい、お待ちしております。」
名古屋駅の裏側の出口で待ち合わせる。 待ち合わせ場所からちょっと離れた場所に車停めて、ほら,探せーみたいな顔でmasayaは外にも出て来ない。
テクテクと車まで歩いてって、勝手に助手席開けて乗り込む。
「あい。どーも。」
「どーも。」
何も言わずにナビに従い車を走らせるが、ナビあるのに、道間違えて迷ってるし。方向音痴の人はナビをつけても方向音痴なのね。変わってないなぁ…。
名古屋駅から一番近いと思われる、ラブホテル。 SM部屋だって。 でも、今日は、話してる時間多かったな。
ソファで長い事話して、お風呂で話して、まぁ旅行返りってのもあるけど、色々話して楽しかったす。
「また育ったねへ。」
お風呂であたしのウエストの肉を摘んで、masayaは笑う。 でも彼は痩せろとか言わない。
「テキトーにがんばるよ。」
「テキトーにがんばりたまへ。」
車で3時間くらいかかるって言うし、明日は宇都宮で仕事で、それ終わったら休みって言うてた。 5時に出ても8時すぎで、明日の朝には宇都宮かぁ…。
とか思うと、晩ご飯とかも無理だし、あんま遅くなれないし。 あたしは歳上の彼から、必ず電話があるし…。
「じゃぁこれで帰りの切符でもかっておくれ。」
「え?こんないらないよ。お釣り返す。」
「いいよ、ボーナスたくさん貰ったんで。」
「ほんといいの?」
「ん?呼んじゃったし。」
「じゃ、ありがたくいただきます♪」
丁寧に4つ折りにされた1万円札。 ほんとに交通費出してくれた。 今の彼の名刺を貰った。逢う度に貰おうと思ってて、もう何年? まったく躊躇せずに、あたしに渡して大丈夫? …masaya君、なんの心配もしてないんだ。笑 前のは写真付きだったね。 新しいのは、表に理学博士とか書いてて、偉そうだよ。
「丁度、昨日さ、masaya君のこと考えてたんだよ。ていうか、元は『鯵が食べたい』から沼津の漁港に行きたいで、masaya君になったんだけどね。」
「干物くらいならいつでも送れるぞ。青い包みの店で買うんだよ。」
「うん。」
名古屋駅に向う車の中で、話す。
「大阪にも、ゆっくり来てね。」
「そうだなぁ。なかなか機会がないんだよなぁ。」
「そだね。…たこ焼きを焼く時間くらいはゆっくりしたいですね。」
「必死になって焼くわけですね。」
「そそ。」
そんなことを話してるうちに、駅前に到着。 なんで行きはナビありで30分くらいかかってるのに、帰りは10分かからないんだぁ?笑
ちょうど、信号が赤になった。
「降りるね。ありがと。」
車の中からmasayaがカーディガンを差し出す。あ、忘れてた。
「あい。また。」
走って歩行者信号の青を渡って、地下におりようとしたけど、急に気が変わって、向こう側の彼の車を見る。右折ウィンカーだ。
車内の様子はわかんない。こっち見てるのか、見てないのか。 それでも反対側から、おもいっきり手を振ってから、地下に降りた。
4つ折りの1万円札で格安チケットを買って、みどりの窓口で指定取って、息子にお土産を買ってぎりぎりで、新幹線に飛び乗る。
名古屋13時9分着。 名古屋17時15分発。 滞在時間はわずか4時間。 お互い、短時間ってわかってんのにね。 ていうか、切り出すのが遅いんだよ。1時間半もメールやりとりしてるのに。
気遣ったのかな?あたし眠剤でラリってたし。
今日はたくさん話せて楽しかった。 彼と話して楽しいのは、どんな話しでも聞き流したりしないから。 すごいくだらない話しでも、ちゃんと聞いてくれて会話が続く。 昔の話し、今の話し、太った話し、クレーマーの話し、彼の仕事の話し、たこ焼きやの話し、スマル亭の話し。笑
質問には的確な答え。
ほんと脱帽。 そして、相変わらずのスタンス。尊敬。
急だったけど、逢えて良かった。
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