Another garden


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2002年02月13日(水) 最後の電話


こんばんわ。いよいよ明日はバレンタイン当日ですね。
まぁ、当然の如く私はあげる予定すら無いんだけど…。本当は
「カードくらいなら…」とも考えたけど、やっぱりその勇気は無くて。

そういえば去年は、あの人にジッポをあげたんだよね。正確には
バレンタインって云うよりは、卒業して遠くへ行ってしまうあの人に
どうしても何かプレゼントしたくて。バレンタインの少し前、ちょうど
去年の今頃にあげた。

もともと、大学2年くらいのころからかな、あの人が卒業する時は
プレゼントを渡そうってずっと思ってた。今思えば、その時点で
もうあの人のことが好きだったんだろうけど、仮に恋愛感情抜き
だったとしても、あの人が卒業する時には個人的に何かしたいって
思ってた。多分私にとってあの人は、其れだけ大切で、大きな存在
だったんだと思うし、今もそう思う。

だけど、あの人の卒業が近づくに連れて、私の気持ちはどんどん
大きくなって行って。はじめは、「あの人の一番の後輩で居たい」
だからこそ「余計な負担は掛けたく無い」そう、思ってたはずなのに。
「何時も一番の親友で居たい」「一番の理解者で居たい」「一番の…」
最後は、ずっとずっと側に居たいと思った。

だからその夜、あの人からお礼のメールが送られて来た時、自分でも
「云わなければ良いのに…」と思いつつ、やっぱ黙っていられなかった。

「そのジッポは私とお揃いです。ゴメンナサイ。」と。

あの人はプレゼントを渡した時、喜んで笑顔で受け取ってくれて。
特に、ジッポのブランドが当にあの人の好きなブランドだったから、
「よく俺がこのブランド好きだって解ったねー」って驚いてた。
「何となく服とか見てればわかりますよー」って私は言ったけど、
本当は違ってた。本当は、前に1度だけ行ったあの人の部屋に、
そのブランドの紙袋があったこと、ずっとずっと覚えてたんだ。

だけど、そんなことも知らずに喜んでくれるあの人を見たら、胸が
痛かった。何の疑いも無く(もしかしたら、内心は解ってたのかも
しれないけど)、受け取ってくれたあの人に、嘘を付き通すなんて
出来なかった。そして、何より私の本当の気持ちを知らないまま、
行ってしまうのが嫌だった。

本当は、その半年前の夏にあの人には1度振られてたから、何度も
諦めようと思った。その方が上手く行くと思ったし、実際、仲の良い
先輩・後輩として上手くやってた。でも、其処で欲が出たんだと思う。
ちょうど、年明けにはあの人も彼女とすでに別れて居たし。そして
そういう事情も全て知って居たから、少し傲慢になってたんだと思う。

どうしようも無くなった私は、あの人に電話した。
そして、それが私とあの人の最後の電話になった。

にも関わらず、なんであんなことを話したのか、自分でも解らない。
彼を責めるようなことを沢山言った気がする。今まではあんなこと
無かったのに。明るく大声で笑うのが常だったあの人との電話が、
最後の最後で、重苦しい雰囲気のまま終わってしまった。

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可愛いひとなら捨てる程居るなんて云うくせに
どうして未だに君の横には誰一人居ないのかな

何て大それたことを夢見てしまったんだろう
あんな傲慢な類の愛を押し付けたり

もう我が儘など云えないことは分かっているから
忠告は全ていま罰として現実になった

                  「正しい街」/椎名林檎

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あの時、私が欲を出さなければ良かったんだ。
あの時、電話なんてしなければ良かったんだ。

一応、今はもう表面上は何もなかったように接してる。
GWには会ったし、1〜2度のメールや返信は来た。

でも、あの日のことが無ければ、きっと昔のように…。
そう想ってしまうのだ。そして、今も夢見てみる居るんだ。きっと。


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