夜、月を見ながら。
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人っていうのは、いっぱいいるけれど、でもどうした
って一人で生きてるわけで、それは他人の心をのぞく
ことができず、他人と自分との間にあるいかんともし
がたい壁を感じるからで、だけどその壁が溶けて他人
と自分が一体となるような感覚も存在するらしく、そ
れをもって幸せと言う人もいるのかもしれないけれど、
多くの場合それは錯覚で、結局この世の中に自分とい
う人間は一人しかいないし、他人は自分とは違うのだ
から、壁を消すことなど不可能だし、思い通りにいか
ないことばかりなのも当然なので、そこんところを忘
れんようにして、その人が自分の期待にそってくれな
くても怨んだり憎んだりしたくないもんだなぁ。そう
でなきゃ、幸せを錯覚することすらできない。
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