日記帳

2005年04月13日(水) 昨日と今日

昨日、二日目の登園時も娘は泣いた。ばいばいして門の外から見ていたら、先生の膝に乗りコアラのようにしがみついて、先生の首に回した娘の腕がちょいと切なかった。

カーサンの視線に先生が気付いて、「にこっ」と笑ってくれた。あの笑顔は「大丈夫ですよ」でもあり、先生がやりたくでも絶対出来ない「しっしっ(手で追い払う仕草)」でもあったような。いやあの、カーサン不快だったわけではなく、「あ、失礼しました」という気分。「お願いします」と預けたんだからね、もちろん信頼申し上げておりますよ。

迎えに行くと、先生が読んでくれる絵本に最前列かぶりつきで夢中で見入っていた娘、カーサンを見つけてはにかんだ。何照れてんだ。絵本が相当面白かったのか、名前を呼ばれても反応せず「ほらほら」と手招きされてようやくカーサンの元へ。楽しかったんだね。よかったよ。

帰宅してからは少々不穏。どうやら外面を良好に保った娘、こりゃ内弁慶ってやつだな。カーサンのお尻にひっついて離れない。

夕飯を食べ終わろうというときに、何の脈絡もなく突然泣き顔になり「バイバイってちないで」「ちないでよーー」と涙をぽろぽろ落とす。

娘なりにがんばったのだな。

今朝は今朝で「ようちえんいかない」「おかーちゃんもいかない」とパンを食べながら言い切っていたが、へえへえと流して支度させると逆らわない。園までもちゃんと歩く。むう。さてはカーサンを試したな、おぬし。

園に着くと「きょうはなかないもん!」と先生とカーサンに啖呵を切り、本当に泣かずに「イッテキマス」と手を振った。

一日一日、園は楽しく先生は優しく、カーサンも約束どおり迎えにくると信じられつつあるようだ。経験で学ぶ娘、信頼という上書きを重ねつつあると見た。

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さて昨日の降園時、娘が「ダッコダッコ」「もう歩かないー」とごねる。「低い?」と訊くと「ひくいー」としかめっ面。そこらへんに座って測ろうと思ったが、あいにくの雨でどこもかしこも濡れていて、しかたない、園に一度戻ることにした。

「あのう、ちょっと低いようで、測らせてください」と門のところであいさつをしていた副園長に頼むと、「どうぞどうぞこちらへ」といそいそ職員室に案内された。ひえー。玄関先でちょいと測ろうと思ってたのに。

「そういうお話もしなくてはと思っておりまして」「どういう処置をなさるのか実際拝見する機会ですから」と盛り上がってくれて、こちらがとまどうくらい。

測って、やはり低くて、ジュースを飲ませてマリーをかじらす。その間、園長が興味深そうに見守ってくれ、かつ「入院もしたの?」とか、もう今までに何回もそう言ったろうが、という事柄を確認してきて、逆に「ああ、何度でもしつこく説明していいんだな」と安心した。
※面接のときも面接資料にも入園時資料にもしつこく持病についてよろしくとやってしまって、いささかやりすぎたかと危惧していたので。

園長の話によると、全職員に持病のある子が入園、と喚起し、主治医との面談の話も以前より具体的に考えてくれているようだった。有難い。

もっとゆっくり休んでいけば、と言ってもらったが、実はジュースは一時しのぎでしかなく、お昼ご飯を食べなきゃしょうがない、という状況だったので、15分ほどで失礼した。結局おんぶして帰った>甘えも相当ある娘。

あんまり温かくされて、カーサンびっくりした。そして温かさに、園側の不安も感じた。なるべく早く主治医と面談の場を設けて、不安を解消してもらわなくては。

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日記長くてすみません。

でもって今日は第一回保護者会だった。

クラス内での自己紹介のとき、迷いに迷ったけど、娘に持病があることを話した。こういうとき「糖尿病」ってのはどうも言いにくい病名だ>誤解を恐れてしまう小心者。

「ちょっとした病気を持ってまして」と切り出した途端、おかーさま方の視線がぶわっと集まったのがわかった。い、痛い。

ただでさえ人前の発言ではあがりまくるカーサン、「感染するものではない」「指先から血液を取って体の状態を見ることがある、驚かれるかもしれないけどよろしく」としどろもどろ。

もういっこ、肝心の「補食」という行為について説明し忘れた。まあいい。いずれまた機会があるだろう。

そして漠然と「やってもいいけどー」程度の気持ちで役員決めのじゃんけんに参加したらあなた、見事勝ち取ってしまいました。その強運をスガ方面に活かしたいのだが。

勝ち取ってから、そういや娘の病院通いもあるし無茶したかな、と思ったりしたものの、まあやってみなきゃわからないし、園とは密接に関わっておこうと思っているので、ええと、ばんがります。



2005年04月12日(火) 神社でテイクアウト

日曜日、夫が散髪に行った。というか行かせた。

何度か行った床屋とは相性が悪いらしく、どこかないかなとPCに向かって検索している夫に「たまには美容室とかどう?」と無責任に提案してみたのだが、却下された。

そして彼が選んだ床屋、名前が「男爵」。これを選んだ夫、ある意味勇気がある。どんなスタイルになってくるやら、結構時間が長くかかって待ちきれない娘と、その床屋のそばまで迎えに行ってみることにした。場所はカーサンも知ってたんだ。

近くの公園でふらふらとし、そばのお寺の駐車場で桜吹雪と戯れる娘。やがてカットを終えた夫と合流し、そこから歩いていけるファミレスに行った。

このファミレス、以前からちょくちょく利用していて、ホールの人員の入れ替えの激しさとか、人手が足りてない様子とか、店長に同情したくなるような助言したくなるような、「まあファミレスだし」という「ぎりぎり許容範囲のサービス業」風情を醸し出していた。

どうしてなの、今日は注文してからなかなか料理が出てこない。出てきたと思ったらカーサンのスパゲッティ、4〜5本束になってくっついている固まりがひとつやふたつじゃない、なんだこりゃ。自分ちで作ったって、なかなかこんなにくっつかないぞ。

さすがのカーサンも食べる気が失せ、店長さんに声を掛けた。お皿の中を見た彼は「失礼いたしました、五分で新しいのを茹で直してお持ちします」とお皿を下げた。

待ったよ。20分。そして「あいすみません、実はパスタソースを切らしまして」と深々と頭を下げられても。いっそ「五分」とか言わなきゃいいのに。結構です、とお店を出ちゃった。

お腹空いてるからさー、不機嫌に拍車がかかる状況なわけよ、これ。夫も娘も食べ終わってて。

「ぎりぎり」を見事、超越してくれたファミレス。もう二度と行かないと思うけど、おかげで帰り道に美味しそうな地元のレストランを発見、テイクアウトでドライカレーを買って帰った。

たまたまお祭りだった神社に寄って、強風の中カーサンはドライカレー弁当、娘と夫はソフトクリームを食べましたとさ。

ちなみに、夫はなかなかよい感じのヘアスタイルになった。強風の中、しみじみ眺めてしまった。やるな「男爵」。



2005年04月11日(月) 一日目

昨夜お風呂で、明日から幼稚園だね、と娘に話した。おかーさんは一緒に行くけど、一度バイバイして、またすぐお迎えにいくからねとシミュレーションを聞かせると、「バイバイちないでよー」と懇願されてしまった。そう言われてもねえ。先生もお友達もいっぱいいて、きっと楽しいよ。盛り上げようとしても、「おかーちゃんバイバイちないでよ」としつこい。うーん。

そして本日初登園。
雨の中、早めに着くように家を出る。小雨でよかった。

上履きに履き替えるところで案の定ぐずぐず言い出した娘。あとがつかえております。すると「はいはーい」と先生が抱っこして教室へ連れて行ってくれた。娘「おかおかおかーちゃーん」とへの字眉で手を伸ばしてくるが、先生が「お預かりしまーす」とにこっと笑ってくれたしここが引き際だ。門を出る。

年少さんの教室は園の中で一番道路際なので、門の外フェンス越しに覗き込むことが出来る。まだ泣いてるかな、泣き止んだかな、とこっそり様子を伺うと、泣き止んだ娘が先生に手を引かれとことこ歩き、自分のロッカーにリュックを押し込んでいる。先生が粘土板をロッカーから出して、お友達の隣りの席での粘土遊びへ導いてくれたようだ。よしよし。

あっさり泣き止んだなあ。こっちが拍子抜けするくらいに。カーサン正露丸飲まなきゃいけないくらい緊張したっていうのに(軟弱)。

そんな娘の姿を見ていたら、ちょっとだけ涙が出た(軟弱軟弱)。

さて家に戻っても落ち着かない。なんとなくうろうろしているうちに、あっというまに1時間半経ってお迎えの時間。あさってまでは11時降園。ほんとにあっちゅうまだが、ちょうどいいとも思う。

なにしろ気が急いて早めに着く。これ幸いとまたフェンス越しに覗き込む(ストーカーっぽい)。ちょうどこちらを向く位置で娘がちょこなんと椅子に座っている。熱心に爪を噛んでいるようだが、泣いてはいない。笑ってもいないが。よくがんばったなあ(親馬鹿)。

お迎えの人がずらっと並ぶと、ひとりずつ順番に呼ばれて、一日の(といっても正味1時間半だけど)子どもの様子を先生が話してくれる。カーサンの顔を確認した途端、娘は破顔一笑してカーサン向かって駆け出し、先生に止められた。どうどう。順番を待つのだ娘。先生の話によると、娘は案外活発に動き回り、年中さんのクラスにお邪魔したりしたそうだ。へえ。

そして帰り道、「おかーちゃんがいなくて、ちゃびちくてちょっとないちゃった」とか言う。「でももう、なみだとまったよ」「おわりんとき、おうたうたった」「ぬりえはちなかった」「ねんどでー、にゃんにゃんとかー、わんわんとかー、ぺたってちた」ほほう、そうかいそうかい。カーサンの知らない娘の時間を、彼女の言葉で聴くのは大層わくわくすることだと知る。

心配していたパンツも大丈夫、無事幼稚園一日目を過ごすことが出来た。よかったね、娘。そしてカーサンも心底ほっ。



2005年04月09日(土) 入園式

おかげさまで、無事入園式が済みました。

所在無いかんじでたたずむ娘。


保育室にわんさか集ったお友達や保護者の中で、カーサンを見失うたびに「おかおかおかーちゃーん」とパニック寸前。落ち着こう>娘。無理か。

ま、おいおい慣れてくれたまえ。

この晩はくしゃみをするような勢い・瞬発的な夜泣きを繰り返した。カンの虫がぴりぴりしているようだ。短く見積もっても、4月いっぱいはきっとこれが続くんだろうなあ。

そして保護者の中で、保護者用のスリッパを持参し忘れていたのは我々だけであった。さ、寒くなかったもんね(強がり)。みっともなかっただけで・・・。



2005年04月08日(金) 入園式前日に思う

ろばと花車にうれしいコメントをたくさん頂いてちょっとびっくりした。もちろんとても嬉しいです。ありがとう。

以前にも書いたことがあったかと思うけど、カーサンのピアノお稽古バッグが実家ばば手製のコレだったのだ。お手本はベージュ地なんだけど、真っ赤な木綿に刺してあったところも同じ。裏地の細かい花柄っていうのもほぼ同じ。

なんというか、幼い頃の佳き記憶を辿れる最強アイテムだったのだ>ろばと花車。娘に輪廻させてしまうくらい。娘が気に入ってくれたらいいけど。

そして明日の入園式に、なんと実家じじばばが参戦するという。孫娘かわいさも極まれりってかんじだな。ま、親孝行になれば幸い。

赤いバッグのろばと花車を見て、ばばは何か言うだろうか。カーサンの予想では・・・・「あんた暇ねー」。たぶん正解。

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さて、入園式を明日に控え、本日娘との平常運転最終日である。

暑いくらいの陽気のなか、自転車に娘を積んでちょっと遠出の買い物に出た。どこもかしこも桜は満開。そろそろ花びらが強風に舞い始めている。

「明日は入園式だよ」「来週から幼稚園だよ」「幼稚園行ったらオムツじゃなくてパンツだよ」と後席の娘に三段攻撃をかますカーサン。

「うん、あちたはぱんちゅにちる!」しかしどうして今日はオムツなのよ。ぶっつけ本番で臨むつもりらしい。どこからその度胸がくるのか>娘。

お寒い入園式にならないよう祈るばかりである。着替えは持参しとく。

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昨日は月イチ(最近はもっぱら月2だが)の定期検診だった。主治医には混雑・遅延を詫びられたり、娘のおしり(注射する部位)がきれいだとほめられたりで、特に嫌な思いはしなかった>現金。

待合室で1時間以上待ったんだが、その間にふとしたきっかけで前の椅子で待っていた母子と会話が生まれた。

娘と同じ1型の坊ちゃんで、娘よりひとつ年上。大変明るく人懐こく、長い待ち時間、暑いほどの待合室ですっかり出来上がっていた娘にとっては(いや「カーサンにとって」が正しい)、このうえなく有難い遊び相手になってくれた。ちなみにママは微妙にヤンキー風味ではあったが、とても気さくな方だった。

今年になってから1型と診断された、言ってみれば私より経験の浅いママなわけだが、彼女と病気絡みのあれこれを話していて強く感じたことがひとつ。

カーサンも、彼女と同じ「嘆きのオーラ」みたなものを身にまとっているのだろう、ということ。今まで自分がどう人の目に映るか、うっすら感じてはいたけれど、昨日あのママと話したことで、それがはっきりと客観的にわかったような気がする。

その善悪はともかく、それを自覚しておこうと思う。実はそのオーラは活用することもできる便利モノではあるのだが、無闇に発散しないように>自戒をこめて。

ここや別館は、カーサンにとっていわば箱庭のような場所でもあると思っているので、ここではあたりかまわずぶちまけてしまうかもしれないけど(それも考え物だが)、実生活では意識していこうと思う。

ついつい病気が身近すぎて、微妙な線引きが見えなくなることがあるような気がしている。


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