Food for Thought
DiaryINDEX|past|will
2005年05月31日(火) |
チーズ転がしとサッカー |
夜のニュースで、丘の上からチーズを転がし、それを追っかけて人も転がり落ちる、というお祭りの映像が出ていた。こんなアホなことをするのはイギリスしかない、と思っていたらやはり!グロスター(Gloucester)の『チーズローリング(Cheese Rolling in Gloucestershire)』で、もともとは放牧の権利をめぐってチーズが転がす競争をしたのが起源だそう。毎年怪我人が何人も出るので、救急隊が待機しているとか…この向こう見ずな人たちのドドドッ、ゴロンゴロンを見ていて、サッカーやラグビー発祥の地である訳だと妙に納得。
そのちょっと前に同じニュース番組の中で、中田英寿と村上龍の対談を流していた。中田が日本代表はイタリアのサッカーのような「死ぬ気でやる(「こういうこと言ううのって一番嫌いなんだけと…」と断りながら)ような1対1がない、システムなんかよりそっちが大事だ、ということを語っていた。やることは全部やった、と思えれば例え負けても後味爽やかだとか。 いろんな場面で、思い切りの良さ、というのが最近の日本で足りないのかも。
2005年05月29日(日) |
『日本はなぜ敗れるのか―敗因21カ条』 |
日経の「少子化に挑む」の連載“育休?おれが取るの?”の記事。男性一人以上のの育休実績を出すと「優良企業」のお墨付きがもらえる次世代育成支援対策推進法について、「数値目標を掲げる霞ヶ関流で、ささやかな実績づくりをせかしているだけにみえる」とある。これはまさに、山本七平『日本はなぜ敗れるのか―敗因21カ条』のなかの「『動員数』だけをそろえて実数がない」例そのものである。
「形式化した軍隊では『実質より員数、員数さえあれば後はどうでも』という思想は上下を通じ徹底していた。員数で作った飛行場は、一雨降れば使用に耐えぬ物でも、参謀本部の図面には立派な飛行場と記入され…」
また、国際派日本人養成講座というメルマガを購読しているのだが、「民間校長『異界』に挑戦」への読者の投稿の中で、教員の毎月の給料が「現金手渡し」であり、それを「労働者の権利」などと言って、振込に組合系の先生が強硬に反対する話が載っていた。 そういった教師達の「合理性も根拠もない反抗」も、『敗因21カ条』とだぶる。
「…一言でいえば、これが「ものまね」の結果である。一つのものを自ら創作したものは、自分で創作したのだから、また新たに創作しなおすことができる。… 一方、「まね」をしたものは、こうはいかない。…「権威」として輸入したものは、「権威」であるがゆえに、動かせなくなるのである。そして、その際必ず出てくるのが「本家よりきびしくしておけば大丈夫」という行き方であり、それは同時に「本家よりきびしいのだから、自分の方が本物だ」という主張にもなる。組織の絶対性とか、軍紀のきびしさ、礼法の厳密さ、という点では日本軍は、世界のあらゆる軍隊よりきびしく、融通がきかず、そしてこの融通がきかないことを、逆に、一つの誇りとしていた。従って、組織そのものを見れば超合理的でありながら、現実から遊離した、完全に不合理なものとなっていた。」
同著に反日感情についての章もあったが、それについてはまた改めたい。
2005年05月07日(土) |
記録としての日記の価値 |
山本七平著『日本はなぜ敗れるのか―敗因21カ条』を読み始めた。帯に「奥田碩会長が『ぜひ読むように』とトヨタ幹部に薦めた本」とあったのに惹かれ、買ったものである。いやあ、面白い。始めの方に記録としての日記の重要性が説いてある。
…林屋辰三郎氏が「私は、常に、歴史資料は、『現地性』と『同時性』という二つの基準に照らさなければならないと考えます。文献ならば、その場所で書かれたものかどうかということ、これが『現地性』です。そして、そのときに書かれたものかどうかということ、これが『同時性』です。このX軸とY軸の二つの軸で判定して、その基準に近づくほど。史料として価値が高いということです」と記されている。(p10)
後から思い出して書いた手記などでは「同時性」がうすくなる。また、たとえ両方の基準を満たしていても、組織などへの配慮、責任の回避などが入り込む文書は信頼できない。特定の読者を想定していない「日記」がいいのだ。そこで、このネット日記、ブログの爆発的な普及である。「当時の人たちはどんな評価ををしていたのか」、「どういう行動をとったのか」を知るための膨大な記録がネットの日記やブログから集められるというのは、歴史的検証に非常に役立つのではないか。いちいち削除、捏造するのは無理なわけで。正式な文書にわざわざ残さないような、何気ない日常が、結構忘れ去られてしまうものである。
2005年03月06日(日) |
『人はなぜ憎しみを抱くのか』 |
日経新聞の新書の紹介欄を見ていて、『人はなぜ憎しみを抱くのか』アルノ・グリューン著『人はなぜ憎しみを抱くのか』が気になった。最近本をたくさん買い込みすぎて、「積読」の山も気になるが。
2004年08月07日(土) |
アジアカップ優勝その後 |
2004年アジアカップ決勝戦は日本が中国を下し優勝! いやあ、よかった、よかった。実際、負ける気がしなかった。 試合終了後、そのまま表彰などの様子をテレビで見ていた。 日本選手が一人一人メダルを受け取り、大会役員(?)の人たちと次々に握手していったのだが、ほとんどの選手が相手の目を見ないどころか顔も上げず、おざなりに握手しているのは、とても横柄と言うか、失礼な印象を与えてしまうのではと気になって仕方がなかった。中国サポーターの態度は論外であるが、日本チームがこういうつまらない点で外国に誤解されるのはとても損なことだと思う。ところで、メダルを持ってきたチャイナ服の女性が、日本の表彰のときはおもむろにムッとした顔をしていたのがおかしかった。にこやかにするのが仕事じゃないのか?いや、きっと不機嫌そうにしていないと後で自国民の非難を浴びてしまうのかもしれない。
|