鈴木めぐみの徒然マンガ日記
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このところ、近所は新築ラッシュだ。ちょっと通らなかった道に入ると、いつの間にかこぎれいな家が建ってたりして。で、けっこう目に付くのが、銀色っぽいトタンチック(何と表現すればいいのかなぁ。ウネウネなの)な外壁。あれってものすごく目立つんだけど、熱効率がいいとかいう長所があるのかなぁ??それとも単に趣味!?
こういうのを見てると、家を作るのって難しそう!とつくづく思う。外から中まで、素材から何から決めていく作業は楽しそうでもあるけれど、モノがモノだけに出来てから「し、しまった……」ってことに絶対なりそうだな、私の性格からいって。まぁそういう機会が今後あるのかどうかはナゾですが(宝くじが当たらないとも限らないしね(笑))、頭の中でシュミレーションしてみるのは確かに面白い。
そんなワケで、今日のおススメは伊藤理佐の『やっちまったよ一戸建て!』 。トイレが吹き抜け!という斬新なおうちを建てた作者の奮闘記。家を建てる予定がある方には教訓の一冊に、現在建ててる方には共感の一冊に、そして予定なんかないわ〜って方にもおもしろエッセイとして、(つまりどんな人でもきっと)楽しめる作品デス。
進行形のお家作りマンガとしては、「フィールヤング」連載中の内田春菊『ホントに建つのかな』(だったかな?タイトルうろおぼえ)もあるけど、こちらはだんだん舅とのバトルマンガになっているような気も……。
今月、2歳になる我が息子、子育てする母たちが恐れる「魔の2歳児」に突入しました……(深いため息)。まあ、ホントに色々やってくれるんだな〜、これが。こっそり(わざと)オムツは脱ぐわ、何が気に入らないのか乗車拒否され、抱っこしたまま自転車ひいてく羽目になるわ。日々こんな理不尽と、不毛に闘い続けて、こちらの目もつりあがる一方。そんな私の心のトモが、星崎真紀の『おかあさんの卵』だっ!
しょっぱなの
「2歳児って人生のうちでいちばん「イヤ〜ッ」って叫ぶ年齢じゃなかろうか」 「したがって2歳児をもつおかあさんも人生のうちでいちばん「もうイヤ〜ッ」って叫ぶハメになるのだ」
というお言葉に深く深くうなずいたのでした。
星崎さんのもちまえの明るさに、大いに笑ったり共感して、「おしっ、私も頑張るぞ」と思えるところがいい。「育児マンガ」は経験者への共感が得やすいので、一見誰でも描けそう、と思えるんだけど、単なるグチや内輪自慢(あるいは内輪ウケ)になりがちなところを読者に面白く読ませるには、やっぱり描き手のワザが必要。そういう意味でも、この『おかあさんの卵』は出色だ。
ちなみにこの作品は「2〜3歳児編」と「4〜6歳編」の全2巻。長女ナナミちゃんが生まれた現在は、「Silky」で『おかあさんの卵・特別編』のタイトルで連載されているのに、本編は残念ながら品切れ状態。私はオンライン古書店でGETしたけれど、文庫でも出ないかなぁ〜。『特別編』の方も途中から読み始めたので、早くコミックス化を!(でも1回のページ数が少ないので、まとまるのはまだまだ先かな?)
ようやく『NANA』 のコミックスが8巻まで揃った!一応掲載誌の「Cookie」でチェックはしてたものの、一気読みすると面白さは格別!
矢沢あいってすごいなぁと思うのは、主人公・なな(愛称ハチ)の描き方。私から見れば、いーかげんでほれっぽいハチには、およそ従来の少女マンガの主人公らしからぬあやうさを感じるんだけど、その部分こそ、同世代の女の子たちにとっては、メチャメチャ共感するところなんだろう。たとえばハチが、遅刻や無断欠勤のルーズな働きっぷりに、ついにバイトをクビになるシーン。直属の上司に「普段は厳しいけど、きっとかばってくれると思ってた!」と泣きついたものの、「世の中そんなに甘くないのよ」とばっさり切られてしまう。確かに、同じ職場にいたら腹が立ちそうな「困ったチャン」のハチ。でも、その後、途方にくれた彼女がつぶやく「110円だせば缶コーヒーはのめるけど、私はおしゃれなカフェでお茶したい」という思いは、理屈ぬきでひびいてくる。「も〜う、矢沢あい天才!」と身もだえしちゃうすごいネームだ。
かつて、紡木たくが描く世界のリアルさが、社会現象のように語られた時代があったけれど、21世紀にその座を引き継ぐのは、矢沢あいなんじゃないだろうか?「若者のカリスマ」なんて形容は陳腐かもしれない。それでもきっと、ハチと同世代の女の子たちならば、『NANA』の中に、自分ではうまく表現出来ない言葉をみつけるはずだ。
bk1 の新刊予約システムが終了してしまったので(涙!)、今月(あ、もう先月か……)から、新刊まとめ買いをするようになった(だって1500円以上なら送料無料だし……)。今回買ったのは、ちなみに『恋のたまご』 『Do Da Dancin’!』 (槇村さとる)、『ハチミツとクローバー』 (羽海野チカ)、『しゃにむにGO』 (羅川真里茂)、『離婚予定日』 (粕谷紀子)の最新刊。
『恋のたまご』&『離婚予定日』以外は、今週のbk1売り上げランキング(8/18〜8/24)ベスト10にしっかりランクインしてる。(あ、私の今月のイチオシ『プライド』 (一条ゆかり)も4位に……)それを見ながら、「ふふふ、皆も読んでるわね♪面白いわよね〜♪♪」とニマニマしてます。
でも、今日はあえてランクインしてない『恋たま』の話題。『イマジン』 、『イマジン29』 に続く「自分探しストーリー」で、連載当初は結婚にも仕事にも活路をみいだせない主人公・眞子の煮詰まり具合が読んでてつらかったりもしたんだけど、なりゆきでカフェの臨時店長になったあたりから、がぜん面白くなってきた!恋人のまっちゃんよりも、私にとって気になる存在なのが、カフェ・ギシャールのウエイトレス・トモちゃん。「二股かけて泣きついて、それで許してもらえちゃうわけ〜!?」ってなせりふもあったけど、頭でまず考えちゃう眞子が、奔放で自然体な彼女に反感(と羨望!?)を抱くのもわかる。実際、彼女にマイナスイメージを持ってる眞子の目を通して描かれているだけに、連載が始まった頃のトモちゃんはイマイチ理解不能なところがあったのだけど、カフェ存続をかけてふたりが戦友のような関係になってから、トモちゃんの料理上手で芯の通ったチャーミングな部分が見えるようになってきた。恋愛相手のまっちゃんの印象が、それほど大きく変わらないのに対して、トモちゃんの変わりぶり(……って本人が変わってるわけじゃなくて、眞子の心情が変わっているだけなんだけど)がとにかく興味深い。ただこれから読む人がこの変化を楽しむには、リアルタイムで読むよりも、完結してからまとめ読みする方がいいのかもしれない。
ビミョーな近視&乱視だから、なくても大丈夫なんだけど、パソコン使う時なんかにはメガネは必需品。普段はかけてるとジャマなんで、ついついあっちこっちにはずして置いちゃうので、実は今も「メガネがな〜い」と探し回ってます……。
そう言えば、いつごろから「メガネ=コンプレックス」なマンガって姿を消したんだろう。昔はこのネタのマンガって、それだけで一ジャンル作れそうなくらいあったんだけどなぁ。酒井美羽の『通り過ぎた季節』シリーズとか、高河ゆんの『グラスマジック』とか。くらもちふさこのデビュー作も『メガネちゃんのひとりごと』だったっけ。
7〜80年代少女マンガで描かれるコンプレックスは、メガネ以外でも、好きな人より自分の方が身長が高い!とか、年下の子を好きになっちゃったとか色々あった。特に恋愛ものでは、2〜3才の年の差も、かつてはものすご〜く重かったっけ。『年下のあんちくしょう』(吉田まゆみ)とか『一枚の年輪』(くらもちふさこ)とかね。これが変わったのは、『ぼくの地球を守って』 (日渡早紀)と『オトナになる方法』 (山田南平)の影響が大きいでしょ、やっぱり。特に「前世の記憶」を持つ『ぼく地球』の輪と違って、『オトナ〜』は、真吾が見た目もバリバリの小学生!なので、私は最初は違和感あったなぁ。それがいつの間にかフツーになってるから不思議。今「プチコミ」でやってる『砂糖少年』(すぎ恵美子)なんて、キャリアウーマンと小学生だもん。マンガは時代を映す鏡みたいなものだけど、あまりの変わりように思わずクラクラしてしまう……。
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