2005年01月07日(金) |
04年をふりかえって |
おもえば昨年は人が死んだ年だった。 事故で亡くなった友人知人、自分がファンだった人だったり、お亡くなりになって少なからずショックを受けたことがたびたびあった。 中でも古い友人である歌手「酒井麻友子」の急死には本当にまいってしまった。9月11日のことだった。彼女とは一緒に音楽を作っていた事もあったし、ディープな飲み友達だった。かつてはガールポップな感じでメジャーデビューしたこともあり、本来はロック/ソウル系のブルージーな味を持ったシンガーとして知る人ぞ知る存在。近年は日本各地でいろんなミュージシャンとセッションしたり、叔父の経営する店でジャズを唄ったりもしていた。俺とは数年間交流が途絶えていた時期もあったが、昨年から連絡をとりあうようになり、再び何か一緒にやろうというような会話をしていた矢先の急死であった。 未知の可能性を期待されていたにもかかわらず酒井麻友子の早過ぎる死。それは彼女の無邪気な笑顔に魅せられていた者たちに虚しさと悲しさを残しただけであった。
10年ほど前に作った少数プレスの自主制作盤『酒井麻友子』がある。オリジナル以外にも、独自のアレンジを施したはっぴいえんど「風をあつめて」、吉田美奈子「チョッカイ」、フールズ「フリーダム」の秀逸なカバーが収められている。 これを作った少し後に、某女性シンガーが似たようなアレンジで「風をあつめて」をエピックからリリースして小ヒットさせていた。「同じ様なことを考えるやつもいるんだな」とおもってそのCDをレコード店で見たら、なんとジャケットも似た様なデザインだった。確実にパクられていたのだ。その女性シンガーは今でもたまに名前を見る・・・。もうどうでもいいことだけどね。
あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。
2004年12月31日(金) |
京都大学西部講堂で年越し |
雪のため高速道路が閉鎖され、福岡に帰りたくても帰れないザ・ヤングのメンバーたちと西部講堂の年越しライブに行く。騒音寺を観た後、あまりに寒さにつらくなり百万遍交差点の居酒屋に入る。バカ話しをしてるうちに、あっというまに年が開け乾杯。外も吹雪いて来たので、宿舎に戻り再び乾杯。コタツを囲んで05年の抱負を語り合ったものです(はっぴいえんど風)。 入院中のエンケンさんをお見舞いに行った湯浅学先生から、電話がある。同じ病院に入院中のイラクのファルージャから来ているモハメド君のために、エンケンさんは院内でミニコンサートを開いたそうだ。そしてウクレレをモハメド君にプレゼントしたのだという。なんと感動的な話なんだろう。 2004年は今日でおしまい。個人的には激動の年だった。サイクロンズと出会いレーベルを作り、レーベルからはサイクロンズのファースト、50ズの7吋ドーナツ盤、ハプニングスのアルバムと3タイトルがリリースされた。 もちろんすべて一人でやったわけではなく、たくさんの方々の協力があったからなんとかなってるのだ。05年は何がどこまでできるかまったく予想もつかないが、諦めずに転がり続けて行きたい。よろしくお願い申し上げます。
だけど諦めるな 最後までサジを投げるな 「無力のかけら」伊藤耕・作詞
お昼過ぎにヤングの楽器車に乗って、京都から大阪は堺市三国ヶ丘のライブハウスFUZZに向かう。去年とおなじくオールナイト『ニューロックの夜明け』がおこなわれるのだ。各地でちょこちょこ開催されるこのタイトルのイベントは自分の主催なのである。 前日からいただいたいろんな差しいれは食べずに深夜のためにとっておき、開演時間直前に入った三国ヶ丘駅前の塩ラーメン専門店が美味であった。名前忘れたけどここはお勧め。 第1部は、野村麻紀の弾き語りからスタート。彼女の歌を聴いてるうちに思い出したのが、20代の頃の年末によく行っていた、池袋の映画館での浅川マキの師走コンサート。思わずそんなことを彼女に伝えたら、酔っ払いながら照れてた。ハプニングスのトメさんにも「マキって名前はみんなよく呑むんだよナ〜」って云われてたけど同感。続くハプニングス・フォーもすっかりおなじみないいムード。PAの音悪いけど。
第2部では、ザ・シロップ、50ズ、サイクロンズ、ヤングのライブ(PA悪し)に、俺とキングジョー、そしてまあくんのDJ。 まあくんというのは「藤原正弘」というかつてブタモダン歌謡曲というラジオ番組を関西方面でやっていた人物で、なんと昭和のアイドル歌手の振り付けをすべて完璧に知ってるのだ!。最近では、タモリ倶楽部や探偵ナイトスクープなどのTV番組でもその貴重な存在感を披露している。 この日、まあくんのDJ振り付け講座では、ピンクレディーを観客全員が踊っていたが、個人的にはスターボーの「ハートブレイク太陽族」をリクエストしたかった。まあくんは再結成ピンクレディーのおっかけもしてるので、衣装を着て踊っている赤いモヒカンがいたら、それはまあくんですよ。 俺はあいかわらずジョー君と小芝居しながらのDJで大いに盛り上がり、朝6時過ぎまで約百人強のお客さんが残ってくれてアホノリでした〜。このイベントに来てくれた方が読んでいたら「本当にありがとうございました。また来年もやるつもりですよ」。 しかし、小芝居DJ、ちょっと一人ではできないな〜。
31日朝、再びヤングの楽器車に乗り、宿泊先の京都に帰ると雪が降っていた。
はじめてミューズホールでDJ。結局、盟友キングショー君と一緒に曲にあわせて小芝居付のDJをやっていた。 この日出演したガールズR&Rバンド、ナイロンは噂通り壮絶であった。昨日のザ50回転ズといいどうして関西はこうも強力なバンドが次々と出てくるのか?!って感じ。女装のR&B(!)オートコーズも噂通リ気持ち悪かった。 50ズ、サイクロンズ、イグアナズなども出たのだが、やはりザ・ヤングの人気がすごかった。トリのゴーグルエースの時より倍は客がいたと思う。最近やってる生田敬太郎のカバーがいいんだよね、これまた。とにかくライブで観て欲しいバンドであるのだザ・ヤング。
京都の顔役しのやん主催のイベント、久しぶりにメトロでDJやりました。 睡眠不足で京都にいったものであまり記憶がありません・・・ しかし、最初に出た「ザ50回転ズ」という三人組のインパクトが忘れらない。赤塚マンガのイヤミみたいなギター、眉毛のないベース、とにかくエグイ外見、演奏は濃厚でくだらないロックンロール。 騒音寺ナベさん推薦のこのバンド、絶対2005年はイイ線行くことまちがいなし(とおもわれる)。
2004年12月27日(月) |
@クロコダイル二日目 |
ハプニングス・フォーのライブ二日目。共演の、東京ポルチカ歌劇団は、まるでレコードを聴いてるようなバランスと小さな音。いわゆる六十年代前半の和製カバーポップスをレパートリーに、2人の女性ボーカルは振り付けもキュート。ベニシスターズの「シャンパンツイスト」もやったりするマニアックなザ・ピーナッツみたいな雰囲気といえばいいのだろうか。俺の最近のお気に入りのバンドなのだ。 ピーナッツといえば、この日はタイガースの(とハプニングスの)元マネージャーとして有名な中井國ニさんと、元テンプターズの大口ヒロシさんが来場していた。 前日の演奏を深く反省したのか、ハプニングス・フォーの演奏はとにかく素晴らしいものだった。久しぶりの「ハプニングスのテーマ」から始まり、ラウンジ・グループ/シャンペン・ミュージックの魅力をたっぷり堪能できた。ラテンをルーツに持つクニさんのピアノ、間奏で壊れそうで壊れないスリリングなフレーズにはいつもドキっとする。 34年振りのアルバム『ハプニング・ア・ゴーゴー』のライナーでも書いたのだが、このような豊潤な音楽と新鮮な感動、他に何がいるのだろう。 正しい音楽がきちんと評価される状況を作らねばいけないのだ。
2004年12月26日(日) |
@クロコダイル一日目 |
この日は、サイクロンズとハプニングス・フォーの共演ライブ。サイクロンズの演奏はいつも通りよかったのだが、とにかくPAの音がデカすぎて、年輩のお客には耳が痛かったようだ。音がでかいのはオペレーターが気を利かせたつもりだったのかもしれないが・・・。その後に出てくるのはラウンジバンド/シャンペンミュージックのハプニングスなもんで逆効果であった。 ハプニングスのライブは、前半の定番曲まではよかったのだが、中盤以降は練習不足が原因なのか、緊張感のない演奏とMCがだらだらとした印象を受けた。正直云って自分が観たハプニングスのライブの中でも、この日は最低のレベルであった。
「ハプニングス・フォー+ジョー山中+森園勝敏」という昨年行われた奇跡のようなセッションが、19日に静岡のチャリティコンサートで甦りました。 そんな組み合わせが奇跡だなんだと感動してるのは、ロックの歴史を勉強している後追い世代だけなのかもしれません。 コンサート終了後、同メンバーにて近所のオールディーズ店ケントスでのパーティーでも演奏。お客さんは、メンバーと同年代もしくはそれ以上の人々ばかりで、そのノリの良さは社交ダンス会場さながらでした。即興のロックンロールではツイスト踊りだす年輩の夫婦らしきカップル。「あなたが欲しい」や「そっとおやすみ」ではチークタイムに。ミラーボールがまわるケントスでは「メリージェーン」のような曲でしかないのです。 まるでハコバンの世界でしたが、どんな状況でも素晴らしい音楽でお客を楽しませる、さすがプロ!と改めて感心しました。30年前の曲でも同じキーでうたえるジョーさんやトメさんは鍛え方が半端ではないし、過去の音楽だけではなく現在の実力を評価すべきでしょう。 伝説でもカリスマでもいいですが、ちゃんと音楽できなくなっちゃった人はキツイですからね。
「絶対に観るべき」と何人かの人に勧められて、観てきましたゴールデン・カップスのドキュメンタリー映画「ワン・モア・タイム」。 実際素晴らしい。ワタシはこの映画を観るために生まれてきたんだな(笑)って想ったくらいだもの。 初期の映像や、メンバーと関係者の証言で構成される前半。動く60年代のカップスが観れる!最高!これが目玉でしょう。テレビ出演時のライブ「アイム・ソー・グラッド」は何度でも観たいっす。時代の世相や、横浜本牧をリアルに捉えて、かつテンポよくわかりやすく紹介されていて、カップスを知らない人が観ても、いかに彼等が先鋭的だったか理解できる秀逸な構成です。 後半は、横浜で行われた再結成ライブ。この場に自分もいたのだが、ライブの時よりも映画の方で感動してしまった。エディ藩とミッキー吉野がとてもがんばっているという印象は変わらないけど。
そして、高田渡、カップスと続いて次作はなんと!遠藤賢司の映画が決定したというではないか!!!!!これは事件です。
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