絵 描きたくないよ
雨 天からこの窓を打つ
曇り 色のガラス
息 うまくできない
もう 絵 描きたくないよ
光に温まった 土に 頬を押しあてて 眠りたい
世界は狭くて もう 疲れた
そんな風に
ぐったりして
いるときにむりやり
押し広げる小さな空想の世界
夕日 色の入道雲を登る若い商人
美しい岸壁にふわりと腕をつっこむと その手につかむ蒼い石
皮袋から取り出した 透明な石をそこに戻す
その繰り返し 一日中だ
昼間の空色を吸い込んだ蒼い石を集めてまわり
生計を立てている
ラピスラズリという名前の石
あの人は頑張ってる
黙々と孤独な入道雲の上で
私のいる世界を見下ろして
生きている
だから
私も頑張るよ
疲れても 何も言わないで
頑張るから。 | |
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