泡とガラス玉


2007年05月31日(木)      ユウダチ


魂の抜けてしまった君が

ドアの向こうに立っていたので

僕はたくさんの涙を流しながら

君を強く抱き締めました。

外は暖かい雨が降っていて

灰色の空の中を黒い鳥が横切って飛んでいきました。

地面に叩きつけられた雨粒は

狂ったように数億の小さな輪を描いていました。

君の変わり果てた姿は

辺りの雨音を無にしました。


苦しみを分けて下さい。

言っても聞こえないならこうやっていつまでも抱きしめています。

君を温めて、そこから救い出しましょう。

果てしない世界から、君は最後の気力で僕を求めて

このドアの前までやってきたのだから。


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