魂の抜けてしまった君が
ドアの向こうに立っていたので
僕はたくさんの涙を流しながら
君を強く抱き締めました。
外は暖かい雨が降っていて
灰色の空の中を黒い鳥が横切って飛んでいきました。
地面に叩きつけられた雨粒は
狂ったように数億の小さな輪を描いていました。
君の変わり果てた姿は
辺りの雨音を無にしました。
苦しみを分けて下さい。
言っても聞こえないならこうやっていつまでも抱きしめています。
君を温めて、そこから救い出しましょう。
果てしない世界から、君は最後の気力で僕を求めて
このドアの前までやってきたのだから。 | |
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