手帳カバーの後ろに誰かから貰ったはがきがあって。その後ろには誰かの写真があって。遠くなって淡くなって。届かなかった私の手は急に重くなりつかむことを諦めた。自分は可愛くないなと。うつむいて見えたのはサンダルを履いたままの。素足。好きだった。知ってる。すごく好きだった。淡くなってた想いが時々ふっとした瞬間に雨になって降って来る。繰り返し繰り返し。その雨に打たれながらまた淡くなって白に近づくとしても。きっと忘れることはないかもしれない。