月のシズク
mamico



 チャレンジ一年生!

この歳になっても、「初めての挑戦」もあるもんだ。
そりゃ、(うまくゆけば)長い人生、初めてだらけのものだけれど、
そういうフォア・ザ・ファースト・タイムは、やっぱり新鮮。

私はどちらかというと、根性もないし、我慢弱い性質の持ち主だけど、
きっかけさえあれば「おりゃ」と、どこへでも、何にでも、飛び込んでゆく。
その勇気の源がどこにあるのか、自分でもときどき驚くのだけれど。

お菓子作りは、私が最も敬遠していたことだ。
普段の食事を作るのは苦にならないが、お菓子となると、ちょっと腰が引ける。
女の子オーラを振りまいているみたいで、厭味にすら感じられた。そんなわけで、
生まれてこの方、ヴァレンタインというイヴェントにも退き気味だった。

なのに、だ。
片手に湯銭のボウル、片手にレシピを抱え、チョコレート作りに挑戦。
リハーサルまでして、同僚に片っ端から試食してもらい、再び試行錯誤。
真夜中(明け方近く)に、甘ったるい匂いが充満した台所で、孤軍奮闘。
弟くんには「ねーちゃん、10年おそいって」といびられながらも、真剣勝負。

妥協って言葉は好きじゃない。故に、妥協という行為も嫌悪している。
「まったく、世の中の乙女らは、毎年こんなことしてるんかい!?」と
ぶつくさ文句を垂れつつも、何とか納得のゆく作品が出来上がった。
けっこう面白いじゃん、なんて、ひっちゃかめっちゃかの真夜中の台所で。

安易な方法なんて、いくらでもある。有名店のチョコや、ショコラシエなる職人
たちの味にはかなわない。でも、結局のところ、どれだけ手が尽くされたか
というプロセス自体が大切なのかもしれない。なんて、ちょっと言い訳かな。



使用したラムは、もちろん常飲してる「アップルトン」(ジャマイカ産)
*明日からしばらく東京を不在にします*

2004年02月13日(金)
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