月のシズク
mamico



 暗闇栽培

♪きょーの夕食何にしよ、玉葱ぃタマネギあったかな♪
なんて鼻歌交じりに、ストックワゴンを覗き込む。立ち並ぶ2リットル入り
ミネラルウォーターの奥に、茶色の紙袋を発見。ああ、そういえば以前買い貯め
した野菜がここに、と手を伸ばしがさごそとまさぐって、ギャーと悲鳴。

私の指先が触れたもの。
しゃんとした生命感のあるもの。それは、たとえば水仙の茎のような。
ネットを突き抜けた長細いもの。それは、たとえば痩せ細った仔鹿の足。

んなわけはない。と気を取り直し、紙袋ごと、ごっそり取り出す。
上にかぶせてあった新聞紙を取り除き、のぞいたふたつの眼が捉えたもの。
「なんですか、これはー!」と、腰を抜かしそうになってしまった。

えーと、下に貼り付けた画像の物体が、暗闇でひそかに生息しておりました。
つまりは、ジャガイモの紫の芽が、タマネギのネットを突き破り、そのタマネギ
くんたちも、緑のつややかな芽を出していたのです。

日頃から、自分のだらしなさ加減は重々承知していたハズなのですが、
ここまで思い切ったことをやっていただくと、反省するより笑えてきて
しまって。その、植物たちの生命力を、ドカンと見せ付けられたようで。

こんなに成長してしまった野菜は、すでに料理に使えるわけもなく、
でもせっかく芽を出したからには、捨ててしまうのも残酷な気分にさせられ
るわけで。お隣さんの小さなお花畑に、これを埋めてしまっては、やはり
不法侵入者の不法投棄で犯罪者になっちゃうかしら。と、思案に暮れています。



ね、ね、すごいでしょ!(ちょっぴり、ヤケのやんぱちです)

2004年03月07日(日)
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