基本的に、掃除は嫌いなのです。
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形の定まらないもの、 例えば洋服やゴミ、塵芥等が散らかっているのはイヤなのだが、 四角い本や紙類なら、その辺に積みあがっていても全く構わない。 家のどこに行っても読み物が手近にあるという安心感は捨てがたい。 だから、コージ苑宅はちょっとだけ雑然としている。
しかしお客様がいらっしゃるというと、 そのままにもしておけず、しぶしぶ片付ける。 紙類(主にレポートの類)を所定の位置に戻す。 これは特に分類などしていないから、すぐ終わる。 問題は書籍である。
自宅には大きく分けて3箇所の「本置き場」がある。 一つは仕事関係の本棚、 一つは文芸書一軍の棚、 もう一つは文芸書二軍の棚。
各所にある本を集め、さて収納しようかという時に、 一軍と二軍の入れ替えをしてしまう。 気付けば1時間などあっという間にたっている。 きれいになった書棚を見てご満悦。 うん、美しい。
で、肝心の拭き掃除などを慌ててやる羽目に陥る。 ひどい時は玄関の呼び鈴が鳴ってから 洗濯室に駆け込み手首にスナップをきかせて雑巾を放り込み、 息を整える余裕もなくお客様をお出迎えする。
お客様「…えっと、何かその…大丈夫ですか?」
絶対ばれてる。
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