非情 - 2007年04月28日(土)
母が一人、バスに乗った。 けっこう混んでいたそうで、運転席の横に立ったそう。 母はショルダーバッグに手には多めの荷物を持っていたそうな。
バス発進。 急発進だったため、母はバランスを崩し 本人いわく「野球の選手が、走って滑るようにステーン!!」
ε=ε=(ノ __)ノ ドーン
やや横向きにスライディング状態で転んでしまったらしぃ。
それを見た運転手サンが「大丈夫ですか!?」
母は年老いていて足腰が弱っているので、 普段バスなど大きく揺れるものに立ったまま乗る時は 両手で手すりに掴まるようにしているという。 転んだ母のすぐ横にはサラリーマン。 声をかけるでもなく知らん顔。 他に傍にいた乗客も同じ。 運転手サンは「申し訳ありませんが、どなたか席を譲って下さい!」 そう何度も何度も放送してくれたそうだ。
しかし。
誰一人として席を立つ人はいなかった…と。
母は「すぐ降りますので、大丈夫ですから^^ごめんなさいね」と言って その後、約30分立っていたそう。
腹が立った。 悲しかった。
これが、母だからというわけではない。 よく、妊婦サンが大きなお腹で立っていても誰も席を譲らない光景を見たことがある。 そういう話も聞く。 アタシ自身もそんな頃、席を譲ってもらったことなど一度もない。
なんで?
妊婦だから堂々座れるとか、お年寄りだから堂々席に座れるとか そんなことを本人達は思っているわけではないと思う。 (なかには、いるかもしれないけど;)
人の優しさ、思いやりとして 本人が座る、座らないは別として 一言声をかけるくらいしてもいいんじゃない? お年寄りだと思って、声をかけて逆に怒られるなんてことも たまに聞くけど それを(親切で言ったのに(#`-_ゝ-)ピキ)とか受け取らず お年寄りなりの、ちっちゃなプライドとして受け流しておけばいい話じゃないでしょうか?
目の前で転んだ人に、知らん顔なんて言語道断だと思うのはアタシだけ?
運転手サンは、さぞ心苦しかったと思う。 自分の運転の仕方でおきたこと。 安全運転していると思っていても、目の前でおきたことに少なからず慌てたから 車内放送を何度もかけたのじゃないでしょうか?
今の世の中、電車でも優先席に平気で座っていて そういう優先席に座れるべき人達が座れずにいるのを、アタシは何度も見たことがある。 内心(お前、どけよ!)くらいの気持ちになるような人もいたりする。 具合が悪かったりして座っている方もいるとは思う。 だから、一概に全ての人に優先席を譲れとか思わないよ。 そのへんが「優先席」って難しいとも思うけれど。 (表示の仕方が明らかに様子が見える人っていう表示だから)
乗り物に限らず、どんな場面でも それこそ様子が見える相手なら 自分の中にある思いやり(そんなものないって言う人もいるでしょうが;)ってもの わけてもいいんじゃないかなぁ。減るもんじゃあるまいし。 そういう、ちっちゃな気持ちが 案外、人ってあったかい気持ちになれたりするんじゃないかなぁ。
声をかけるって、けっこう勇気いることかもしれない。 けれど、それが自己満足でも いいことできたって思えたりしたら 自分もあったかい気持ちになれたりすると思うんだよね。
誰かに優しくするって、一歩間違えば「おせっかい」にしかならないかもしれない。 そこが難しかったりするけど、でも…。 明らかに転んだり、困っていそうな人に声をかけるって難しく考えなくていいと思う。 難しく考えたら、動けない。
アタシは仕事柄、いろんな方と接するし、それこそ海外の方とも接することは多い。 英語ができないアタシだから、どうしよー!なんて言ったらいいのー!って事も 沢山ある。だからって、逃げたくない。 言葉なんか通じなくても国境を超えるって、よく聞くけど。 ほんとにそうだと思う。 身振り手振りでほんとに、どうにか伝わるものだって思うし 相手も「ありがとう」って、たどたどしい日本語で答えてくれたりするもの。 お年寄りでも、我侭な方も沢山いる。 逆に、こわそーな(こらっ)方が、丁寧に「ありがとう」って言ってくれたりもする。 いろんな人間がいる。
母は言った。 「何十年生きてきて、初めて世の中に恐怖を心底感じた」
アタシ、バカだけどさ。 ほんと、聞いたとき涙でそうになった。 母だけに関して言えば、大きな怪我がなくて良かったと思った。
バカはバカなりに、英語もできるようになりたいって毎日思ってる。 人に自分にできることはしたいって思ってる。 ちょっとした些細な気持ちが、誰かに繋がって その先の誰かにまた伝わって…そんなふうになれたらいいと思って、ここに書いたりしてる。 だってほら。
母が話す→アタシが感じる→ここを誰かが読むかもしれない=繋がっていく。
世の中のためになるとか大それた事は思っていないけど そうやってアタシにできる事は、発信していきたい。
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