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2009年11月03日(火) プチ連載「一護とルキアの立場が逆だったなら/出逢い編(仮)」その10(終)

悪夢のような騒動が終わって、佇む私に話しかけてきたのは少年だった。

「で、お前は何者だ?」

「そう言う貴様の方が先に名乗るべきではないのか?」

ぐっと押し黙った少年の顔色は街頭の明かりのせいか悪く見える。
至る所に付いた傷は深いようには見えないが、よほど疲れているのだろうか。

「俺は、黒崎一護だ」

少年はそう呟くように言った。

「信じねぇかもしれねーけど、死神なんだ」

「ふむ、そうか」

「・・・はぁ??」

一世一代の告白のようなものをたいして興味もなさそうに流したのが気に入らなかったのか、死神の一護はこちらに詰め寄ってきた。

「死神だぞ!?普通人間ならもっと驚くだろ、そういうの!」

「別に。霊だろうがなんだろうが、昔から見えてるものだからな。もう興味なぞ失せた」

「こちとらお前には興味大有りだっつーの!なんだよ、人間で死神が見えるって!!聞いたことないぞ!!」

「私が知るか!そんなこと!!家に帰って勉強し直せ!!」

(・・・勉強?)

自分で発した言葉に愕然とした。
こんなことになる前、私は一体何をしていた?

(!!)

思い出してしまった。この騒ぎで宿題の山がほとんど片付いていないことを。

「しまったぁぁー!!」

「っていうか俺の質問・・・!!」

頭を抱えながら一目散に家に入る私に、一護が何かを言っていたのが聞こえたが、構っている余裕はなかった。


極普通の高校生、朽木ルキアとオレンジ頭の死神は、そんな形で出会ったのだった


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