Diary 有加利 【
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- 2010年07月20日(火) こっそりと+α
スタイルシートとかいじってみました。
FC2へのリンク表示がFirefoxとSafariだと
中途半端な位置になっていたのだけど、
ようやく原因が解ってIEやOperaと同じ位置に。
時間はかかったけれど良かった。
これでfoxとかで見られても安心なサイトになりました。
個人的に気になっていたので本当にすっきりしたー^^
以下、思いつきで書いたリョ桜風味SS。
朋香の一人語り&オリキャラ(♂/名無し+♀/名有り)
出ますので、気になる方はご注意を。
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「小坂田さん」
自分を呼ぶ聞き慣れない声に、校門へと向いていた足を無理やり止めて振り向く。
その視線の先に意外な人物の姿を見止めて私は目を丸くした。
が、こちらが驚きを口にする間もなく。
「ちょっと、いい?」
先に声を発した彼に促され、私は帰宅後の予定をざっと考えてからあえなく首肯した。
この後起こるだろうことを予感しながら。
およそ人目のつかない校舎裏まで来ると、彼は足を止めた。
それに倣い私も彼から一定の距離を取った位置で止まる。
彼はクラスメイトの一人だった。
真面目で大人しそうで、だけど誰からも好かれそうな印象の男子。
私から見た彼はそんな至って普通の人だった。
(あーあ、繭落ち込むだろうな・・・)
先日彼のことを嬉々として話していた友人の姿が浮かんで、内心深く溜息をつく。
頭を悩ます事柄ではあるけれどとりあえずそのことは頭の隅に追いやって、私は未だ話の口火が切れそうにない眼前のクラスメイトを見やった。
「用事って何?」
某氏を思わせるような素っ気無い口振りになったことに苦笑する。
けれど、目の前のクラスメイトは気にも留めてなかったらしい。
多少逡巡するように口を開いた。
「小坂田さん、竜崎さんと仲良いよね?」
案の定、というかまったく予想通りの展開に嘆息しそうになりつつもぐっと耐えた。
「これ・・・竜崎さんに渡してもらえないかな?」
そう言って彼が学ランのポケットからごそごそと取り出してきたのは、小奇麗な封筒だった。
(眩暈がする・・・)
封筒の中身に察しがついてどんどんテンションが下がっていく私のことは相変わらず見えていないのか、クラスメイトは封筒をずいと差し出してくる。
(もう、なんなのよ)
今月呼び出しだけで8件、そのうち同じ展開になるのが4件。
カウントするだけ馬鹿馬鹿しい。
でもそんなことでもしなきゃやっていられない。
こんな色々な意味で損な役回りなんて。
沸々と怒りが湧いてくる。
何に対して腹が立つかなんて言うまでも無い。
私はキッとクラスメートを睨みつけると一気に言い放った。
「こんなの受け取れるわけないじゃない!告りたかったら自分で桜乃のとこに行きなさいよ!」
そして怯む彼の手を封筒ごと押しやって、そのまま廻れ右をする。
怒りにまかせて進む私の後方で彼が小さく呻くのが聞こえたけれど、今度は呼び止められることはなかった。
私の足は止まらない。
当初声をかけられた場所を過ぎ、今度こそ校門へ向かう。
校門を抜け構内から離れてもまだ怒りは収まらなかった。
「大体リョーマ様が悪いのよ!」
一人毒づく。
その場に居合わせた同じく下校途中の生徒数人が突如話し始めた私を奇妙な目で見てたけれど、視線は気にならなかった。
「リョーマ様がちゃんと桜乃と付き合ってるって公言してアメリカ行ってたらこんなことにならなかったのに!!」
海の向こうで変わらずテニスに打ち込んでるであろう王子様の姿を思い浮かべて、めいっぱい悪態をついて。
少しだけ軽くなった心で脱力感に塗れた体を叱咤すると、私は弟達の待つ家へと足を早めた。