わたしの棲み家の周辺には、桜の樹が500本近くあって、毎年それはそれはキレイに咲く。 誰に教えられたわけでもなく、また今年もとってもキレイ。
わたしは生まれた時からずっとこの場所に棲んでいて、当時はまだ幼かった桜の樹たちと一緒に育ってきたから 何だか「きょうだい」のような気持ちがするの。
ちょうど8分咲きになったので、chimomoと一緒に散歩がてら桜を見てきた。 薄桃色のアーチを通るのが、子供の頃からの楽しみなの。 よくこのアーチの下で、友達と遊んだっけ。 もうみんな、この町を出ていってしまったけど…。 chimomoもこの桜たちが咲くのを楽しみにしてくれているのが、一番ウレシイ。
ちょうど家の前にも桜の樹があって、家に居ながらお花見ができちゃう。 特に夜桜は最高。
妖艶な夜の桜に魅せられながら呑むお酒は、また格別なお味。 「遙かなる時空の中で」(漫画の方ね)のお話に出てくる「墨染めの桜」を思い出しちゃう。
ヒトはどうして桜の樹の下で、うかれ騒ぐのだろう。 上野公園のお花見、なんかね、最悪。 桜なんてそっちのけ。 アルコールの一気呑みとかしちゃって、どんちゃん騒ぎ。 大音量でカラオケしてる集団も。 楽しく過ごすのは良いけれど、なんだかなぁ…。
ウチの周辺は古くから住んでいる人しか知らない場所だから、あまりトラブルは無いけれど ここ最近、高層マンションとか建って、ちょっと見慣れない人が増えた。 ゴミは持って帰ってほしいなぁ…。
精一杯咲いて、短い間に散ってしまう桜。 誰かのために咲くんじゃなくて、誰かに認めてほしくて咲くんでもなくて。 ただひらすらに、命のある限りに咲く。 その姿に魅せられるんじゃないかなって思う。
この美しい桜を見ながらお酒を呑むなら、ひそやかに、ゆったりとが良い。 盃に花弁を浮かべて、風流というものを楽しむのが最高の贅沢だと思う。
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