還暦を過ぎた。
白髪が目立ち しわが増え シミだらけの顔 だらけた肉体 脳の退化は明らかだ。
だが それでも 私の人生は まだ続いている。
平凡だけど 幸せな時間を過ごしてきた。
さらさらと手からこぼれる砂のように思い出が流れ落ちていく。 思い出を記憶にとどめたくて 何度も何度も すくいあげるけど なにも思い出せなくなっていた。
わたしは幸せだった。 幸せな時間を過ごしてきた。
それなのに なにが欲しいの? どうなりたいの?
どこで どうなったとしても 寂しい心は埋まらない。
愛したい。
愛されたい。
埋まらない心 1ピースを探し続けて夜が更ける
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