久しぶりに、フィルハーモニーに行ってきました。 サン・サーンスのピアノ協奏曲。演奏は、ファジル・サイ。 クラシック奏者、というよりはエンターテイナーの感が強い彼。 決して好きにはなれないけれど、パフォーマンス的なものは、それなりに一流と言えるのだろうな。多分、日本とかだと受けるんだろうなぁ。 まるで、彼のオモチャ箱をひっくり返したような演奏会でございました。
で、後半は、お隣りの室内楽のホールに忍び込み、違うコンサートを聴いてきました。 ベルリンフィルのアカデミー生による、室内楽。 ショスタコのクインテット。 若い、日本人の男の子が、バイオリンで新しく9月から入っていまして、彼の演奏をはじめて聴いたのですが、なかなか新鮮で緊張感があって面白かった。 プロの演奏もいいけど、若者の演奏は刺激になって非常にいい。
演奏会日記はまた改めて。
しかし、月日は流れるものよねぇ。 ついこの間まで、ベルリンフィルにいる日本人といえば、パッと数人の顔が浮かんだもんだけど、そのメンバーも入れ替わっちゃって。 若くて才能のある音楽家たちが、ベルリンへどんどん雪崩れ込んできておりますわ。 私も、もう、古株の一人なのね。
世代交代。 ・・・ズシンとくるわ、この言葉・・。
私は、家計簿というモノはつけていない。 なんとなく、今月はこれぐらい使ったかな、という、大まか計算である。
本来、計画性なくお金を使う性質ではないので、外食が続いたり、ちょっと大きな買い物をしたりすると、どうしても罪悪感がわいてくる。 ということで、あまり「無駄遣い」をする方ではなく、意外と絞まり屋だと、自分では思っていた。
で、今日、思い立って、自分が年間いくらお金を使っているのか、調べてみた。 銀行の引き落とし記録、2002年1月からの3年間分。
ああ、お母さん。 私は間違ってました・・・(笑)。
天からお金が降ってくるわけではないのに、自分で稼いだ事がないもんだから、どこかで甘かったんですね。 自分で思っていた以上に、ワタクシ、お金がかかっておりますようです。 そりゃそうだ、バイトも何もせず、親におんぶに抱っこですからね・・。
物価の安いベルリンとはいえ。 月に何度かコンサートに行き、「ささや」でもよく食べ(おごってもらう事が多いのだが)、年に一度は、近くの国へ旅行に行く。 コンクールや講習会のため、長期間、他の国に滞在したりもしてきた。 一時期は、ベルリンとライプツィヒに、二つ寝場所を抱えていた時期もあったのだ。 年に2回、ヘタすると3,4回は、日本に帰国している。 それなりに、いや、かなり、充分に贅沢な3年間である。
もちろん、大学時代に比べれば、節約してます。 服も買わない、飲み会も少ない、家賃も安い、交通費も安い、コンビニがないので自炊だし、ヘタにお金は飛んでは行きません。
それで、年間、この値段。(ここに書くべきか書かざるべきか、ちょっと悩んでいるのだが) これを、安いと見るか、高いと見るか。
多分、日本の感覚で見れば、かなり安いのだろうと思う。 こうやって書き連ねてみると、私も相当贅沢してきていると思うので、冷静に考えると、この程度で済んでよかったとも言えると思う。 ただ、私の想像よりは高かったので、驚いているのだ。
もし、東京で同じようなレベルの生活をしようと思ったら、多分この2倍はかかるだろう。 帰国後、本気で東京に出たいのならば、かなりの覚悟が必要だ。
は〜、皆どうやって生活してんだろ。一人生活するのに年間これだけかかるなんてね。私も、年収一千万とかになるといいなぁ。←無理。 これで結婚とかして子供でも2,3人出来た日にゃ、大変だべ。 ま、相方様に稼いでもらうしかないですけど。
いやー、すいません、もう安易に「東京に住みたい」などと言いません。 しばらくは、富山の実家で堅実に仕事を始めるしかないようです、仕事のコネのない東京でヤバイ橋は渡れないわ、やっぱり。 もう、親のスネも、細くなってるだろうしなぁ・・・(笑)。 ま、というよりも、実際問題、もう親には充分出してもらっただろうと、思ってしまったわけです。大学8年やってるようなもんだからな。私立じゃないだけよかったけど。
うーん、お金お金。・・・とばかり言う人間にはなりたくはないのだが。 独立するって、大変ね。
2005年01月24日(月) |
26歳乙女(?)の悩み |
すっかり雪景色のベルリン。 寒いわけです。
雪国育ちの私としては、ちょっと雪が降ったからといって、キャーキャー言っちゃいられねぇ、といった感じなのですが、やっぱりチラチラ降ってくる結晶たちに、なんとなくセンチメンタルな気分になったりもするわけで。 吸い込まれそうな空を見上げながら、冷たい冴えた空気を感じるのも、冬の楽しみの一つでしょうか。
そんなわけで、今日も家でピアノを弾いているうちに一日が過ぎてしまいました。 昨日、友人とも言っていたんだけど、朝起きて、ご飯作って食べてちょっと練習して、ちょっと休んで、って繰り返してたら、あっという間にそれだけで一日って終わっちゃうんだよなぁ。贅沢な話だ。
日本で、演奏会を終えたばかりの友人と電話。 演奏会後でテンションが高めの彼と話しているうちに、おのれの無力さを実感してしまった。 どれだけ頑張って練習していても、どれだけ努力していても、今の私は、親のスネをかじっているだけの、ただのピアノが弾ける女であって、一銭もこの身で稼いではいないわけだ。今のところは、まったく、世間様のお役に立っていない、非生産的な人間なわけだ。 どれだけ、いわゆる「手に職がある」状態でも、それをうまく生かせなければ、職も何もないわけであって。 まーったく、役立たずなわけですよ、今の私は。 そんな状態に甘んじている自分が、どうにもならないだけに、なんだか悔しい。 今は勉強の時期なんだ、と言いきかせるけれど、人生いつまでも勉強なんだし、いったい、いつから私は音楽で食べていけるようになるのでしょうか。
努力すれば道は開ける、というけれど、本当かしらね。
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