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■ 親愛なる友よ。
彼女の親友に「この子の夢の妨げにあなたはなるから、目の前から消えて欲しい」と言われた。 すごく優しい子だと聞いていた。 だが、彼女のことになると周りが見えなくなるようで、モニター越しにその決意を感じさせた。 「実力行使も辞さない」 ……本気だなと思った。 歪んだ友情に感じられた。 歪んだ愛情に感じられた。 一方的に私は言われて、会話は打ち切られてしまった。
なにが彼女のために幸せなのか。
考えた。 間違っていることも分かっていた。 でも、夢が叶った後なら…誰にも文句が言われないのかと考えて、彼女に言った。
俺のこと、忘れないで欲しい。 ずっと待ってるから。 諦めるんじゃなくて、待ってることにした。 君の夢が叶うまで待つことにした。 もし夢が叶ったとき、まだ俺のこと覚えていてくれたら連絡ください。
いきなりこんなことを言えば相手も不審がる。 出来れば彼女の友達とのやり取りは知られたくはなかった。 もしも自分が彼女の立場であれば、その行為は傷つく。 だが、それは無理な話だった。 話は当然のようにそのことを語らなければならなくなった。 「私がいつそう頼んだの?」 それはそうだ…誰も頼んでいないだろう。 私は謝るしかなかった。 だって、私も彼女の友達も彼女の気持ちを無視して、彼女のためだと言う偽善心で話をしていたのだ。 ……浅はかだ。
親愛なる友よ。 君たちは私に直接意見してくれる。 例え、私にどう思われようとも、決して曲げない信念で私に接してくれる。 双方が傷つくことを恐れない、そういった絆を持っていられる。 偽善のない、友情だ。 間違っていると思えば、直接意見し、私の気持ちを確かめ、何が正しいのかを懸命に模索してくれる。
今、私の中でまた恋が変化し始めた。 あの冬のように恋から…慈愛のようなものになってきている。 やっぱり恋は向いてないようだ。 慈愛というのはおかしいかもな。 俺も彼女に救われている部分が多いし。 親愛なる友よ、俺は彼女の友になれるだろうか? 彼女が望み、それが正しいと思えば手伝い、間違っていると思えば意見できる、そんな存在になれるだろうか? なれたらどれだけ幸せだろう。
2004年05月29日(土)
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