するめ烏賊の空
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学校は正確には今日から春休み。昨日は学校は半日だけであった。 学校に行くのはあと1ヶ月ほどで、5月の下旬には私の高校生時代は終わりだ。 と書いてはみるものの、実感は切にはやって来ない。私の周りにシールドでも張り巡らされてでもいるのだろうか。鈍感というより、無意識に避けてるのか。それでもやってるのは結局自分なのであるが。
とりあえず、人生の一区切りである。自分は如何やら飽きっぽい性格らしいので、なんだか今の最終話あたりの状況は実に退屈である。退屈のわりにはやる事が鬼のように迫るので、退屈という言葉は正しくはない。 一つは政治のクラスと英語のクラスのリサーチペーパー。本来異なるクラスの別々の課題なのだが、両方ともテーマが比較的自由だったので、まとめて1つのペーパーを書き同じのを其々出すとことに決定。効率的で素適だ。などと自己満足。
2つ目はミュージカル。本番は4月の19〜21日の3日間公演。セリフも1言で、100%純度の脇役だが、それでもダンス、歌、脇役としての演技と細かい練習は毎日ある。ダンスは何故か、男子に抱きかかえられてポーズという振り付けがある。流石に気がひけてダイエットの現在である。しかし今日大量に食べたのは如何してだろう?
3つ目は出願の為の、統一試験である。帰国子女受験に関して大学側は、一般の入試と異なる問題を製作する労力を惜しむらしく、現地の統一試験を基準に合否を決める所がだいたいである。と云う訳で、人生が決まるテストなのだが、日本の受験生とは違いまわりのアメリカ人は受験勉強なんてする必要が無い訳で、自然と他人を見て切羽詰るという具合状態にはなりにくい。てのは自分に対しての言い訳。此の先どんな風に自分を騙して生きて行くのかが不安。自己防衛だとしても、なんだか厭だ。
それでも、2年間の海外生活で大分上っ面は消えたと思う。小中学生だった頃の私は、驚くほど自然に仮面を被っていたようだ。アメリカへの転校がキイになった(たぶん)のなら、此の灰色の高校生生活も悪くはない。
今日は学校を1日分を丸々使って、“異文化会議”へ行ってきた。私の学区の5つの高校からそれぞれ代表者約30人が集まり、9月11日以降アメリカで盛んに討論されはじめた肌の色・宗教・人種などについて意見を交わした。また地元の新聞・ラジオ・テレビのメディアや、企業からもゲストを招いて、彼等と問題との関わりのはなしを聞いた。
私の通う高校は、多様な人種・白人黒人インド人にイスラム系の人そしてアジア人とがいる。周りを見渡せば、ほとんど同じ人種しかいないという国から着た私は、其の人種構成の違いに、移民の国の懐のでっかさを感じた。私の高校には、人種差別というのは存在しない。多分心で思っている人もいると思うが、表面上には見えなくて、私も日本人だから如何とかと云う目にはあったことがない。其れが当たり前だと思った。アメリカで暮らすうちに、人種差別意識は地区によってはいまだに存在し、更にクラスメートの爺さん婆さん世代にはしっかりとこびり付いていると云うことを知った。私はそんな人種差別意識なんか糞食らえと言える。此の2年弱の高校生活で、白人だって黒人だってなんだって、頭好い人はいるし、面白い人はいるし、性格腐ってる奴はいると云うことを知ったから。宗教の違い、肌の違いは単なる表面上の記号であり、其れ自身は確かに明らかな違いではあるけど本人自身を象徴するもんじゃないってことを知ったから。 でももし私が日本に住んでいたら如何であっただろうか。例えばテロ後、イスラムの人を異様に怖がったりしなかっただろうか。もしも論なんて如何かと思うが、狭くてぬるい世界で小さな知識しか持ってなかった私はきっと差別をしてた。 ある種の人々を定型化することは行為はとても恐ろしいと思う。知らないから誤解は起こる。まずは話してみること。そうしなければきっとなにも変わらないんだ。
今日の会議で討論する時間が沢山あった。皆がそれぞれ違う人種、宗教の立場から意見を述べていくなかで、私もすんごく意見を言いたかった。でも結局手を言わず終い。英語が不味いというのが大きいのだが、それにしても臆病である。情けなくて凹む。
ときに女子フィギュアスケート。ミシェル クワンに涙がホロり。
振りかえれば非生産的な冬休みの1週間。 進歩ねえ。
今日もミュージカルの練習。主役の女が高慢ちきな女で、1週間前から始まってるリハーサルに来やしなかったのだが、今日ようやく御到着。其の歌唱力は飛び抜けて上手いわけでも下手なわけでもない。明らかな練習不足で、歌詞をつっかえまくり。其れを聞いた私のコーラスグループ女総長(勝手に命名 脇役)は、其の部分を友達に聞かせるふりをしつつ歌う。瞬間、二人の女の視線と意地がぶつかりあい、火花が散った。人間臭さがスキ。 暑い(一部)練習後、事が重なり学校に1時間近く待ってなければならなかったのだが、癪なので家まで歩いてみた。学校から家まで約4.8キロ弱。1時間歩きっぱなし。更に履いていたのが、凶器のように重たい靴で、最後の方はよろめきながらお家へ帰った。
日増しに日照時間が長くなるのが感じられる。朝は、学校へ真っ暗闇のなかを行っていたんですが、今日見た空の色は重々しい青色。路傍の雪ももう微かで、町全体に色が戻ってきてる。でも、やはり風は冷たいのだ。
ひっそりと、大塚日記でのログを移しました。 読み返してみると、其の時の切実な感情がよみがえってきて なんともこそばゆい。今でもそうだけど、あの頃はとにかく必死に毎日を過ごしてました。
ミュージカルの練習が着々と進んでいます。一回目の稽古の時は台本がまだ全員分刷り上っておらず、役名・“其の他大勢”の私はもらいませんでした。なもんで今何やってんの状態でありつつも、いわれるまま「なんてかっこいいのっ!」とか言ってたわけです。後ろの方で。そして漸く台本をもらい、内容を把握しやした。自分では、西部劇だと思っていたんですが、正解は「船上で繰り広げられる新聞記者と令嬢のどたばたロマンちっくラブコメディー」。激しく勘違い。
稽古風景見てて、台詞のあと急に歌い出すのはしかし笑っちまうね。何て、ミュージカルの根本を覆すこと思ってみたり、歌のかなり高音部分を、あたかも首しめられている様に歌ってみたり、頑張ってます。しかし、テンポの早い曲でどうしても口が回らなかった時は、自分の不甲斐無さで悲しくなった。
今日から冬休み。といっても無駄に長い夏休みの為1週間だけど。 勉強モリモリやるぞい。
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