ふうこの英国留学日記-その後

2003年12月11日(木) 木蓮の涙


今日夜道を一人で歩いていたら歌いたくなってふとこの曲を口ずさんだ。

昔TVで聞いて、知らないバンドだったのだがあまりに曲が良かったので覚えようとしてなんとなく覚えてしまった歌だ。

今、ネットで歌詞を検索したらスターダストレビューの「木蓮の涙」という曲だということがわかった。もう何年も忘れていたのに、自分で歌っているうちにこの曲を初めて聞いたときの胸がしめつけられるようなせつなさが甦ってきた。

私は木蓮の花がとても好きだ。だからこの曲の「木連の花」を見ると死んでしまった愛する人を思い出し、あなたが来たがっていた丘に一人で登るというのがなんだか他人事に思えない。
人と別れるたび、悲しい思い出は増えていく。
行きたかった場所にもう一緒には行けない。

「いつまでもいつまでそばにいると言ってた。あなたは嘘つきだね。私を置き去りに。」

誰も私にいつまでもそばにいるとは言ってくれなかった。嘘つきはいなかった。嘘つきは嫌い。守れそうもない約束なんてしないほうがいい。
でも、一緒にまた来ようねと言った場所があった。木蓮の花を一緒に見た。
季節がめぐって、私の時間もめぐってこうして今も私は一人だ。

朝の通勤列車にもまれながらイヤホンで聞いているのはバグダッドカフェのテーマ曲、「Calling you」。10代の時につきあっていた男の子からもらたCD。
“OH, I'm calling you. Can you hear me? Oh, I'm calling you."
と美しく落ち着いた声が耳に残る。

私もこの歌のようにあなたを呼んでいる。強く、強く。きっと声にはならないけど、その思いは確実にある。私はあなたを呼んでいる。届きますように。きっと無意識のどこかであなたは気づいている。呼ばれていること。求められていること。でも、気づかないふりをしつづけるかもしれない。
気づきたくなければ、それは無いも等しくなってしまう。
でも、私は信じてる。私が呼んでいるあなたに会える日がくることを。






2003年12月10日(水) 風邪っぴき


えらそうなことを書いておいて風邪をひいてしまいました。
やはり睡眠不足がたたったようです。土曜日徹夜のあとは3-4時間しか寝なかったから。。。
月曜日は帰りの電車で吐き気がして、晩御飯も食べられなかった。
火曜日栄養ドリンクとコーヒーを流し込み頭痛に耐えながらも
どうにか一日仕事を終える。昨日よりはましな気分。
夜、楽しみにしてたドラマハコイリムスメ!の最終回を観る。
努力して英語ができるようになってアメリカ人と結婚という落ちにびっくり。国際結婚について考えるが、私はやはり日本で年をとっていきたいなと思う。
昨日作って食べられなかった水菜のサラダとおでんを食べる。
水曜日。。。まだ体調はイマイチ。
昼休みNYで大学を卒業した職場の同僚に国際結婚の話題になったら、
どんなにハンサムな人にプロポーズされても東京より寒いところには
住みたくない!と寒がりな彼女は言っていて笑えた。
夜はお風呂にゆっくり入って体を温める。
今週はどうにか無事に乗り切るだけで精一杯な感じ。



2003年12月06日(土) ルームメイト(女)の誕生日パーティー


この土曜の夜、我が家でルームメイトFの誕生日会を開きました。
22歳から33歳までのイギリス人3人、NZ人3人、日本人8人の計14人の人が遊びに来て、もう大変な騒ぎに。

楽しかったんだけど、すごーく疲れたよ。
やはりパーティーは主催するより参加するほうが楽ね。
でも、みんな楽しかったと言ってくれたし、F本人も
ありがとう!!と喜んでくれていたので良かった。

しかしいろいろとこのパーティの余波で問題が生じたり。。。
大人になるということは、難しいことです。
自分の時間と他人の時間。独身30代女の資源(時間・お金・体力)
は限られているので、シビアにならざる得ないところが。
大人であるっていうのはいろいろな問題から逃げられなくなる
ってことなのかも知れない。

もう、しばらく飲み会はお休み。。。
といってもそんなに飲んでいるわけではない。
このパーテーまで私はうちにワインオープナーがないことにも
気がつかなかったので、一ヶ月間自宅で一切のアルコールを飲んでいないのよね。
体調を整えて勉強と仕事に専念するためにはタバコ・アルコール摂取はは私には効率悪い。一週間の間の一番の楽しみは土曜日の体操教室だし。。。
アフター5はデータベースソフトと翻訳の勉強。。
仕事や健康のことばかり考えてる人間ってつまらないかな?
データベースソフトの勉強は私を疲れさせるけど、
人間って体って本当に面白くって、食べ物や体操でコントロールできる方法をしっておくと、目からウロコだよ。






2003年12月04日(木) マンハッタン・ラブストーリーと壬生菜と揚げの煮付け

うーん、そんなに仕事はきつくはないんだけど1日7時間以上画面に向かって
いるということで目が疲れてしまう。
それに翻訳してると頭も使うので頭皮が凝る凝る!

今日は野菜を食べなくてはということで寄り道せずにまっすぐ帰って
家のそばのスーパーで壬生菜と手揚げの揚げを買って和食の晩御飯を作る。

毎日外食ばかりだと野菜不足になるわーね。

ということでいただきまーす。とあつあつのふわふわに煮た揚げとしっとりした壬生菜を食べておまちかね、マンハッタン・ラブストーリーを見る。

しのぶ君のキャラ最高。キョンキョンに共感。
スラムダンク読んでたおじさんがお母さんというのネタに一人で爆笑。クドカンあなたはすごいです。おじさんがお母さんという不条理を思いつきだけじゃなくて本当にやってしまうところにホレボレ!

最終回まであと少し、どうなるのかまだまだ目が離せないこのドラマ、なんで視聴率が上がらないのかしら?

ドラマでいい気分になったところで、それではおやすみなさい。



2003年11月30日(日) アニー・ホール 青い鳥はそばにいる?

ウッディ・アレンの「アニー・ホール」を久々に観た。

彼がいう、「私は私を会員にするようなクラブには入りたくない」
そして、女性に対しても同じように思っていると。
つまり、自分を恋人にするような女性の恋人にはなりたくない。。。ということ。

自己懐疑が強いと自分を好きになるような人物の恋人にはなりたくないと思ってしまうことはありえる。

恋の始まりは、あくまで相手は外部的存在であるから問題はないのだが、付き合いが続き、一緒に暮らしたり、日常的に一緒にいる時間が増えて、相手との距離が近くなると一体化して考えてしまいやすくなり、自己懐疑が相手へも及ぶ。相手から愛されるほど、自分のような人間を崇拝または賞賛する相手をたいしたことのない人間だと思ってしまう。

自己否定が自分と一緒にいる相手への否定へとつながってしまう。
まさに、「私は私を会員にするようなクラブには入りたくない」

自分と関係を結べる相手だからこそ、愛し愛されることができるということを忘れてしまう。いや、わかっていても、そこには内的葛藤がうまれる。

そして、人は失ってしまってから気づく。
相手がいかに自分にとって近しく、重要な存在であったか。
「自分を会員にしたいクラブなどそう多くはない」
または、「自分が会員になりたいと思うクラブはそう多くはない」
ということに気がつくのだ。

人はいつも無いものねだり。隣の芝生は青く見えることが多い。
でも、自分の持っているものの価値を客観的に再認識することは重要だ。
いくら愛し合っても相手は自分とは別の個の存在であり、その価値は
自分によって左右されるものではない。
自分との関係とは別に相手を客観的に見て、尊重することができたら
いいと思う。

自分が手にしているものの価値に気づくこと。
それが自分を幸福にする鍵かもしれない。



2003年11月25日(火) うぬぼれないで−を英語で言うと



同居人Fがヴィデオを借りてきたので一緒に見た。
ケビン・スペイシー主演の「アメリカン・ビューティー」だ。

この映画以前にも観たのだが、二度目でもさらに感動してしまった。
今回は娘と隣の家の息子の恋愛に注目してみた。
この二人の恋がいかにも10代っぽく胸が痛くなった。

この映画で使われている便利な動詞 flatter を紹介しよう。

不動産業界で働いてる母親は、地元の不動産キングとパーティで
話をする。

「お世辞じゃなく、私とあなたを比べたら月とすっぽんよ。」
ここで使われるのが I don't flatter you but.....というフレーズだ。

flatterはお世辞を言う、おもねるという意味のほかに onselfと一緒に使ってうぬぼれるという意味がある。たとえば、男友達との会話などでこんな風に使うことができる。

I know you fancy me.(俺のこといいとおもってるんだろ?)
No, don't flatter yourself.(まさか、うぬぼれないで)

fancyは、口語で、気に入ってる、いいと思ってるという意味。
ちなみに私の友達は、イギリス人の男友達に I fancy you! と告白されてえっ、fancyってと辞書を引いて、え、彼は私に惚れてたの?!
とびっくりしてました。



2003年11月24日(月) 素敵な形容詞


ネイティブの会話の中によく出てくる私が好きな英語の形容詞について書いてみたいと思う。とくに、人を褒める時の言葉、これは知ってると便利というか、great とか Good とか以外の褒め言葉を知ってないと、結構会話に
行き詰ってしまう気がします。

まずは、terrific これは口語表現で、すごい!という意味。
悪くも良くも使えます。

Your idea is terrific! (すごいアイデアだよ!)
Thank you for inviting me! This party is terrific!
(招待してくれてありがとう。素敵なパーティーね)

次は fabulous これはもともと伝説上の。。。といった意味で
口語的には良い意味ですばらしいという時に使います。
たとえばドレスアップした相手に対してよく耳にするのが

You look fabulous! (すごく素敵よ!)
同じように使える言葉として You look gorgeous!があります。
fabulousもgorgeousも料理やファッション、インテリアを褒める
時に良く使われる形容詞です。

Fabulousと似た意味で、もう少し堅い言葉としてLegendaryがあります。
これは文字通りLegend(伝説)の形容詞で「伝説的」なという意味。
これは書き言葉で、人物紹介の記事などで、He is a legendary desiner in NY. (彼はNYでは伝説的に残るデザイナーだ。)といった感じに使います。

ホームパーティに招かれたら、まずYour house is terrific! と家を褒め
まあ、素敵とホストに一言、Wow,You look gorgeous!
おいしい? と聞かれたら、This food is fabulous! 
こんな感じで素敵!という気持ちを表してはいかが?

たんなるお世辞に聞こえるも聞こえないも褒め言葉は言い方しだいだと
思います。





2003年11月21日(金) 働く私


とりあえず、当面の職が今日決まりました。
先週は年内いっぱいは決まらないかもと思っていたんだけど、やっぱりお金のこともあるし、とりあえず贅沢は言わないで働きはじめよう!!と思っていろいろ動いたらあっさり決まってしまった。なぜか今回はいける!と思ったらやっぱりいけるんだなあと。。お見合いみたいなものですね。
半年はそこでがんばりたいと思うけど、どうなるかはわからない。。。

とりあえず12月1日から出社なのでドキドキです。。。

夜は同居人のFといろいろ仕事のことなどを語り合う。自分の英語力のなさに
愕然と気づく。うーん、難しいな。

彼女にいろいろスラングを教わったのだけれど中でもお気に入りは

Kiss my ass と bite me

誰かにものすごく侮辱されたりしたら 普通に(?)Fuck offというのでは
なく、こう言ってみましょう。Fいわく、言われた相手は黙るそうですので。



2003年11月20日(木) 本当に愛してるって言えますか?


世の中にいっぱいカップルがいるけど、お互いに心から愛してるってはっきり言える人たちってどれくらいいるんだろう。

私は誰か好きになったら大好き!!とは言えるけど、心の底から愛してるか?って真剣に聞かれたら、すごく戸惑うと思う。愛してるなんて簡単に言えない。口に出せない。
だからその言葉には価値があるんだと思う。

私のこと愛してる?って聞くことは鬼門だ。
だって、愛するってどういうことなのか。。。それすらわからないというのに。
でも、誰かの気持ちを確かめたくなっていてもたってもいられないとき、人はこの質問をしてしまう。そこまで追い詰められている時点で、傷つかないでいられる回答など得られそうにもないとわかっているのに。

愛してるかどうか?なんて言葉で確認しあわなくても一緒にいられるのが幸せだということなのかも知れない。






2003年11月17日(月) トランプゲーム


ここ数日翻訳会社のトライアルに提出する訳文をを作っていた。
そして昨日の日曜日、ほぼ訳し終えほっと一息ついたところにアメリカから電話が。。。同じ寮に住んでいたMinhからだった。今朝やっと修士号にパスしたとの連絡をもらったらしい。彼は一科目単位を落としていて、修士がとれるかどうかは修士論文の出来と全体の成績次第だと言われていてかなり心配していたのだが、無事にパスしたとの郵便が今日ようやく届いてほっとしたらしい。
あとは、親戚のコネで就職も決まりもう先週から働き始めたということ。彼のお兄さんも同じ会社で働いているそうで、毎朝実家から一緒に車で通勤しているらしい。衛星データ通信の会社で業績は伸びているらしい。

彼と国際電話で話していたら、とても懐かしくなった。そして、もうたぶん会わないんだろうなと思ったら胸がクーと締め付けられた。イギリスでいろんな人に会ったけど彼らの大半にはもう二度と会うこともないのだと思うとたまらない。
電話を切ったあと、1人で泣いてしまった。

涙を拭いて居間に行くと、一緒に暮らしてるニュージーランド人のFが友達と話していた。友達を呼ぶとは聞いていたのだが、泣いたあとだったのでなんだか恥ずかしくって、おやつを買ってくるね。と近所のスーパーに出かけた。
帰ってきて、挨拶と自己紹介をした。彼はDといい、Fと同じくニュージーランド人の英語の教師である。彼らは「500」というトランプゲームをしていて、私を誘ってくれた。私はそのゲームを知らなかったので、最初はルールを知るためにテストゲームをすることに。2ラウンドのテストゲームのあと、ゲームを始めた。ワンラウンドごとに点数が計算され、最初に500点に達した人が勝ちだ。
まったく初めてのゲームだったが、ルールがわかり始めるとなかなか面白く、私は勝つために相手のもち札を計算して予測し、どのカードを切るか集中した。
私は順調にスコアを伸ばし、後半トップになった。こういうゲームは脳みその普段は使わない部分を使っている感じでいい頭の訓練になるなと思った。
でも、終わったあとどっと疲れた。ポーカーやボーリングをやっているときもそうなのだが、私は集中できる間は結構勝てるのだが、体力・気力が続かないのだ。ゲームがながくなるととたんに弱くなる。なげやりになってしまう。
こういうことの一つ一つが性格を表しているんだなと思う。
翻訳をしていても思うのだが、集中力を持続すること。一つのことに根気よく取り組むことが私にとっては大きな課題だ。

まあ、とにかく、泣いてしまうほど留学時代を恋しがって落ち込んでいた私は
同居人とその友達とトランプをするということによってかなり救われ、楽しい時間を過ごすことができた。ありがたいことです。
ちなみに、そのDは礼儀正しくなかなかのハンサムで私も感じのいい青年だと思ったのだが、彼は日本に来てたった9ヶ月の間に3人の日本人女性にストーカーまがいのことをされ恐ろしい思いを味わい、日本人恐怖症になってしまったとのこと。
彼によると、大人になっても部屋にぬいぐるみをいくつも持っているような女性には要注意らしい。(彼の元彼女は部屋の押入れに何十個ものぬいぐるみを隠していたそうだ。)私はぬいぐるみを持っているかどうかなんて気にしたことはなかったし、この基準に大笑いしてしまったが、自分が大人になってからぬいぐるみを一つも持っていないことに気がついた。
人には他人を判断するための様々な基準があるものだ。面白い。


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