てっちゃんの近況 目次|pass|will
きのう家族でナンジャタウンに行った帰りの電車の中。静かにできないてっちゃん。彼が障害の為に静かにできないのだと説明して歩くわけにも行かず親としては針の筵の上。きつく叱ったところでパニックを起こされては事態は更に悪くなるし時々適当に叱って静かにさせるものの例によって英語のひとり言は続く。そこに少し離れた席の年配の男性が「静かにしろ」と怒鳴った。私はてっちゃんに「ほら、おじさんが怒っているよ謝らなきゃ」と言うと、てっちゃんは素直に「ごめんなさい」と言って少し声が小さくなる。この時点で私はその人に感謝すら感じたのだけれど・・・ 降り際にその人が近づいてきて「英語を教える前に人に迷惑をかけない事を教えなきゃダメだよ」と言って来た。私の中で一瞬に何かがはじけた「彼には障害があるんです!」と車内に響く大きな声で叫んでいた。「迷惑をかけたのは確かですけど彼はちゃんと謝ったはずです。何も知らないで思い上がった事言わないで下さい。」とまくし立てると私の右手がその人の頬を叩いていた。我慢できなかった。知らなかったというだけで簡単に踏みにじられたくない日常の葛藤が私達にはあるのだ。 でも暴走したのは反省。
てっちゃんは5月から英語教室に通っています。音楽教室と同じ所なんですが、体験教室のポスターを見て、どんなものか参加してみました。女の子が二人と、てっちゃんの三人でした。(体験教室は三人でしたが実際の教室が始まると二人きりになってしまいました。残念・・・)二人の女の子は初めての英語にすっかり戸惑った様子ででしたが、てっちゃんは伸び伸び生き生き(笑)先生の「What's your name?」という質問にも「I'm ○○.」と答えればいいところをてっちゃんは「My name is Tetsuya ○○(苗字)」といった具合です。プリントに名前を記入するのもローマ字表記ができますし、帰り際に先生に「Byebye Tetsuya」と声をかけられると「See you nexte time.」なんて返して先生もびっくりしていました。その様子で続けることは即決(笑) 実はこの日は音楽教室同様にリタリンを飲んでの参加だったのですが、ひょっとしして、この様子なら飲まなくても大丈夫ではないかと思い次の回からは飲まずに参加させてみました。思った通り、てっちゃんはちゃんと席について先生の言う事に集中できました。そして行き帰りの車の中はもちろん家にいる時でも、よく自分からテキストを取り出しては声に出して読んでいます。
てっちゃんも、おかげさまで無事2年生になりました。先週は2年生になって初めての授業参観がありました。 5時間目で薬のすっかり切れていたてっちゃんは私語、出歩きがひどく、初めて見た父兄はびっくりした事でしょう。もっとびっくりしたのは先生がそれを完全無視していた事かもしれません。しかし自我の目覚めたてちゃんを叱る事は彼のペースに乗ることなのでそれが最善の策なのです。この事は懇談の時、彼の障害の説明を含め私の方から他の父兄に説明させていただきました。できたらお母さん達からお子さんにこの事を伝えていただいて障害と言う言葉が難しければ病気でもかまわないので「てっちゃんは病気でみんなと同じ事が出来ない事があるから先生は注意しないけれど、みんなはちゃんと出来るんだし先生に注意されてもしかたないんだよ。ちゃんと出来る事は先生に注意されなくてもちゃんとしようね」と言うようなことを言って頂きたいといいました。そうしないと先生もやり辛いと思ったからです。「ご迷惑をおかけする事があるかもしれませんがよろしくお願いします」と締めくくり席につくと、後から自己紹介でたった去年同じクラスだっ父兄の人が「てっちゃんの事ですが去年の担任の先生はてっゃんがいてくれたおかげでクラスのみんなが優しくなれたとおっしゃっていたので、このクラスも、きっとそうなると思います」と言って下さいました。一番心配だった担任の先生もおっとりとした40代の女性の先生で、てっちゃんにはあっていそうです。 なにかと気をもむ進級ですが、周りの方の理解のもと、とりあえず順調に2年生がスタートしました。
出演時間に合わせてお薬を飲んでいたのですが久しぶりに乗った電車が嬉しくて興奮気味のてっちゃんは薬の効きがいまいち。待ち時間が長いと飽きて騒いでしまう事を心配して、てっちゃんだけは出演時間ぎりぎりに会場入りする事にしたのが裏目に出たか・・・と思ったのですが演奏はバッチリでした(^^)v 綺麗な照明にキョロキョロ落ち着きのないてっちゃんでしたが、ちゃんとみんなの演奏は聞いていて自分のパートになると、ちゃんと集中して演奏を始めます。そんな事を何回か繰り返して無事最後まで演奏を終えました。なおこ先生も、もちろんママも大喜び。2歳の時に初めて音楽教室に入った時に担任して頂いた先生もいらっしゃっていて一緒に喜んでくださいました。 プログラムの最後には先生と生徒全員で歌を歌ったのですが、みんな直立不動で歌う中、てっちゃんだけは思わずからだが動いてしまいます。歌詞の中に「両手をひろげて」とあれば手が上がってしまうし、「あなたも」とあれば舞台そでにいるママの方を見て指をさしてきました。歌い終わって照明が落ちはじめると客席に向かって「それではおわりです。さようなら〜またね〜」とご挨拶(笑) ちょっと慌てる先生とママ。でも、みんな笑顔です。よかった、よかった。 何が良かったって、てっちゃんが、とっても楽しんでくれた事です。その目がキラキラと輝いて全身でその喜びを表現してくれるてっちゃんをみているだけでママはとても幸せな気分でした。
「なんでハンガーにかけるの?」今朝、てっちゃんが私に言った言葉です。子育てをしていると「なんで〜なの?」「どうして〜なの?」という質問攻めにあう時期があります。しかし、てっちゃんの場合、発達のある段階にある「指差し」も、「あれは何?」と言う質問も、ましてや冒頭のような質問はついぞされた事がありませんでした。ところが今朝、はじめて洗濯物を干している私を見上げて「なんで」と言う質問をしてきたのです!
きょうは脳波の検査をしてきました。とりあえず、はっきりした「てんかん」らいしい所見は無く、K先生の第一声は「異常無いね」でした。ただ「一箇所だけ、気になる波形があるんだよなぁ、でもこれだけで薬飲むって言うのもなぁ・・・」とも、おっしゃいました。「とりあえずは様子を見て、また発作がおこるようなら、その時からでもいいでしょう」と言う事でした。
きょうは、一年生の授業参観で体育館で3クラス合同で学習発表会がありました。それでれ、この一年間で出来るようになった事を発表しました。縄跳びをするグループ、跳び箱をするグループ、群読をするグループ、合奏をするグループ。てっちゃんは10人ぐらいでピアニカを持って出てきました。午後でお薬が完全に切れている状態のてっちゃんは落ち着きがなく、みんなが演奏している時は一緒にはしませんでした。あらあらと思っていると、次にてっちゃんが一人だけで『メリーさんの羊』を弾きました。 私語でざわついてい父兄がその瞬間、黙っててっちゃんの演奏に聞き入ってくれました。ママはウルウル・・・・・ 何が嬉しかったかって、そういう機会を与えてくださったた担任の先生のご好意や、彼だけ特別に扱われる事に誰も文句を言う事なく「てっちゃん、じょうずだねぇ」と言って受け入れてくださる周りのお友達とその御父兄方の温かい気持が嬉しくて仕方がありませんでした。最後は画用紙4枚で一つの大きな文字を作って、全体で「おかあさん、ありがとう、がんばってます」と言葉にして、それぞれの文字を持っている4人でその文字を発音していくという出し物で、てっちゃんは「がんばって」の中の小さい「つ」を担当。小さい「つ」なので、てっちゃだけは一人でした。ても、ちゃんとタイミングも合わせて「つ!」と言って役割を果たせました。 先生に伺ったら先生は最初から「つ」はてっちゃんにやらせようと思ったんだそうです。でも、練習では、ふざけてしまって、わざと違う言葉を言ったりしていたそうです。 それでも諦めずに最後まで、てっちゃんにやらせて下さった先生、そして、その期待に応えたてっちゃん、素敵な信頼関係が築けているんだなぁと改めて思ったのでした。
まだ、脳波の検査をしていないし「てんかん」と診断わけでもないのに、「てんかん」という言葉は重くママの心に広がりました。でも「どうなっちゃうんだろ・・・」とつぶやくママに「考えたってしょうがない事は考えない! なるようにしかならないよ」と言うパパ。思わず笑ってしまいました。
きのうの夕飯のときのこと「てっちゃん、御飯だよ」と呼ぶと食卓までは来たものの顔色が悪い。その前からふっくんが「てっちゃん気持悪いんだって」と言っていたので「食べたくなければ無理しなくて良いよ」と言うと、TVのある隣の部屋に行ってしまう。食事が始まり、ふとてっちゃんの様子を見たパパが「あいつ、もどしたぞ」と言って席を立ったので後を追って、てっちゃんのところへ行くと傍らに固形物のない嘔吐物で濡れた跡がある。パパが横になっているてっちゃんに声をかけると反応がない。眼を開けているのに焦点が定まらない様子でまったく反応がない。そのうち手が痙攣を始める。「へんだ!」初め夜間診療所に電話してどうすればよいか聞くと大学病院の救急を紹介され救急車を呼ぶ事にする。たまたま救急隊の隊員の方が近所の方で奥さんが看護婦さんだったので自宅に連絡して下さったらしく救急車よりも先に看護婦さんが来てくださる。その頃には痙攣も止り意識レベルが上がったようで、こちらの声かけにうるさそうに反応して目を閉じた。再び救急車から電話が入り看護婦さんが呼吸や脈、熱などを知らせていた。間もなく救急車が到着、暫く救急車の中で処置をしたあと大学病院へ。そのころには声も出て、反応もしっかりしてきた。ただ発熱時などにおでこにはる冷却材も嫌がるてっちゃんが酸素吸入のマスクをおとなしくつけているのは明らかにいつもより元気がない。大学病院に着くと私は待合室で待たされ処置室に呼ばれたときには、てっちゃんはもうベッドに座っていた。血液検査、CT検査ともに特に気になる所見なし。今の段階では原因ははっきりしないが、てんかんの可能性もあるとの事。きょうはいったん帰って改めてK先生(てっちゃんがいつもリタリンを貰っている小児科の先生)の外来で見てもらうように指示される。K先生は神経の専門、脳波の検査をしてもらえばはっきりするはず。 K先生の外来は木曜日・・・・
最近、てっちゃんが言う事を聞いてくれない時、ママは泣きまねをします。優しいてっちゃんは、それが泣きまねとわかっていても「泣いちゃダメだよ」と言って、言うことを聞いてくれます。てっちゃんは(本来すべての子がそうですね)ママが笑顔でいなと嫌がります。ママがお兄ちゃんを怒っていると飛んできて「いい加減にしなさい!」とママを怒ります。算数のお勉強をしている時、ちょっと難しいことをやってみて、てっちゃんが理解できない時などママの顔が一瞬曇るのも見逃しません。ママが諦めて「もうきょうはおしまいにしようか」なんていうと、「やるよ、やるよ」と半べそをかきます。もう一度、説明してみても、やっぱり理解できないので「てっちゃんには、まだ難しいみたいだよ」というと「わかる!わかる!」と言って、めちゃくちゃな答えを次々に言いつづけたりします。泣きそうな顔で「できたよ、できたよ、やったー!」と言うてっちゃんを見るとママまで泣きたくなってしまいます。どうしても気がすまないてっちゃんを落ち着かせるために間違っていていても「そうだね」と言って笑ってあげます。ほっとするてっちゃん。ママはてっちゃんを抱きしめて泣き顔を隠します。
クラ☆
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