Deckard's Movie Diary
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2008年06月24日(火) |
インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国 奇跡のシンフォニー |
『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』 19年ぶりだそうで、カレン・アレンに至っては27年ぶり!つまり、カレン・アレンが大酒呑み大会をやっている時に生まれた赤ちゃんには、既に子供が居ても可笑しくない!ってコトですよ。今更作られてもなぁ・・・まぁ、スピ=ルーカスですからね。一応観てきました。ぶっちゃけ、どーでも良かったです(笑)。最近は似たような映画も多いですし、新味を出すのは難しいと思いますから多くは望みませんが、それでも、そのオチかよ!とツッコミを入れてしまいました(笑)。オチがオチならツカミもどーなの?・・・彼等は作品の時代背景を映像の中に巧みに取り入れるのが上手い人たちですからねぇ・・・分からないワケではないですが・・・。『さらば青春の光』くらいなら可愛かったんだけどなぁ・・・\(^-^\) (/^-^)/ソレハコッチニオイトイテ…とりあえずは、過去三作をしっかり観ている人には楽しめる小ネタが満載でした。個人的には、本作を観に行く前にオンエアされていた『レイダース』とか観ちゃってたから、ハリソンの老け具合がちょっと辛かったかな・・・。カレンのメタボっぷりにも、どうなの?エンディングでは妊娠している設定なのかと思いましたよ。結局のところ、2時間2分という上映時間が長く感じてしまいました。と、あんまりボヤいててもねぇ・・・20年ぶりの同窓会に行ったら、男子はヅラで女子は厚化粧!みたいな感じかなぁ・・・それでも、懐かしい友人であるのには変わりないですけどね。
余談ですが、オイラは先日亡くなったチャールトン・ヘストンを思い出しましたね(分かる人には分かります)。それにしてもロシア語訛りの英語って分かり易いですねぇ!(あれ、まただよ!)
『奇跡のシンフォニー』 予告篇を観た時から微妙にヤバい空気は漂っていましたが、観始めて暫くすると「マジで、そんな陳腐なストーリーなのかよ!」とほとんど諦めの境地に達していました(苦笑)。諦めちゃえば、コチラの勝ちですからね(って、勝ち負けかよ!)。そんな陳腐なストーリーなんですが、それなりに観れちゃいますし、それなりに良かったりもします。それはやっぱり、オイラが音楽好きだからなんでしょうね(自爆)。監督は『イン・アメリカ/三つの小さな願いごと』のカーステン・シェリダン。
余談ですが、ケリー・ラッセルって『ミスト』のサリー役(顔が腫れちゃって死んじゃうスーパーの店員)を演じたアレクサ・ダヴァロスと似てませんか?
“銃弾2万5千発のエクスタシー!”がキャッチフレーズの『シューテム・アップ』。まぁ、その通りでんな(苦笑)。エクスタシーがあるかどうかは知りませんが、痛快だったのは間違いありません。ぶっちゃけ、観たい映画はほとんど観ちゃったので時間潰しに観たようなモンなんですけど、そういう状況にピッタリの内容でした(っつーか、得した気分)。それなりに評判が良いのは知っていましたし、クライヴ・オーウェン、ポール・ジアマッティ、モニカ・ベルッチと役者も揃っていましたからね。内容は“超”が付くほどの筋金入りのB級映画でした。始まって暫くは食傷気味の流れだったのですが、ストーリーが進むにつれ痛快感が増し、好きなだけやっちゃってぇ〜という気分になります。クライヴ・オーウェンは表情に乏しく地味ですし、ジアマッティも似合わない役をやっちゃって!という印象が残ります。だからと言って、悪いワケじゃないです。その辺りは好みの問題でしょう。例えばオーウェンの代わりにヴィン・ディーゼルやジェイスン・ステイサム辺りが演じていたらバタ臭くなり過ぎて個人的には胃がもたれそうです。なんだかんだ行ってもオーウェンは存在感がありますよ。それなりにウェットなストーリーもあるので、あんまり脂ぎってもねぇ・・・。傑作!というワケではありませんが、この映画・・・けっこう好きです。
『ダイブ!!』 平日の最終回。オイラ以外の客は明らかに出演者のファンと思われるローティーンの女の子達だけ!以前、Leadが主演していた『棒たおし』とか『かまち』を観に行った時と同じような場違いな雰囲気を感じましたが・・・(; ̄― ̄川 アセアセ。そんな中、オッサンが一人で鑑賞・・・って、オイラも勇気あるよなぁ(苦笑)。初めて予告編を観た時には、あんまりそそられなかったのですが、監督が『ニライカナイからの手紙』『虹の女神』の熊澤尚人なので観て来ました。スパイダーカムを駆使したダイナミックな映像は観客を惹き付けるのには十分な魅力を発揮しています。スパイダーカムを最初に使用した邦画は『鉛色のシーズン』でしたが、全く観る気にならなかったので、今回が初体験でした。この飛び道具は凄いです(後半は多少食傷気味ですし、ハリウッドでは当たり前!ですけどね(笑))。映画はテンポも良く、主演3人のキャラや、そのバックボーンもしっかりと描かれていて好感が持てる仕上がりになっています。脚本も驚くほど良く出来ていますが、難点は、この脚本でこの尺は短過ぎです!だから、話しの展開は良いのですが、ストーリーを支えるそれぞれのエピソードが描ききれてないので、消化不良のままエンディングを迎えてしまいます。折角の良いセリフも浮いて聞こえてしまいました。それでも、この映画は魅力的です。何故なら、制作に携わっているスタッフの一生懸命さが感じられるからです。例えば“スポーツ”がテーマになっている場合は何処までリアルに作れるか!が大切なのですが、主演3人(林遣都 池松壮亮 溝端淳平)が撮影の3ヶ月前から練習した成果は素人のオイラには十分感じられる出来映えでした。決して上手い演技ではありませんでしたが、彼等の姿にはある種の凛々しさや清々しさを感じました(気になったのは大ベテランの江守徹、台詞回しがぎこちなかったです。大丈夫ですかね?それと、瀬戸朝香は上手くならないですねぇ・・・)。
2008年06月17日(火) |
イースタン・プロミス JUNOジュノ |
『イースタン・プロミス』 ひとことで言い表すとしたら“クローネンバーグっぽいけどクローネンバーグらしくない”作品です。だからと言ってダメなワケじゃないです!っつーか、かなりの好感触です!前作の『ヒストリー・オブ・バイオレンス』でも、それまでの作風から比べるとかなりオーソドックスになっていたのですが、今作はさらに進化?しています。今までの作品群は多かれ少なかれ人間の潜在意識に潜む狂気の部分が核にあったのですが、今回はそういう部分も絡めながらも人間ドラマに重点が置かれています。おそらく、クローネンバーグは“命”とか“生”とか、それ自体が“狂気”と捉えているのでしょう。そう考えると、実にクローネンバーグらしい作品と言えるかも知れません。全編から滲み出る喪失感には圧倒されますが、同時に生への執着とも言える力強さも感じさせてくれます。個人的にはとある秘密が分かるまでは上半期ベストかもしれないと考えていましたが、個人的にはあの設定はちょっと常識的過ぎたように感じてしまい、あまりにクローネンバーグらしくなかったので拍子抜けしてしまいました。もちろん、それでも十分魅力的な映画ですし、特にサウナ風呂でのシーンは映画史に残る名場面なのは間違いありません!全身刺青だらけで異様な存在感を放つニコライ役のヴィゴ・モーテンセンは噂に違わず素晴らしく、デイ・ルイスがいなければなぁ・・・と思わせてくれます。また、常に微熱状態で影のある役が抜群に似合うナオミ・ワッツ、屈折した感情に支配されるヴァンサン・カッセルと、相手役も申し分ありません。
今作は『セックス・トラフィック』というイギリスのTVムービーや、秀作『題名のない子守唄』等でも取り上げられた東欧からロンドンへの悲惨な出稼ぎがテーマになっていますが、これだけ描かれているってことは社会的に相当問題になっているんでしょうね。
それにしてもロシア語訛りの英語って分かり易いですねぇ!ドイツ語訛りの英語といい勝負ですね!っつーことは、日本語訛りの英語との三つ巴か?まぁ、どーでもいい話しでしたね(苦笑)。
『JUNOジュノ』 “16歳の女の子が妊娠、いろいろありながらも命の大切さを知り、最後は頑張って良かったね!・・・ほのぼのと、泣ける・・・”みたいな内容かと思っていました。が、意外や意外、実に良く出来た映画でした。“命の大切さ”って、よりも“妊娠したことで見えてきたモノ”って、感じですね。個人的には「え、そっちに行くの?へ〜面白いじゃん!」という感じでした。やはり、親と言う者は子供を信じないといけないんですね。ジュノにとって一番大切なモノが見えてくる後半は見応えがありました。ただ、十代の妊娠について軽く考えているように見えるので(まぁ、妊娠しちゃったんだから、仕方ないじゃん!クスリをやってるよりいいかぁ!みたいなノリです)、その辺りがどうなの?と、言えなくもないです。でも、新しい命の誕生は人類にとっては喜ばしいコトですから、里親制度の熟成は悪いコトではないです。生みの親より育ての親とか、遠くの親戚より近くの他人とか言いますしね。
途中、重要な経緯がかなりマニアックな音楽系会話で進みますので、分からない人は大目に見てやって下さい。オイラは似たような経験があったので、よ〜く分かります(苦笑)。
主演のエレン・ペイジは相変わらず上手いですが、ちょっと達者過ぎるというか、今はもう少し不器用な方が大成するような気がします。監督は『サンキュー・スモーキング』でシニカルを極めたジェイソン・ライトマン。次回作も楽しみになりました。
<さて、つい先日以下のようなニュースが・・・> 『米東部マサチューセッツ州の人口約3万人の漁師町グロスターで、同じ高校に通う女子生徒少なくとも17人(全員が16歳以下)が一緒に妊娠、出産する「妊娠協定」を結び、実際に妊娠した。米メディアが伝えた。夏休みが始まるころには出産する予定で、一緒に子育てをすることも約束しているという。「妊娠協定」の舞台は、生徒数約1200人のグロスター高校。米タイム誌のインタビューに答えた校長によると、昨年10月ごろから、校内のクリニックに妊娠を確認に来る生徒が増えた。妊娠が判明すれば喜び、逆のケースではがっかりした様子を見せたため、理由を確認したところ、協定の存在が分かった。同じ高校の卒業生で1年生のとき出産した女性(18)によると、在学中、今回妊娠が判明した女生徒らと交流があった。女生徒らはこの女性のことをうらやましがり、「(子供が生まれれば)自分を無条件に愛してくれる相手ができると興奮していた」という。』
以上です。場合によっては後々映画になりそうですけど、その子供たちがキチンとい育たないとダメだろうね・・・( ̄。 ̄ )ボソ 『JUNO』の全米公開は昨年12月ですから、直接的な影響という意味では関係ありませんが、今のアメリカにはそういう風潮(十代の妊娠に寛容な部分)があるんですかね?このニュースの詳報が知りたいです。
2008年06月10日(火) |
ザ・マジックアワー 休暇 |
『ザ・マジックアワー』 映画好きの仲間内で観るのはオイラだけなのでチェックして来ました。三谷幸喜の作品は決して嫌いではありません。『ラヂオの時間』『みんなのいえ』はけっこう好きですし、原作の『笑の大学』も好きです。素人と玄人、先端と伝統、表現の自由と検閲、正反対の立場ですれ違いながらも同じ人間なら通じ合うところもあり、最後に認め合うような、分かっているけどホロリとさせる方程式は嫌いではありませんでした。ところが前作の『THE 有頂天ホテル』はそれまでとは打って変わっての豪華出演陣での大作映画に変身!底の浅いキャラクターにワザとらしいストーリー、小手先の辻褄合わせに追われて余裕がないので、ほとんどのギャグが考えオチのようなキレのないものばかりで、相当退屈でした。今作も予告編から前作と同じ臭いがプンプンしていたのでダメだろうとは思っていたのですが・・・案の定でした。笑わせよう泣かせようがバレバレで恥ずかしくなります。まぁ、“レッド・カーペット”で大笑いしている人たちにはウけるんでしょうね。そりゃ、多少はニヤっとする場面はありますが、その程度です。この映画の何処がそんなに笑えるのか全く理解出来ませんでした。
オイラは三谷幸喜氏の才能を認めています。次回作は出来ればフジテレビなんぞに踊らされずに、キラっと光る小品をモノにして欲しいと思っているのはオイラだけでしょうか?キョロ(・_・ ))(( ・_・)キョロ オイラだけか・・・。
『休暇』 分かるんですけどねぇ・・・やはり、もう少し饒舌で良かったんじゃないでしょうか。題材が題材だけに難しいとは思いますが、もう一歩踏み込んでこそTRYした価値がある!というモノじゃないでしょうか?人間としての刑務官のプライベートへのアプローチの仕方が甘いように感じました。どうして彼がそんなに辛そうなのか全く触れられていないのが不満です。また、うろ覚えですが映画の中で「どんな子供が生まれてくるか分からないぞ!」みたいな台詞や、パンフに書かれている“他人の命を奪うことで得られる幸せは、果たして本当の幸福と言えるのだろうか・・・?”って、一体何が言いたいのか良く分かりませんでした。だって真っ当な仕事じゃないですか!っつーか、そんなコトは理解した上で刑務官になったんじゃないんですか?死刑制度に疑問を呈しているのなら分かりますが、そうでもないようですしね。原作は未読ですが、この映画を観る限り“死刑囚と刑務官”を扱った題材としては郷田マモラの『モリのアサガオ』の足元にも及ばない気がします。球種は間違いなくストレートなんですけど、1軍では通用しないと思います。まぁ、今の邦画レベルが低いのでエース級なのかもしれませんね。
2008年06月03日(火) |
僕の彼女はサイボーグ |
『僕の彼女はサイボーグ』 予告編を観た時に最初に思ったこと・・・「綾波レイじゃん!」。何を隠そうオイラは綾波、ん?じゃなくて、綾瀬はるかのファンなんですよ(⌒o⌒;A 映画初主演となった地味な映画『雨鱒の川』も観に行った輩です(それが、何か?)。透明感があって、清潔な印象に溢れていて、いかにも育ちが良さそうなところがいいですねぇ・・・オイラが美少女オタクってのがバレバレですな(苦笑)。で、監督のクァク・ジョエンの作品は『猟奇的な彼女』『ラブストーリー』『僕の彼女を紹介します』と全て観ていますし、その少女コミック的な味わいは嫌いじゃないです。っつーか、好きです(それが、何か?)。そんな二人のコラボレート作品ですから、期待しないワケにはいきません!いやぁ、良かったですねぇ、ヘアースタイル@綾波レイの綾瀬はるか!もう、最高でしたね。次回作の曽利文彦@『ピンポン』の監督作品『ICHI』も期待しちゃうなぁ(それが何か?)。え、本作品ですか?そんなのどーでもいいじゃないですか!ヘアースタイル@綾波レイの綾瀬はるか(ややこしいよ)に興味が無い人は観る必要は全くないです!はっきり言って、クァク・ジョエン作品としては最低の出来ですね。ただ、地震のシーンは『日本沈没07』より良く出来ていました(苦笑)。
2008年06月01日(日) |
世界で一番美しい夜 Mr.ブルックス/完璧なる殺人鬼 |
『世界で一番美しい夜』 息子(天願大介)もいよいよ親父(今村昌平)と同じモチーフを持ち出してきましたか!前作『暗いところで待ち合わせ』で監督として個性的な面を見せた天願大介でしたが、今作は消化不良です。テーマを魅力的なのですが、色んなエピソードを盛り込みすぎた結果、散漫になってしまいました。これだけの大作に手を出すにはまだまだ力量不足だと思います。ただ、登場する様々なキャラや枝葉のストーリーは今村昌平を彷彿させてくれて、微笑ましい限りです(そんなんでいいのかよ!)。ともあれ、こういう土着的な邦画がまだ作られているコトに喜びを感じてしまうオイラは古い奴なんでしょう(苦笑)。それにしても、親から子へ受け継がれていく遺伝子というのはプラスイメージでは“ソフィストケイト”、マイナスイメージでは“こじゃれる”ってコトなんですね。物作りにおいて角が取れるのは決して喜ばしいことじゃないんだけどなぁ・・・・・・・・( ̄。 ̄ )ボソ
『Mr.ブルックス/完璧なる殺人鬼』 主演ケビン・コスナー、相手役はデミー・ムーア。まさに崖っぷち大スター二人の競演作品です。う〜ん、中途半端ですねぇ・・・犯人が“殺人依存症”という設定は面白いのにほとんど活かされていません。アル中やギャンブル依存症等の凄まじい映画なんて幾らでもあるのに、この主人公には全然“依存感”がありません。そういう意味でサイコ・サスペンスとしてはコスナーのキャラは弱いです。脇を固めるウイリアム・ハートはさすがの貫禄なのですが、そのハート演じるキャラがすべてぶち壊しています。サイコキラーは不気味じゃないとダメですよ。エクスキューズしてもいいんですけど、その仕方がなぁ・・・もっと素直に作ればいいと思うんですけど・・・っつーか、『メル・ブルックスの完璧なる殺人鬼』だったら良かったのかもしれませんd( ̄  ̄) ヾ(^o^;オイオイ・・・
2008年05月30日(金) |
幻影師アイゼンハイム パリ、恋人たちの2日間 |
『幻影師アイゼンハイム』 ネタバレはしたくないので感想は書き辛いです。もちろん、観て損はありません。エドワード・ノートンも相変わらずの芸達者ぶりを発揮しています。ストーリーはちょっと出来過ぎですけど、映画そのものがイルージョンだと思えばOKでしょ!監督のニール・バーガーの次回作、ティム・ロビンス主演の『The Lucky Ones』も期待大ですが、エドワード・ノートンの『インクレディブル・ハルク』はどうなんでしょ?
『パリ、恋人たちの2日間』 これは面白い!ロマンティック・コメディーとしては久々のヒットです!まさにフランス人ってああなんですよ!仕事柄、海外へは度々行ってたのですが、どういうワケか苦手なフランス出張が多かったんです。以下はオイラがフランス人に抱いている偏見に基づいて書いてます。
フランス人ってのは何でも自分達が一番だと思っている節があって、そういう奴に限ってフランスから一歩も出たことがなかったりするし(大阪人に似てますなぁ・・・)、英語で会話した後に必ずと言っていいほどフランス語でジュルヴー、ジュルヴーっと付け加えたりするし・・・
「このワインは美味しいですねぇ」 「美味しいでしょ!」 「折角、フランスに来たんだからたくさん飲んでって下さいね!(買占めんじゃねーぞ)」
この(買占めんじゃねーぞ)をフランス語でサラっと言ってフランス人同士でウけてたりするワケですよ。まぁ、悪気があるワケじゃないし別にいいんですけど、何を言ってるのか分からないコチラとしてはやはり気になるんですよ。フランス人ってのは、何かにつけて、そういうちょこっと嫌らしい部分がけっこうあるし、性的な部分はあまりに簡単で(『アメリカの夜』を観れば分かるでしょ!)、その上、何年経ってもそのことをベラベラ喋るし、人種の違いをかなり感じます。この映画はそういうリアルなフランス人を正確かつ丁寧に描いていて実に痛快でした!また、議論好きのフランス人らしく、登場人物の会話は多岐に渡り、知識があればあるほど楽しめます。
そんな嫌味なフランス人を徹底的に描いて見せたのが、監督、主演、脚本、製作、音楽、編集の6役を担当するジュリー・デルピーなんですよね。『ビフォア・サンライズ』の続編『ビフォア・サンセット』でリンクレイター、イーサン・ホークと並んで脚本に名を連ねていましたが、いやぁ、なかなか才能です。これを観ちゃうと、さぞかしリンクレイターの演出が物足りなかったんじゃないのかなぁ・・・と、勘ぐってしまいたくなります。というワケで、フランス人自身がこういう映画を作れるところに、フランス人のウィットに富んだ素晴らしい?生き方も感じられる一品となっているのです。今作はウッディ・アレンの作品と比較されていますが(デルピーもあの頃のキートンにちょっと似てるしね)、女性が作るとこうなるのか!と、至極納得。映画の中でデルピーの両親役はそのまま彼女の本当のご両親だそうで、その辺りの空気感も下品になりがちな際どい会話をまろやかにするのに効果的な演出と言えるでしょう。
過去も現在も自由奔放なフランス女性に、ちょっと神経質なアメリカ人男性が翻弄されるパリでの二日間。さて、現代の『巴里のアメリカ人』にとってパリは恋の都だったのでしょうか?
『アフタースクール』 『運命じゃない人』でカンヌ映画祭において4冠を受賞した内田けんじ監督の新作です。初めて予告編に接した時から楽しみにしていました。何故なら『運命じゃない人』の脚本がとても良く出来ていましたし、今回の予告編からもそのニュアンスが伝わって来たからです。結果は、102分間十分に堪能させていただきました!必ずリピートしたくなる映画でしたね。“甘くみてると騙される”の謳い文句通り、気持ち良く騙されてしまいました。だから、そのカラクリを承知の上でもう一度最初から観たくなってしまうんです。というワケで、ロハで観られるオイラはリピートしたのですが、それでも“ん?”って、思う部分もあり、そういう意味では分かり辛いし、その設定はどうなの?とツッコミを入れたくなる部分もありますが、ただ、それが決して不快ではなく、どちらかというと「そんな細かいことはどーでもいいかぁ!」と思えてしまいます。どうしてなんでしょうか?全ては“キャラクター”なんだと思います。総ての登場人物にキチンとキャラ付けがされていて、そこに存在していることにほとんど違和感がありません。ほとんど無いのですが、少しだけあります。その少しのズレがちょっとだけ心に引っかかったりします。例えば “ポルシェ”だったり・・・。そこに観客は異質なものを感じ、何処かあやふやな心模様になり、ストーリーから目が離せなくなるんじゃないでしょうか?でも、世の中には6畳一間に住みながらフェラーリを乗り回している輩も居るワケですから、珍しいけど全く有り得ないコトでもないんですよね。ただ、ちょっとストーリーを追いかけ過ぎて、人物描写が甘くなったのは否めません。これは前作にも言えるんですけどね。もう少し整理して、主要登場人物の背景を盛り込めればさらに良くなるような気がするんですが、それは大きなお世話ですね。とにかく、観終わった直後から内田けんじの次回作がまたまた楽しみになってしまいましたとさ!
2008年05月23日(金) |
チャーリー・ウィルソンズ・ウォー |
『チャーリー・ウィルソンズ・ウォー』 どういうわけか、初めてこの映画の予告編を観た時に「ダン・エイクロイド主演(本当はトム・ハンクス)の政治コメディか・・・」と思っちゃったんですよ(/・_・\)アチャ-・・。監督は名匠マイク・ニコルズですが、上手いですねぇ!実話だそうです。主人公はアメリカのおちゃらけ下院議員。その破廉恥な生態を絡めながらソ連をアフガニスタンから追いやる過程をある種の痛快さを持って描いています。反共主義者、パキスタン、エジプト、イスラエルと当時の米ソ両国、ブラックジョークでしかありえない組み合わせが妙にリアルな雰囲気を醸し出しており笑わせてくれます。しかし、決して笑っている場合ではなくて、そんな大それたコトがそんなノリかよ!と、これまた驚かされながら実にリアルです。結局は、一度手を出したらヤリ逃げはダメ!って、ことなんですよ。物事は“いずれわかるさ”の言葉のように全てが関連しているわけですから、ヤっちゃったんなら最後まで責任取らないと痛い目に合う!という教訓ですね。結局は、アメリカ最大の悲劇を生み出してしまった原因の顛末・・・それこそが、この映画の言いたかったことでしょう。巷では、コミカルな描き方がけしからん!という声もありますが、オイラは「現実はこんなもの!個人的な感情や損得で色んな事柄が進んでいく。だからこそ、終わり方を間違えてはいけないんだよ!」ということだと思いますよ。現実の裏側は怖いですねぇ!
さて、あれから20年、現在進行形のイラク戦争はどう決着するのでしょうか?そういう意味では太平洋戦争のオトシマエは成功したんでしょうね( ^-^)_旦””
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