―No,―

2005年03月27日(日) 蜃気楼

空白は空白のままで 埋まったままのところは埋まったままで
涙流しても何も変わらない日々 甘い蜜を煤りつづけた行く末
咲き誇る気高さばかりに気を取られる

傷付けた事実(こと)はいつまでも変わらず
傷付けられた事実(こと)もいつまでも変わらない

息が出来ても出来なくても変わらない
笑った表情(かお)は今も凍てついたまま
明日に願ったのは修復がもたらす結果

絶望感と切望感 貴方もあたしも同じ人間(ひと)
交わることを何処かで嫌ってた 笑えずに

平穏に過ごすふりは傷口を汚すだけで
迷いが示す道を辿って貴方に行き着かないことを水面下で願う
達してしまうことを何より嫌っているのはあたしだから



2005年03月26日(土) 夏雪

汚れを知らなかった日
目に映るものでさえ映っていなかった

初めて一緒に観た朝焼けが今では遠い日のようで
真昼に観た月はやけに綺麗で空は澄んでた
静かに迎えた夜は他愛のない会話で溢れてた

流した涙も 繋いだ手も
ただ幸せだった 居心地が良すぎるくらいに

汚れを知った日
途端に周囲が見えるようになった
瞼を塞いで視界を無くしたいと切に願った

何か言いたそうにものが大切なものが壊れる
失うことなど知らない余りに怯えてた

冷たい雨が突き刺さる すべて流れてしまえばいい
要らぬ不安と共に消えてくれればどんなに嬉しかっただろう
外灯の灯りも静かなベンチも無機質な人工物としか映らなくなった

夏に降る雪のように嘘だと言って欲しい
新雪に埋もれた地面が見えないように覆い隠さないで



2005年03月18日(金) 投身

響く鼓動 響く低音 響いた貴方の叫び
殺伐とした空気が再び押し寄せる

動ける範囲は制限されて重圧に押し潰される
空すら迫り 紫と灰色が入り交じてった
神に祈ることもない 静かに眠りにつきたい

目を開けて見るもの 目を閉じて観るもの
否定したいのは変わり果てた姿だろう

さよなら 僕の右手、左手
さよなら 僕の左足、右足
さよなら 僕の見えるすべてのもの に



2005年03月17日(木) mirror

冷たい眼を投げかけた 陰が陰を呼び乱反射する
這いずる舌 感触ばかりが焼き付いて
声が出ない程のつまる感情が渦巻く

時に優しく甘く開いた傷口からは流れた跡しかなく
冷えた手で触れる度 皮膚に浸透する

大声で泣いていた夢の中 現実ではただ凝視のみ
いつもより鮮明過ぎていた 出来すぎた完成品
恥じらいから泣けないというのは幸せなことだね

現実から引き離れようとする僕を
引っ張って離さないのはやはり君なんだね



2005年02月24日(木) 壊死

狂った心拍 遺伝子による決定済みの仮定の死
不安を誘う夜 貴方には告げないことばかり
それらはあくまで鍵でしかないから

必死になる私は愚か過ぎて場を繋ぐことすら出来ない
無様だね あざ笑えばいい 私も泣くことはある
乱れる脈拍 深い眠りに落ちるのだろうか

貴方との思い出を消すように同じ場所へ足を運んでいる
新雪にくっきり残る足跡のように根は深く
何も消えてなかったことを痛感した

声にならない声が呻き声をあげてる
煙草の煙は体内に溜まるばかりで吐き出せず
悪循環の繰り返し 私は既に踊らせ始めてるのだろうか


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まじゅ

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