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■ 【或る電話】のコト。
「俺 俺〜」 脳天気な 声が 電話口で 響く。 「何? 生きてんの?」 何気ない フリで 答える。 「お? 俺だけで 分かんのか?」
そんな 些細なことで 嬉しがるの やめようぜ。
忘れた 頃に 電話が鳴る。 教えてもらった 番号は 次に掛けると 繋がらない。
弱気に なった時 しか 電話鳴らさない くせに。 阿呆め。
「今度は どうしたのよ」 「いい加減 その性格 直せばぁ?」なんて。
聞いて やるのも 慣れちゃったよ。 馬鹿め。
「奥さんがさ×××」 ハイ。 「子供が産まれて×××」 ヘェ。
思えば 此奴の 為に 新幹線に 乗って 遠くまで 行ったんだわ私。
夜中に 着いて すぐ 他の女の話。 全くもって なんでやねんな。
そういや 此奴 捜して 半狂乱に なったり したんだわ私。
行方 眩ますの 得意技。 なんて ホント 勘弁 してくれよ。
憎んだし 恨んだし。 でも もう いいや。 声明るいから。
暴れたし 躰壊したけど。 もう なんでも いいや。
あんなに 好きに なるのは もう ないかも しれないから。
あれだね。 故郷の 母の 気持ち。 便りが ないのは 良い 証拠。
もう 心が 大暴れで 待ったり してないよ。 泣いたり するもんかい。
遠くから 想うだけ。 時々ね 時々。
「今度 東京に 行くから 会おうぜ」 今度って 一体 何時なんだい。
「いやぁ やっぱお前って いいよなぁ」 今頃 遅いんじゃ。ボケ。
まぁ 元気で 居なさいよ。 昔の よしみって ヤツで 聞くからさ。
頼むから 元気で 居てくれよ。 私より 先に 死んだら 許さないから。
2000年12月19日(火)
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