イレコミ音楽
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2002年07月11日(木) |
「さらば涙と言おう」森田健作 |
「さらば涙と言おう」森田健作 1971年
午後4時は大事な時間でした。なぜ?ってそれは再放送ドラマがあるから・・(笑)ドラマ『おれは男だ!』を見るため、必ず4時までに帰宅していた小学生の私でした。主演の森田健作さんは今は議員だけど、昔は剣道やっている硬派で爽やかな青年アイドルだったのですよ。
この曲を聞いてると、鎌倉の海岸とドラマの中ではあそこに暮らしていたであろう明治生まれのじいちゃん=故・笠智衆さん、兄さん=河原崎長一郎さん、母=津島恵子さん、ライバルなのに好きな吉川君=早瀬久美さん、なんて思い出してしまいます。
さわやかなハーモニカとハワイアンのようなスチールギターのイントロから歌がはじまります。「さよならは誰に言う〜さよならは悲しみに〜♪」たまりませ〜ん!(涙目)いやぁ、あの時代はもっと物事が単純でしたよね。今が複雑すぎるのか?わかりませんが「若者よ、泣きたくなったら海へ行け!!ゴーゴー」のような精神があったことは確かでした。今、聞いても歌詞が実にさわやかです、こらえきれない涙は小雨に流そう♪だもの。それに健作さんの微妙にビブラートのかかった声もとても印象的でした。
ドラマの中のウーマン・パワーはいつも炸裂気味(笑)嫌になるほど強かったのに、それにメゲないモリケンの姿が脳裏に焼き付いております。よくモリケンがんばれ〜とドラマを見ていたなぁ。高校生活の様々な出来事の中、純粋に男気を通す感覚とか、好きだからこそ相手を思いやるピュアな精神が小学生の目にはまぶしく映っておりました。
最後の間奏まで聞いていると、砂浜に埋まってこちらにウィンクする健作さんが思い出されてしまいます。わぉぅ〜♪あまり似合ってなかったよぅ。
〈参考CD〉 「俺たちのメロディー2」DNUT-2 2002年
2002年07月10日(水) |
『ごあいさつ』高田渡 |
『ごあいさつ』高田渡 1971
ベルウッド復刻盤のレコード『ごあいさつ』『系図』『石』の3枚をまとめ買いして聞いていたのは高校生の頃でした。“高田渡”さんの歌は聞けば聞く程、興味をそそられ、自然にその独特な世界へ引き込まれていくのです。
レコードを手放してからほぼ15年。やっと『ごあいさつ』のアルバムを手に入れて、聞きなおしてみると・・当時見えてないものが見えてきて、再び感動を覚えました。やっぱ、いいわ。
中でもとりわけ『ごあいさつ』は印象的な一枚です。ジャケットのイラストレーションの表=バナナ、裏=きゅうり、それだけでも変わってるな〜と思ったら、テリー・ジョンソン氏(湯村輝彦さん)の作品ということで納得してしまうのですよネ。左上に小さく鞍馬天狗の図が描かれてるトコなんかもたまりまっせーん。
アルバムの内容は言う事なしの盛り沢山です。構成&編曲“早川義夫”さんということで、たいくつになりがちなムードを構成で面白くさせているように思われました。そして、高田渡さんのオリジナル曲はもちろん、その他現代詩の詩人の作品に曲つけて歌われていることも奥深いのです。谷川俊太郎、有馬敲、山之口貘、吉野弘、演歌師・沼田亜蝉法・・・など、歌詞(詩)を楽しめます。
演奏は4曲だけ“はっぴいえんど”がバックをつとめられてます。その他に“中川イサト”“加川良”“遠藤賢司”さんまでコーラスで参加されており、そういうところも盛り沢山なのです。ギターだけで歌うフォーク・ブルースあり、ロック・ブルースあり、幅のある仕上がりになっとりますです、ハイ!
なので、曲の感じもとても面白くて、例えば・・・ 人生の縮図を垣間見る「年輪・歯車」「結婚」「ブルース」 人生を思ってしまう唄「生活の柄」「しらみの旅」 心理の情景、気まずい「夕焼け」 素朴な皮肉で面白い唄「値上げ」「鮪に鰯」 社会的な観点で楽しい「銭がなけりゃ」 素朴でかわいい曲・・「アイスクリーム」「自転車にのって」「珈琲不演唱」
どれもこれも名曲揃い・・・。「生活の柄」にうなりながら、「銭が無けりゃ」を楽しく口ずさみ、「自転車にのって」でホノボノしてしまう。
そしてCDアルバムには、ボーナストラックとして「自転車にのって<ファンキーヴァ−ジョン>」が入っているのですが、間奏のところで高田さんが「茂ちゃんがんばって!」とリードギター鈴木茂さんを応援してたりするんですよね♪これには思わず微笑んでしまいました。
この方に関しては並々ならぬ思い入れがあるので、また書きたいと思います。あ、そうそう、昨年だったか?「あぁめんどうだ、蚊とりマットの〜♪とりかえが面倒だ、風呂に入るのも面倒だ、生きていくのも面倒だ、しかし死ぬのも面倒だ〜あぁ面倒だ〜♪」と歌ってたあの方こそ、“高田渡”さんなのでした。
〈参考アルバム〉 高田渡『ごあいさつ』KICS-8810 1971 高田渡『系図』SKM-7023 1972 高田渡『石』KICS-8819 1973
2002年07月07日(日) |
『お茶の時間』中川イサト |
『お茶の時間』中川イサト 1973
30代後半になると流石にモロテをあげて喜べない(笑)実は今日は誕生日。フクザツに嬉しいムードでこの日を過ごしました♪そこで原点に戻るアルバムを探していたら、この一枚に辿り着きました。小学生からなんとなく好きで聞いてて、やっと本気で音楽を聞き出した頃の大切なアルバムです。
このアルバムはタイトル『お茶の時間』にふさわしく、気楽に聞けて、楽しめる一枚です。軽いインストルメンタルあり、素朴な歌あり、やさしくのんびりしたムードがアルバム全体からも、ジャケットからも漂っています。大半の歌詞は“KINTA”さんによって書かれ、やさしい視点とまなざしが童話のようでもあり、イサトさんの柔らかいメロディと朴訥な歌で料理されると、強烈にのんびり空間が広がってゆくんみたいなんです。
参加ミュージシャンをよくよく見てみたら、細野晴臣さんとのつながりが深いことに気が付きました。折しも『HOSONO HOUSE』と同じ頃の作品なので、音楽性は多少違っても、共通するその時代の香りようなものは一緒のような気がするのです。
どの曲も大好きなのですが、特に「ゆうだち(夕立ち)」は特別好きな曲です。ゆうだちがやってくる日常風景をさりげなく歌われてて、ホワホワしてしまうよな曲なのです。細野さんもアコギを弾かれててとてもいい感じなのです。
決して歌がうまいわけじゃない、ただのんびりしちゃう。お茶を飲み、ほっと一息ついた感じのアルバムです♪
〈参考アルバム〉 『お茶の時間』中川イサト CSCL 1253 1973 『喫茶ロック〜地球はメリーゴーランド〜ソニーミュージック編』 SRCL 5149 2001
2002年07月06日(土) |
「オー・ガール」シャイ・ライツ |
「オー・ガール」シャイ・ライツ 「OH GIRL」The Chi-Lites 1972
少し根気の入る掃除して一段落すると、急にこの曲を聞きたくなりました。“シャイ・ライツ”の「OH GIRL」です。この曲を何度となく聞いたのは、深夜のソウル・バーのカウンターでした。
当時バーでよく見かけていた美女連れの中年カップルがおりまして、いつも深夜遅くやってきてラブラブでお酒を酌み交わし、音楽を楽しみ、ひっそり二人の世界を楽しんでたのです。この曲を聞いてるうち、彼等のことをふと思い出しました。
この曲は、不器用でせつない恋の歌。軽いギターとブルース・ハープの一吹きのイントロ(いつも、回転が微妙におかしいぞ?と思いながら)が少し流れると、いきなり「オーォーガ〜ル♪」と、はじまります。力強いピアノもたまらんし、そしてバックコーラスにしっかり支えられながら、彼女への愛を切々と悲し気に歌い上げらるんですよ〜たまらんわ。
“シャイ・ライツ”と言うともう一曲「ハブ・ユー・シーン・ハー」を思い浮かべるのですが、1990年、M.C.ハマーがラップ風にカバーしたのも有名でしたネ。その他にもファンキー風あり、スウィートあり、メジャーなグループなのでヒット曲は沢山あるけど、でもやっぱり「OH GIRL」は絶品なのです。
さて当時、脳天気に騒いで飲んでいた私達(笑)その横で、時折、目の端に入ってくるあのラブラブ中年カップルの存在は、そこだけが別世界で不思議でした。彼女が美形ゆえにワケアリにも思えてしまってたけど、なぜか?この“シャイ・ライツ”の「OH GIRL」と美人の彼女が重なって思い出されてしまったのでした。
〈参考アルバム〉 The Chi-Lites / THE GREATEST HITS VICP-2040
2002年07月04日(木) |
「ゴーリー・ワフ」スタイリスティックス |
「ゴーリー・ワフ」スタイリスティックス 「Betcha By Golly,Wow」The Stylistics 1972
梅雨でジメジメ・・こんな日はスッキリとしたファルセット・ボーカルが聞きたいな♪ということで、“スタイリスティックス”を正座しながら聞いてます。
“スタイリスティックス”と言うと「愛がすべて」や、「誓い」「ユア・エブリシング」など数々のヒット曲を思い浮かべるのですが、ちょっぴりせつなくて、強い愛を感じる「ゴーリー・ワフ」もなかなかどーして実にいいんです。最近ではあのゴスペラーズもカバーされているとか・・・アカペラもいいけど元祖のファルセットもグー負けてないのよネン。
軽やかにながれるクラリネットのイントロに、そっとやさしいボーカルが入ってくると、一気にスウィーティな世界が広がって行きます♪中間乗りの軽いリズムで、暗くなく重すぎない。コーラスと共に高揚しながら、時折ためて聞かせるファルセットのボーカルはとにかく最高なんです。
歌詞をみて感じたのですが、「あなたへの愛は強くなり続けるでしょ〜♪強くなり続けるでしょ〜♪」繰り返し歌われるのは、相手への一途な愛。そのせいかこの曲を聞いてると、少し強くなれるような気がしてきます。
ラッセンの誠実なリード・ボーカルのせいか“スタイリスティックス”を正座してききたくなるんです(笑)とても不思議なのだけど、聞いているうちにとてもピュアな気持ちになれる♪もしかしたら私にとっては心の矯正剤系音楽かも・・ネ。
〈参考アルバム〉 「スタイリスティックス登場」The Stylistics VICP-2036 「スタイリスティックス・ベストコレクション」 VICP-5094
2002年07月03日(水) |
「パン屋のトム」かまやつひろし |
「パン屋のトム」かまやつひろし 1971
なんて清らかな感じなのかな〜♪最近ではあまり感じない感覚かもしれません。きっとこの曲って、気が付かないような曲なんですヨ。でも、少しだけ耳をそばだててよく聴いてみると・・・良さがヒシヒシ伝わってきます。「こんがりと うまく焼けたら しあわせさ〜♪」素朴な歌詞がほのぼのとあたたくてネ・・。
この曲を聴いていると、やはり「四葉のクローバー」つながりで“ガロ”を思い出します。調べてみるとこの曲が入っていたアルバム『どうにかなるさ』には“ガロ”も参加しているとこのことで、うなづけてしまいました。後ろのコーラスに参加してたりするんでないかな?たぶん♪
アンニュイで神秘的なコード進行、アコギのしっかりしたストローク、エレキ・ギターのエコーのかかり具合はたまりません。ムッシュのやさしい歌とともに、ヨーロッパの香りが漂ってきて、実にグーなんです。いやぁ、やはりこれはあの時代が作り出したものなのかも・・・今では皆無のサウンドです。
ムッシュを思い浮かべたとき、「我が良き友よ」や「どうにかなるさ」「バンバンバン」なども思い出すのだけど、このような神秘的な曲を歌われてたことは最近まで知りませんでした。彼のこの曲はいいですよ、なんかそそられます。いつまでも聞いていたような・・・癒されるな〜♪
〈参考アルバム〉 『喫茶ロック〜アダムとイブも〜ユニバーサル ミュージック編』 UPCH-1113 2001
2002年07月02日(火) |
「男達のメロディ」SHOGUN |
「男達のメロディ」SHOGUN 1979
数年前のこと、マウンテンバイクに乗って晴海あたりをダッシュしながら、気がついたら自然とこの曲を口ずさんでいました♪この曲って、軽いのぼり坂によく合うんです(笑)ところがマヌケな私、途中の歌詞が思い出せなくて「ララララ〜」など適当に誤摩化しながら、お茶を濁しておりました。先日レンタル屋にてこの曲を発見して大喜び!即借りて聞いてみたらば、そらも〜感動でした!
ド派手なイントロいいですね〜♪バンジョーを刻む音や、軽快なリズムもたまりましぇーん!そうそうこの歌詞です「男だったら、流れ弾のひとつやふたつ、胸にいつでもささってる、ささってる〜♪」ここが思い出せなかったんでした(涙目)く〜感涙中。しかしスッキリしました♪
ドラマ「俺たちは天使だ!」のテーマソングだったこの曲。「太陽にほえろ!」の元メンバーもちょこちょこ出演してたコメディで実に楽しかったんです。渡辺篤史さん、柴田恭兵さん、神田正輝さん、多岐川裕美さん、そして故・沖雅也さんが、美男子なのに三枚目のキャップの役で印象的でした。いつもお金が得られなくて、七輪でアジを焼いてサンドにしてるような♪イメージでネ。ロマン、貧乏、男気の世界、そんな感覚が曲と一緒になって記憶に焼き付いてしまってるのかもしれません。
この曲を聞いていると、そんな細かいことどーでもいいじゃん!って気持ちになれちゃうんです。でも決して投げ遺りではなく、豪快に開き直れてしまうんです。ちょっと落ち込んでて元気出していこうか!という時は、軽くパワーアップできて、グーなのね♪
〈参考アルバム〉 「俺たちのメロディ」DNUT-1 2002
2002年06月30日(日) |
「レイニー・ステイション」鈴木茂 |
「レイニー・ステイション」鈴木茂 1978年
軽快なリズム、澄みきった空気感、素直にのびてゆく声、ラジオから流れるドラマチックな曲にくぎづけになりました。そうそう、あれは1978の頃・・。
最初に感じたのは「え?あのギターリスト鈴木茂さんって歌うの!」という驚きでした。当時ユーミンのバックバンド“キャラメル・ママ”〜“ティン・パン・アレー”で、ギターを弾いてたイメージしかなかった鈴木茂さん、まさか?歌うとは想像できなかったのです。でも、この曲を聞いた時、驚きと共になんだか引き込まれてしまいました。ユーミンと同じ音楽性でとても聞きやすかったこともあるし、ニューミュージックなんだけど、ちらっと歌謡曲のアイドルのようにも感じられたのです。
14年後、再び聞いてみると・・・やはりワクワク♪してしまいました(笑)う〜たまらん。鈴木さんのまっすぐにのびたボーカルは新鮮なままだし、やはりラブリーな仕上がりなのは松本隆さんのロマンティックな歌詞のせいかもしれません。曲や歌詞が鈴木さんを王子様に仕立ててるように思えるんですが・・・とても女性的な見方ですネ。とにかく女心をクスグられる物語のような曲なのでした。
「レイニー・ステイション♪悩んでる君に 気付けなくて どじな僕さ♪」などと歌われたら、イチコロですよ♪(笑)鈴木さんのイメージはあのときのまま、カッコよくて、寡黙で、繊細な少年のような男性(ひと)♪
この曲聞いてると、爽やかだったあの時代がヒシヒシと蘇ってきます。
〈参考アルバム〉 「ニューミュージック・メモリアル」CRCP-28096
2002年06月25日(火) |
「ピンクの戦車」はしだのりひことシュ−ベルツ |
「ピンクの戦車」はしだのりひことシュ−ベルツ 1965
久々に大きな街に出て大型CD店へ行きました。しばらく来ない間に、すっかり様変わりしている新宿南口の街並み。ウッドデッキの橋で強い風を感じながら・・・やっぱここは港町かも!?なんて思ったりして・・(笑)せっかく大きな店へ来たのだから、前々から聞いてみたかったある曲を探してみることにしました。
すると、あるじゃん!一体どんな曲なのか?視聴してみると・・いっぺんに気に入ってしまいました!実はこの曲、ダンナが幼い頃に“ピンポンパン”なる幼児向け番組で見て聞いた「ピンクの戦車」という曲なのでした。発見できてホクホク!
帰宅してダンナと聞いてみると・・・当時直接聞いたものではないけれど同じ曲だそうでした。いやはや、段々私まで聞いた事あるような気になってきました(笑)きっとどこかで聞いてたかもしれません。それにしても、軽快な楽しい曲で、子供達にはウケソウな曲ですね。特に男の子にはたまらん魅力があるのかもしれません。
デキシーランド・ジャズのムードで、なんとなく「明日があるさ」と同じリズムです。そして皆ノリノリで楽しそうに歌ってるんですよね。歌詞もシンプルで「ピンクの戦車はゆくよ〜♪坊やの夢乗せて〜♪」とね!これが2番になると関西弁になるので「お前ものらへんけ〜〜♪」と面白いんです(笑)
あくまでも推測なのですが、この曲が出来た1965年はベトナム戦争が終わった年でもあるので、もしかしたら?深い意味で反戦と関係あるのかもしれないな〜なんて思いました。幸せを込めた子供向けソングかもな〜。
曲の中の「ピンクの戦車」はおもちゃのプラスチック製、想像するとなぜか楽しそう♪これが走ってたらウレシイような♪ちょっと見てみたい気もしてきます。
〈参考アルバム〉 「未完成」はしだのりひことシューベルツ TOCT-10126 1993
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