投票を、したときは、晴天でしたのに。
家で、選挙の特番を、確かめる頃には。
まるで、BGMのよう、空が、荒れました。
そして、小さな妄想の、嵐も吹きました――
「鷹通」
「はい」
「投票に、ゆくけれど、君は、家に居る?」
「いえ、友雅さん――
会場へ、着くまでは、ご一緒をしますよ。
――友雅さんは、そう云えば、 欠かさずに、投票に、おいでになりますね」
「…まぁ、一応出身が、あの学部であるし…
政治家に、なっている、友人も居るから」
「あぁ…そうでした。
友雅さんは、慶応の、法学部でしたね」
「ふふ、鷹通と… ライバルになるかな?」
友雅は、内部生。(法学部は多い…)
明るい三田の、キャンパスが、よく、似合いそう。
一方の、鷹通は、 早稲田大学 政経が、より、似合いそう。
(そして、大隈講堂が、これも、似合うなあ……)
翌年に、鷹通が、成人になったら。 晴れて、会場内までも、共に、ゆくでしょう――
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