さっきTくんがジャージ姿で研究室に突然やってきた。 毎度のことながら洗濯物の生乾きの臭いがしていた。 ハイビスカスローズヒップハーブティなるものをいれてあげた。
生理になった。 まただ。 もうイヤだ。自分がイヤだ。
連絡をとらなくなる前, 「もう少しで生理かもしれないね」と彼がいった。 「イライラしてる?」ときくと 「そんなことないけどなんとなく」と彼は答えた。
その時はすでに気分が沈みがちだった(と思う)。 病院へ行った方がいいのだろうか。
体の問題なのか精神の問題なのか分からなくなってきた。 くそー。 自分の気持ちを自分に裏切られた気持ちになる。 自分を偽ったり無理に納得しようとする気持ちではかったものが, 体の変化をさかいに,偽りの気持ちとして認識される。
うそじゃないのに。 わがままじゃないのに。 本当の気持ちだったのに。
正常な体のメカニズムによる異常で急激な心理変化は, 正常な範囲の出来事として簡単に受け入れられてしまう。 でも受け入れられるのは気持ちではなく,メカニズムだ。 つまり,イライラしていてもそのイライラの原因は私の体が原因であって 外部の事象のせいではないし,私の本来の心情ではない,と。
そんなのイヤだ。 私にとってはどちらも本当の正真正銘の感情なのに。 意識を持たないはずの体から私の意識が完全に, しかも無自覚の内に操作されているなんておかしい。 でも他人にとってはおかしいのは私なんだ。
結局は生理のせいだと片づけられて, 私の気持ちへは目をむけられないで終わる。 そして体の変化が終われば,自分でもその気持ちに目を向けなくなる。 他人と同じ事をする。
月経前症候群/月経前緊張症,調べてみてください。
ここ数日は,一日過ぎる毎に日を数えていた。 待っているのか,それとも自分を試しているのだろうか。 それも分からない。 でも, 彼と別れるということに変わりないと思う。 生理のせいじゃない(何%はそうかもしれない)。 自由になって全部わすれてしまいたい。 自由でさらさらした自分だけの時間を過ごしたい。 既存のものをみつめて苦しむより,まだ見ぬものにワクワクしていたい。
ああ,そうだ。 早朝のベンチに寝ころんでいたあの目の人に会いたい。 自転車ですれ違う瞬間,目があった。 時間が止まったように感じるくらい引き込まれたから。
でも,そう思ってるのって大抵は自分の方だけなんだろう。 それに,万が一またすれ違っても気がつかないのがおちだろう。
よし。 ちょっと元気になってきた。 論文がすすみそうだ。
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