厚い雲に覆われていると思っていた。 空が見えなくて 星も見えなくて 手を伸ばしても、どこにも届かない気がしていた。
だけど偶然雲の隙間から差し伸べられた手は 変わらずあたたかで大きかった。 しっかりと握ったら、握り返される強さが心地良かった。
ああ。 私たちは、まだ繋がっている。 すれ違うことが多すぎて、すっかり見失いそうになっていただけ。
雲の向こうに 変わらない星が輝いている。 どうして迷ったりしていたんだろう。
自分の位置も、その人の位置も 何一つ変わらない。 「ずっと」という言葉のとおりに。
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