7月10日の項に 「猫のご飯。・・・諸々のこと」 ATUは、今も相変わらず、 群馬山奥から週末に帰って来る生活をしている。 未だ飽きないカメラ付き携帯で、 ウサギの赤ちゃんや、クマの爪痕を送ってきている。 麦はATUが帰って来ると大喜び。 尻尾こそ振らないが、跳ね回っては、 鳴らない喉の奥で、グ〜グ〜と小さな音を鳴らす。 ザジも大分慣れてきていて、アヘェ〜(撫で倒されること)してぇ〜と 男の子のくせに、大きな身体でしなだれかかっている。 実はATUは、ザジに首っ丈。 麦は不器用な古女房。 ATUは甘え上手な少年に手玉に取られているという感じ。 ザジは人間だったら、さしずめ若い頃のディカプリオ。 麦は坂井真紀? ATUが帰って来ている日曜日。 一緒にお使いに行った帰りに、住んでいるマンションの全体を見渡せる 我が家のベランダの正面の高台に行ってみた。 マンションの周りは東側と南側は私有地になっていて入れないし 西側も小さな民家が連なっていて、ずっと平地なので 全体を見渡せるポイントは、ベランダ側の正面のその高台しかない。 見渡してみると何か違和感がある。 なんだ?と思って目を凝らすと、 最上階の6階の真ん中の部屋のベランダの縁の コンクリの板が無くなっている。 ?、もっと目を凝らすと、 屋根も大きく欠けてなくなっている。 まるで隕石がかすめ落ちたように、、 そうして、その部屋のベランダの一部は 鉄筋が剥き出しになっているようだった。 ・・・というと、その部屋の下のベランダの屋根は 鉄筋が剥き出しになっているという事だ。 スースーと上階が透けて見えると言うことだ。 それはとても、心穏やかじゃない出来事だった。 ショックだった。 しかし、 わたし達は、そこで会話が停止した。 ATUの目が宙を泳いでいる。 悪い物を見せてしまったようだ。 ATUの様子が落ち着かないので、 話題を変えて、そそくさとその場を離れた。 もう、何も見なかったように わたし達は目に焼き付いた映像にフタをした。 ・・・わたしは、何か変な予感がして、 一年に一度も立たない、その場所にちょっとだけ行って マンション全体をただ、眺めてみたいと思っただけだった。 まさか、地震でもないのに崩れている 自宅の上階を見ることになろうとは、 想像もしていなかった。 我が家の玄関の前の廊下は、 雨が降ると雨漏りがするようになっている。 上の階の床が崩れているからなのだ。 こういう事は、今まで我が家ばかりに被害があったので まさか、よその家がそんなになっているとは思わなかった。 わたし達は子供も居ないので、 噂話からは距離があって情報にはうとい。 でも、回覧板では何も回さないのかね?とATUと話した。 自主管理の管理組合では誰かが何かをしてくれる訳ではない。 自分が働きかけなければ、誰も何もしてくれないのだ。 きっと、回覧板に誰が何を書くというのだ?ということなのだ。 そう、住んでいるマンションが壊れています。と 書く勇気なんか、きっと誰にもないのだろう。 理事長だって一年交代なのだし。 目をつむって、口つぐんで遣り過ごしていくのだ。 一度しかない人生の何十年もを、 この壊れかけたマンションの為に費やすことを正視するのは辛いことだ。 売った建設会社は倒産した。 作った当の建設会社は健在だけど いったいこういうことは、 どこへ持って行ったら良いのだろう? この建物は、後何年持つのだろう。 生きてる間、持ってくれるだろうか? 地震もないのに、ローン背負って路頭に迷うのは ・・・イヤだよね。
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