十年近く、ATUが使っている大振りな羽毛布団から、 細かなパウダーの様な埃が出るようになって困っていた。 多分、どうやっても、直すのは無理だろうから捨てようと、 念のため、市役所に電話してみた。 なんでも、燃えるゴミとして捨てる事はできるという、 ただ、大きいとダメなので、 30センチ四方くらいに切ってほしいとの事。 でも、羽毛布団は切り刻めないから、 センターに持ち込むのが一番イイと言われた。 町はずれの河沿いに清掃センターがある。 なかなか街の地理が覚えきれなくて、 方向音痴ではないと思ってる割に、 苦手な地域では、たまにグルグル同じ所を 走ってしまう時がある。 清掃センターがある地域も 苦手な辺りなので、よく道順を確かめてみる。 入念にゴミ袋に入れてある冬用の羽毛布団と 肌掛けの羽毛布団を持って行った。 行ってみると、案内板に 塵芥、ペット → という看板があって動悸がしてきた。 トイレ→ と同じに普通の看板だった。 脳裏に、たくさんの力無く横たわる猫や犬が ベルトコンベアで運ばれていく図を思い浮かべてしまった。 …ここでは普通の事なんだから、 動揺するでない!と心をなだめた。 車ごと計る秤に乗って受付を済ませて、 大きな口を開けているゴミ投げ口の在る所まで車を走らせる。 ゴミを受け取って貰ったら、ぐるっと回って、 もう一度、さっきの受付の所へ行く。 最初の重さと、戻った時の重さの差額で、 お金を払う仕掛けになってるみたい。 10キロ60円とか、そのくらいだと言っていたけど、 今回は布団だったからか、計測不能だった。 よって、持って行った手間は掛かったけど0円で、 大きくて邪魔だった布団を処分できた。
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