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2005年09月03日(土) 容疑者室井慎次・ネタバレ日記

まず最初に書いておきます。
私、この映画駄目だった。
俺はあんなん『踊る』だなんて認めねー!
つわけで、あの映画好きだって人は読まなければいいと思うよ。


ではネタバレ日記。
そもそも『踊る』とは何か。
『踊る大捜査線』の基本コンセプトは『刑事モノらしくない刑事モノ』なのであって、そこからあまりに逸脱してしまったものはたとえ公式だろうとなんだろうと『踊る』ではないわけですよ。
そういう意味で、今回の映画は『踊る』の二次創作でしかない。

そもそも、『真下正義』の時点で哀川翔が出てるときから違和感バリバリだったんですよ。
彼は『踊る』の世界観に合っていない。
彼の誇張された不良っぽさは古きよき刑事ドラマにこそ合うものであって、それからの脱却を目指した『踊る』とは真逆のものだ。
『不良刑事(と書いてデカと読む)』とでも呼びたくなる彼からは、昭和の香りがするのですよ。
異様な熱血を廃し、不自然な刑事モノのオヤクソクをあえて外し、リアル路線を狙った『踊る』らしくありません。
哀川翔が悪いって言ってるんじゃないですよ、彼は今回の映画の『踊るらしくなさ』の最たるものだってだけで。

唐突なストーリー
うそ臭い新宿北署
ありえない刑事
やりすぎな悪役
演出過多、そしてワンパターン演出の上層部
説明もなしに出てくる意味ありげな人
一見重要そうで、実はストーリーと何の関係もないエピソードたち
踊るシリーズだってことを差っぴいて、主演の役名を『室井慎次』ではなくしたとして。
単なる1映画として面白いかと真剣に問いたい。問い詰めたい。

例えば田中麗奈のエピソードとして
『昔ストーカー被害にあったとき警察の心無い言葉に傷つけられた・それ以来警察嫌い』
ってのがあるんですよ。
でも、彼女が自分から告白するまで、見ていてそれがわからない。
彼女が警察官に接する態度に何の違和感も感じないんですよ。少しの敵意、警戒心も感じない。
そして、彼女がそのトラウマを乗り越える描写もない。
室井が気にしている様子もない。
『勇気』に関するエピソードで軽く触れられる程度。
ぶっちゃけ、あってもなくてもいいエピソードです。
そういうのが多すぎる。

製作者側も、『踊るっぽくなさ』は理解してると思うんですよ。
ていうか、あそこまでやっといてわかってなかったら大問題だ。
だから強引なまでに旧作のエピソードを持ち出し『実はあの時あんなことが!こんなことが!』と後付で頑張ってます。
ストーリー絡めるなら口であれこれ言わせるんじゃなくて、視聴者に納得させろ……
言い張るんじゃない、感じさせるんだ!

つわけで、映画駄目でした日記。


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