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■ クリスマスとか
干しいもの入った段ボール箱(いっぱいに干しいもが送られてきたのだ)から干しいもを取り出し、食べながら歩いてくるK。
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Kはまだ、クリスマスとかサンタクロースというものの存在がよくわかっていない。 なので盛り上がっている(もちろん、きわめて日本的に)のは親だけ、というか私だけである。
クリスマスイブは、さつまいものクッキーを焼き、餃子を作り、小布施のシードルをあけた。 餃子とシードルは全然違う方面だし、さつまいものクッキーにしたってちぐはぐだけれど、それでもテーブルの周りにメンバーが揃っていた(ビールを飲んだり、型を抜いたり、はしゃいだりしながら)のは悪くなかったと思う。少なくとも私は。 さつまいもはAちゃんちのもので、これをオーブンで焼き芋にしてあったものを活用し、地粉と卵とバターで生地を作り、型抜きをして焼いた。 本当はクリスマスっぽい抜き型だとよかったのだけれど、思いつきだったので、いつだったかりー氏が買ってきた動物の抜き型を使った。「ワンワ」とか言って喜んだのでよしとしよう。 来年は一緒に作ったりするのかも知れない、と思う。
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朝起きたらKの枕元にはえほんが2冊置いてあった。 緑のクリスマス柄のラッピングペーパーに貼られた赤色のリボンを指さすことや、紙をとめたテープをはがすことが既に遊びである。開いた後にくしゃくしゃ音を立てたっていい。 (とりあえず何でもおもちゃになるからといって、以前ならすぐゴミ箱直行だったものがそのへんに転がっている、転がり続けている状況は、まあ、まずいとは思う。)
−−そろそろ、ストーリー性のある本もわかるようになってきているみたいなんです。『おつきさま こんばんは』(林明子、福音館書店)なども気に入っているようなので。 たとえば、そろそろ、『しろくまちゃんのほっとけーき』(わかやまけん、こぐま社)を読んでもいい頃かなと思っているんです。ホットケーキはKも好きですし。 それから動物も好きなので、写真か、写実的な画風で動物が描いてあるようなものもいいかなと。
と、サンタさんに情報提供しておいたところ、『しろくまちゃんのほっとけーき』と、とだきょうこ あん・さとうあきら しゃしん『こんにちは どうぶつたち』(0.1.2えほん、福音館書店)が届いた。
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少し年長のお子さんに、おもちゃを横取りされるとか、嫉妬ゆえ不機嫌になられるとかいうことは今までにもあった。そんなことも越えて成長してゆくのであろう、それも貴重な経験である、とむしろ好意的に見ていた。 某日初めて、Kが肘鉄をくらい、あからさまにドスンと倒されるところを見た。そんなもんだと思ってはいたけれど、初めて見たその場面に、さすがにちょっとひるんでしまった。私がいちばんイヤだと思う感情−−自分の子供*だけ*がかわいい−−がわきあがってくるのを感じた。いちばんイヤだと思うけれど、それがあるからやってゆけるのだという感情。 自分と同じように他者にも感情があることを、これから、発達の過程で「彼」は学んでゆくのだろう。わかっていても、ちょっと、びっくりするもんですな。「彼」にとってKが、意思と人格を持った存在として認識されていない、ということには。
幸い私はKをかわいいと思えているのだが(母性が自明のものであるとは思わない)、しかしすべての人がKのことをかわいいと思っているわけではない、とある時、絶望的に悲しくなってしまったことを思い出した。 いよいよ、ばかである (『富嶽百景』風に)。
2007年12月26日(水)
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