くじら浜
夢使い
あの夏の日 1
2004年06月15日(火)
一瞬、閃光が走り
時差をおいて爆音が鳴り響いた
少年は裸足で外に飛び出し
顔を天に平行に持ち上げ
天から落ちる雨を垂直に受けとめた
両手を広げ天に突き出し
手のひらで雨を受けた
雨は天から手を刺し顔を刺し
そしてそのまま少年を包み込んだ
激しい雨だった。
深呼吸の必要
2004年05月29日(土)
日常に埋没した粒たちを
ひとしきり吸い込み
思いっきり大気に放つ
同じ夢をみる
2004年05月18日(火)
長い長い夢を見たと思っても
実際にはほんの一瞬だった
通り過ぎた色はぼんやりと青く染まり
平面な意識下にもうひとつの自分を落とし
願わくばもう一度と
そんな一瞬の間に
永遠の夢を再びみる。
影が廻る
2004年05月11日(火)
右手から太陽が射し、
車を左にカーブしたら
影がクルリと車を一周した。
軸になっているのは自分かと
ふと錯覚をした。
繋がっている。
2004年05月06日(木)
ずっと遠い昔から
繋がっていて
見えないものがまた見えてきて
それはやっぱり痛かった
痛みは確かな繋がりであり
痛くて嬉しかった。
ずっと遠い昔の痛みは何だったのか
見えない時の痛みより
見えて再び繋がって
痛みを確認する
そしてずっと遠い昔から繋がっていた。
初夏の嵐
2004年04月27日(火)
過ぎ去りし匂いを拭い
懸命に新しい風が吹く
切れ端に必死にしがみ付く過去の匂い
重なり重なり
年輪となり
新しい風が吹き
重なり重なり
歴史となり
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