くじら浜
夢使い
交差した一瞬
2006年09月13日(水)
色のついた朝がきた
ゆうべの夢はみごとなまでに色褪せ
その交差した一瞬
寒い朝
2006年09月12日(火)
夢を忘れないように
夢を忘れないようにと
なぞった指が
色をつけるように
閃光
2006年09月11日(月)
雷が鳴った
夜更けに激しく鳴った
そういえば夜明けが怖いと言った子がいた
あの子は今どうしてる
もう白い朝は大丈夫ですか
太陽が沈んだ
そしたら溢れてきた
この時期の落陽はいつも溢れる
あの日ビルに飛行機が直撃した
朝一番の画面には煙を吐くビルと
泣き叫ぶ人々の様が映し出されていた
耳鳴り
2006年09月10日(日)
鼓膜の裏のあたりに違和感を感じる
もう半年くらいかな
奥歯の痛みを我慢して
キュッと力を入れたら
左の耳の奥で何かが弾けた音がして
激痛が走った
それ以来痛みは消えたが
違和感と微かな耳鳴りがする
秋の空は爽やかに高く
電線と白い雲が左耳に木霊した
匂い
2006年09月09日(土)
あのベンチに
もう一度坐りたいと思った
古い記憶などもうどうでもいい
ベンチから見上げた夕陽が
君の匂いに溶けたんだ
あの夏の日 6
2006年09月06日(水)
それでも少年は夏を探す
大きく雲を掴み
吹く風を身に纏い
樹に留まり青を感じ
土に足を入れ生命を感じ
水に打たれ天を感じ
海に抱かれ宇宙を感じ
山に抱かれ鼓動を感じ
流れ落ちたモノで己を感じ
溢れ出るモノで体温を感じ
繋げた夢で軌跡を感じ
矧がれた破片で明日を感じ
それでも少年は夏を探す。
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