くじら浜
 夢使い







嵐の予兆   2007年03月05日(月)

雨の匂いがする

風が一瞬止まり
木々がざわめく

光は灰色のベールに遮られ
徐々に蓄積されるエネルギー

いきなりの突風は
そのベールをも吹き飛ばし
放たれたエネルギーが
地上を照らす

やがて来る嵐の予感に
身を委ねながら
ぼくたちはその時を待っている









ここで   2007年02月27日(火)

もうなんかいめだろうか
このおなじ場所から
おなじ時間に
おなじ光景を
もうなんかい見ただろうか
赤くもえて沈んで
赤くそまって焼けて
もうなんかい見るのだろうか








蛇口   2007年02月20日(火)

蛇口をひねって

そこから溢れ出るモノ

蛇口の下にバケツを置いて

流れてきたそれをいっぱいに溜めて

あふれてこぼれてながれていって

それでも蛇口をいっぱいに開けて

次から次におちていくモノに手のひらを濡らし

あふれた泡をこの濡れた手のひらで掬い

そしてゆっくりと蛇口を閉める










冬の雨が   2007年02月14日(水)

フロントガラス越しに見る昼間の雨の風景
木々のざわめきが餌を欲しがる雛鳥のように
風に吹かれる雨粒を突つく

乾いた宙に落ちる雨は
久しぶりの愛情をたっぷりもらう枝先に
ためらわず向かってゆく

冬の雨はあたたかく
バックミラーに流れていった








美しいもの   2007年02月07日(水)

美しいものがひとつだけある
それは真っ白な雪の結晶ではなく
太陽に延びる大きな向日葵ではなく
それを愛する強い力

( 2007.01.18 )








宇宙の法則 5   2007年02月05日(月)

永遠にも感じる時
その一瞬が宙に跳ぶ
傍らのぼくは立ち停まり
軌跡を追う
その一瞬が
永遠にも感じる







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