くじら浜
夢使い
跡
2012年06月15日(金)
その歴史も
その臭いも
その染みさえも
蝉の声
2012年06月14日(木)
お母さんをさがしています
母の名前を書いた紙をぶら下げて
少年は毎日避難所めぐりをしていた
ガレキの山から
たった一枚だけ見つけたと
写真を手におばあちゃんは微笑んだ
今年はセミが鳴かない
傷
2012年06月13日(水)
壊れたのは具象ではなく
言葉だったのかもしれない
平坦になった大地の前に
君たちはただ立ちつくし
画面の前でぼくたちは
息を呑むしかできず
たとえ君が言葉を失っても
ぼくは同情はしない
ぼくも言葉を失ったから
消失
2012年06月10日(日)
その日を境にすべての光が消えた
家路
2012年06月07日(木)
ドスンッと音がして
地面がゆれ空がゆれ人がゆれ
そしてすべてがゆれた
後部座席では母さんが
やっと繋がったとケイタイを握りしめ
泣かないでひろしちゃんと
電話をきったあと自分が泣きだした
目のまえの信号はすべて消え
真っ暗な交差点に難民たちは足跡だけをのこして
たとえ明日が途絶えても
必ずおうちに帰るんだと。
スローモーション
2012年06月05日(火)
遠くからおしよせる
白い塊
しずかに
せまり
ぼくはのまれた
≪
≫
初日
最新
目次
HOME