六本木ミニだより
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小説を書くとき、「1日2枚だけ書こう」と決めました。それ以上書くと神経ブチきれそうだし、長丁場だから持たない、と思って。ところがその2枚が書けず、ぐだぐだする日が続きました。襲ってくる真っ黒な自己嫌悪に耐えてました。 今日、やっと、連続で1日5枚書けた。 長文がなぜ大変かというと、短文というのは、日常生活の中で使っている思考回路だけで比較的書けるんです。「歩く」のと同じね。でも、長文は「走る」のと同じ。ふだん使わない筋肉使わなくちゃいけない。ヒーヒー痛いです(笑)。
2002年03月27日(水) |
声に出して歌いたい日本語 |
例の喪服の打ち合わせの後、夜、声楽家の知人のミニ・コンサートに行って来ました。 とても良かったのは、「中田喜直」「團伊玖磨」「山田耕筰」など、日本の古き良き作曲家の歌をじっくり聞ける機会だったこと。歌詞も谷川俊太郎、北原白秋など、日本語の美しさを追求する詩人たちがつけています。 今、「癒し系」という言葉が頻繁に使われるようになって、それはいい面も悪い面もあると思うのですが、昔の音楽は、「癒し系」なんていわなくても「癒し系」だったのですね。 クラシックのコンサートですから、じっと集中して聞くタイプの音楽会だったのですが、できれば、一曲ぐらい、一緒に歌ってみたかった(不遜)。 生のソプラノを聴いていると、自分のお腹の中まですっとしてくるという、気持ちのいい機会でした。 それと、例のスーツもそうなんですが、例え西洋生まれのものであっても、日本で育って日本ならではの良い個性が生まれる可能性はたくさんあるのだと感じる機会でもありました。
余談ですが、中田喜直や山田耕筰が今、生きていたら、金子みすゞの詩に曲をつけてみたいと思うのではないだろうか。さて、どんな曲ができたでしょう……。
(今日は午前中に25日分の日記を書きましたので、更新は2回目になります)
小学校の入学式の日、私の前の席に座った「みやこちゃん」は、四代続くテーラーの娘さんでした。 四代って明治から続くってことですから、日本に「洋服」というものが輸入されてから、ほぼ同時期を洋服作り続けているお家なわけです。 そのみやこちゃんが、「中小企業なんとか公庫」からお金借りて自分の店を持ったのが七年前のこと。当時から「ぜひ見に来てね」といわれたり、「雑誌にのせてもらいたんだけど、どうしたらいいだろう?」という相談にのったりしていました。
とはいっても、自分にとって「オーダーのスーツを頼む」など、縁がないことだと思っていました。 ところが、彼女のデザインする服は、私にとっても、「そうそう、こういうものを欲していたのよ、私は」と思えるものだったのです。というのは、紳士服の素材を使って、女性用のスーツを仕立ててくれるのです。従来の、いかにもフェミニンな素材を使った「洋装店」というイメージとは、まるで違いました。 しかし、具体的に着る機会もありませんでしたし、金銭的にもそれなりの勇気がいりますから、実際に頼むことはなく、七年間が過ぎました。
このたび、大学の時に買った喪服がさすがにもう着られないので、ついにオーダーすることしました。 今、先日退院した祖母は、日常生活を楽しめるほど元気に回復しているんですね。ですから、今のタイミングをはずしたくないと思ったのです。 実は、一昨年、祖父が死んだときも、買いに行くタイミングを逃してしまって、手近の紺のスーツで間に合わせてしまったのです。 そして、喪服ではありますが、他の機会にも着られる服にしたいので、「黒でない色を」ということで頼んでみました。すると、「グレーは霜降りが入るのでどうしてもカジュアルになる。喪服にするなら濃紺でほとんど黒に近いのがある。それがいいのではないか」との返事。先日、見本を見せてもらいに行きましたら、これがすばらしいので、この色で作ってもらうことにしました。 素材は、イタリアの「ロロ・ピアーナ」という会社の布地を使って作ってくれます。「ロロ・ピアーナ」というのは、「アルフメネド・ゼーニヤ」、(もう一つ何か忘れた)と並んで、イタリアの三大テキスタイルメーカーだそうです。もちろん、立体裁断です。
気になるお値段ですが、私が92年に結婚したときのホテルでのウェディングドレスのレンタル代と、ほぼ同じぐらいのお値段です。(私はドレスブラックで既製品を買っちゃったので、それよりさらに安かったんですが) 「結婚」「誕生」というおめでたい席に、お金や手間暇をつぎ込むのってて楽しいし、話題にするのも楽しいですよね。でも、「死」という俗にいう「不幸」の席でも、学ぶものはたくさんあるし、それなりの気持ちをもって臨みたい、という気持ちが、今回の決断の背中を押したような気がします。
実は、この日記によく出てくる祖母というのは死んだ母の母で、母は一人娘だったんですね。そして、私は子どものなかで長子です。 ということは、祖母が死んでも、父が死んでも、セオリー通りにいくと、私は「喪主」なんですね。 このHPに訪問してくださる方は、私より歳下の方が多いようですし、冠婚葬祭の中で話題になるとすれば、圧倒的にウェディング、つまり「婚」ですよね。でも、私は、もう一つ先のステップ、「葬」の方を気にする歳になってきたようです。 みんなより、ちょっとだけ人生の先の方を、一足先に歩ませていただきます。
なーんていうカッコいいタイトルで、続きを書くつもりでいたのですが……。 金曜日みたいな長文を書いてしまいますと、それだけでスケジュールが押せ押せになってしまって、火曜日まで何も書けない、なんてことになってしまうのですね。昔は日記だろうが掲示板だろうが、何倍もの長文を書いてたんだけどなあ。しょうがないので、はしょって書きます。
「今、小説を書いてます。長編は大変です。体力と根気と勇気がいります。でも、私にもっとも必要なのは、リラックスだったのかもしれません。リラックスできないと、集中はできないのかもしれません。ニヤニヤしながら1年ぐらいかけてやっていきます」
なんだ、ちゃんとまとめられるじゃん。
前にもちょっと書きましたが、バンバン買い物するようになっちゃったのと、小説を書き始めたのとは関係があります。 「小説売れたら大金持ちなんだから、買っちゃえ〜」と思っているからではありません(一冊の小説で執筆者が手にする金額は、サラリーマンの年収より低いのが相場)。そうじゃなくて、これでダメなら、すっきりと次の人生に行けるので、〜ライター仕事増やすなり再就職するなり〜、腹が据わったからなんです。書くことができなくて、動きがとれずに苦しんでいる状態というのは、現実的にも精神的にもいちばんキビシイ。みんなが働いていて、自分ひとり、空を眺めていると白い雲が流れていくというのはね。
「買い物手帖」をつけるようになってよかったのは、書いたときに、「これは本当に自分の欲しかったものか」確認できるということ。本当に欲しかったのか、必要なのに買えずにいたものか、それともヤケで買い物しちゃったのか、自己確認できるのです。 で、明日、この「買い物手帖」に書き加えても絶対に後悔しないと思える、「すごい買い物」をしに行きます。 何を買うか公表しようかどうしようか……、あ、もう出かける時間だ。決断しなきゃ。オーダーのスーツなの。 (一応、『ニヤニヤ生きる』シリーズはここで終わり)
2002年03月22日(金) |
やっとシリーズの続きです |
(この稿は以前からの続きです。初めての人はindexから「ニヤニヤ生きる」をクリックしてね)
さて、「ニヤニヤ生きる方式」を取り入れようと思い立った私は、さっそくあれこれの生活シーンの中で試してみました。 まずしょっぱなは、かなりくだらないんですが、「階段を下りる」です。私は地下鉄の階段を下りるのが遅くて、彼の家から一緒に出勤したときなど、「早く下りてよ〜」と、かなりイライラされます。なんとなく脚がこわばって、もつれてしまうんですね。 で、ニヤニヤしながら下りてみました。 すると!「タタタタター」、まるでレレレのおじさんのごとく、脚がスムーズに動くではありませんか。 次は、もっとくだらないんですが、「歩く」ことです。私は歩くのも遅いです。ところが、ニヤニヤしながら歩くと、足取りが軽やかになるのです。
先日、ボウリングに行ったときも、もちろん、ニヤニヤしながら投げました。うむ、スペア取ったぞ。ガーターも出したけど。 ちなみにこの日、連れ合いは、3連続ストライク、いわゆる「ターキー」というものを初めて出しました。 (私はそれを「ターキー」ということもそのとき知ったんですけど)。私は興奮して、 「ね、ニヤニヤして投げた? ニヤニヤして投げた?」と聞いたら、彼はちょっと考えて、 「うーん、きりっとした顔で投げた」 やっぱり、すべてがセオリー通りにはいかないようです。
そうこうしているうちに、この「ニヤニヤ生きる方式」が、自分の基本的な「生きる姿勢」みたいなものに染みこんできたことに気づきました。 mplの型紙に手を入れよう、と決断したのも、その延長なのです。うまくいえないんですけど、その作業をしたとき、「迷い」がなかったの。そして、自分が納得できるときは、「正解を出したとき」じゃなくて、この「迷い」が感じられなくなったときなんだ、ってことがわかりました。
さらに、この「ニヤニヤ生きる方式」は、私の生活に、ついに大きな変革をもたらし始めました。 それは、長編小説を書き出した、ということなのです。 (この稿さらに続く)
+GS式music+ oops!...I did it again/Britney Spears
2002年03月21日(木) |
恋をするならワンルーム(by爆風スランプ) |
昨日の夕方、連れ合いから「かぜでそうたい」のメールが入ってきました。 今年の風邪は、どうも、フルコースで全部の症状が出るみたいですね。電話してみると熱がある模様で、声もぐったりしちゃってる。うちのかれは、ふだんはわりと飄々としている方なんですが、「さくらもちたべたい」などと甘えたメールが入ってくるぐらいひどかったらしく、差し入れ物資もって向こうのアパートに行きました。
ウンウン唸っている連れ合いには悪いんですが、私としては、カレがカゼひいて、しかも早退なんてことしてくれたのは、ちょっと嬉しかった。なぜなら、最近、かなり仕事がハードで、スケジュールも不規則で、その不規則さに私まで振り回される結果になっていたからです。 「土曜日に行く」ということになっていたのに、突如土曜日は出勤になってしまい、そのまま徹夜。なんてことが多いんですよ。こちらとしては、「いつかなあいつかなあ」と思いながら、時間が過ぎていく。私は、ひとりでいるのはそんなに嫌いではありませんが、うららかに晴れた日曜の昼間、いつのまにかテレビで『アッコにおまかせ』が始まってしまうというのは、あまり気分のいいものではありません。
翌朝、カレの家にて、「そうだ、このままお墓参りに行っちゃえ」と考えつく。祖母は今年はもうお墓参りどころじゃないので、名代で行って来てといわれていて、本当は24日に行く予定だったのです。 でも、彼のアパートからそのお寺までは、すごく近い距離なんですね。こりゃいいや、行ってしまえ、ってんで、花を4つも抱えてお寺に行きました。 そして、帰りに、お寺のそばにある、「くずもち」が有名な「船橋屋」というお店で、おみやげにくずもちを買いました。 これが、病人食として大当たり。病人じゃない私にも大当たり。おいしかったー。 祖父母に連れられて食べに行った子どもの頃は、「もっと蜜が多けりゃいいのに〜」と密かに思っていたのですが、おとなになってみるとまあ、餅の方のもちもち感がうまいのなんの。ふたりで夕方までにぺろぺろとたいらげました。 デパ地下なんかでときどき見かける「銘菓」なんですが、そのわりには、2〜3人分入って650円と、お値段もお手頃です。
彼の住居は、軽量鉄骨の1kです。そして、彼は、性格的に、ぜーんぜん、インテリアに凝る方ではなく、要するに、「単身男の素っ気ないアパート」という感じです。そんな彼の家に行くと、ミョーに若返った気がするというか、人生やり直している気になって楽しいです。胃が悪いというので、ツボ押してあげちゃったりなんかして、しっぽりとすごしました。
+GS式買物手帖+ 無印良品/カーペット用コロコロクリーナー
2002年03月19日(火) |
石ともがかわいく化けた話 |
works更新しました、なんて話は、今日はどうでもいいんです(オイオイ)。今日ですね、前からずっと行きたい行きたいと思っていたところに行ってきまして。それもすごい楽しいところでして。
それは、「王様のブランチ」の姫様のコーナーで紹介されていた、15分でメイキャップをしてくれるお店なんです。ケサランパサランがやってるやつ。以前は青山にしかなかったんですけど、日比谷にできたのを知っていたので、ぜひ一度行ってみたいものだと、機会を狙っていました。 お化粧って、自分がうまいのか、ヘタなのか、自分で判断できます? 「自分ももっとキレイになれるかもしれない!」って思ったり、「いや、もともとの素材を考えると、これが限界なのでは?」って思ったり、することありません?
なーんて、お化粧の話を書いてきましたが、実は、私、仕事で出かけるときは、まず9割方、メイクしないのです。完全に「すっぴん」。銀座だろうが青山だろうが。 それは、メイク道具はそれなりに持っているのに、全然使いこなせていないからなんですね。たまにすると、「したわりにちっともかわいくならないなあ」と思ってウツになるの。だったら、いっぺんプロにちゃんとやってもらった方が、コツもわかるし、一度試してみて気に入ったらここぞというときは今後も頼んじゃった方がいいかなと思ったんですよね。
で、ですね。うまいんですよ。かわいくなったんですよ。すごい気に入っちゃった。若いメークさんなのに。薄暗くなった日比谷を、ひとりでニコニコ歩いてしまいました。神様、許してください(笑)。 しかし、最近、お金の使い方に人生観の変化が出ているなあ、と我ながら思うんですけど。実はこの話、先日から続きが止まっている「ニヤニヤ生きる」って話とつながっていく話なので、もうちょっと待っていてくださいね。
+GS式買物手帖+ ユニクロ/ジーンズ、クラシックフィット 無印良品/段ボール箱スピーカ 同/アルミフレキシブルライト(ベッドの読書灯用)
2002年03月18日(月) |
たぶん明日更新します |
シャツの写真、できているのにファイルが作れない。 こんなこと、初めてだなあ。なーんかこまこまこまこま忙しい。週末は映画評論のクラスに出てたし。あ、そのわりに今日、ラ・ドログリー行っちゃったし。 今週は夜も忙しいので、ここで終わりにします。世界フィギュア見るんで。
2002年03月15日(金) |
今週は原稿が書けなくてキツかったです。 |
アディクションと家族と映画、更新しました。 今週は、原稿にかかりきりになってしまったおかげで映画を1本も見られなかった。すごく気になる映画の試写があったのに、忘れてしまった。 今、大好きなデヴィッド・フィンチャー監督の『ゲーム』を見ているんだけど、明日の課題に備えて『サイダーハウス・ルール』も途中で止まっている。
見終わって、余裕があったら、昨日の続きを書きます。
(昨日からの続き) 昨日の「スガシカオばなし」を聞く数日前、NHKの『課外授業・ようこそ先輩』で、メジャーリーガーの長谷川滋利投手の回を見ました。 そのなかで、長谷川選手が子どもたちと一緒に実験をしていたことは、
・50mを、「怒った顔」をして、全力疾走する。 ・そのあと、同じ距離を「笑った顔」をして、全力疾走する。
すると、ほとんどの子どもが、「怒った顔」をしたときより、「笑った顔」をして走ったときの方が、いい結果が出たのです。 彼がいうことには、「笑った顔をすると、体全体の筋肉がゆるみ、リラックスした状態になる。だから、いい結果が出るんです」 (この項続く)
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